『みいちゃんと山田さん』だけではない

 “衝撃作”が続々アニメ化される理由

みいちゃんと山田さん』だけではない “衝撃作”が続々アニメ化 ...
 

今年は話題性の高い原作のアニメ化が相次いでいますが、その中でも『みいちゃんと山田さん』は大きな驚きを呼んでいます。2012年の新宿・歌舞伎町を舞台に、何をやっても“ちょっと足りない”キャバクラ嬢の新人・みいちゃんの搾取・孤立を描く作品だけに、アニメ化により現実社会への悪影響を危ぶむ声も上がっています。

 

このほかにも、『地元最高!』『インゴクダンチ』『FX戦士くるみちゃん』など、SNSで話題を集め、「漫画だからこそ可能」といわれてきた作品のアニメ化が控えています。その背景には、何があるのでしょうか。

 

 

 

 

アニメーターの専門家のエキスパートの補足・見解

いずれの原作も、世界に目を向ければ前例のないテーマというわけではありません。「生まれた地域に縛られながら転落していく物語」としては人気ドラマ『ブレイキング・バッド』があり、投資を通じた破滅を描く実写映画も決して珍しくありません。

 

しかし、それらが「可愛らしいキャラクターの漫画」として成立しているのは、日本ならではの特徴です。絵柄と苛烈な物語との落差は、アニメ化により幅広い層へ届けられ、SNSで大きな話題を呼ぶ可能性があります。

 

さらに海外でネット配信されることで、言語の壁を越えて巨大な市場へリーチできます。とくに『地元最高!』はNetflix独占配信だけに、暴力だけでなく生活圏そのものの汚れや閉塞感も規制なしに描かれ、衝撃を受ける視聴者も少なくないはず。

 

それぞれの原作が攻めた題材を扱うなか、『みいちゃんと山田さん』はアニメ制作陣がどのような切り口で描くのか、注目が集まる作品です。すでに「みいちゃん」が発達障害当事者の女性に対する蔑称として使われるなど、差別やいじめにつながっているとの指摘もあるためです。

 

搾取や破滅を消費させるだけの映像化ではなく、主人公を取り巻く社会や構造まで描き切れるかが問われそうです。