高待遇で採用した中途社員が

正直“期待ハズレ”...

プライドの高い中年男性はどう教育すべき?

高待遇で採用した中途社員が、正直“期待ハズレ”...プライドの ...
 
 

日常で感じる「ちょっとした違和感」について井戸端会議していくこの連載。

ウェブマガジン「ミモレ」とその読者コミュニティ〔ミモレ編集室〕に寄せられた皆さんのモヤモヤエピソードをご紹介していきます。 

今日ご紹介するのは、中途採用に関するモヤモヤエピソードです。

「売り手市場」転職マーケットの光と闇

エピソードをお寄せくださったのは、メーカーの財務部で管理職をしているシズカさん(45歳・会社員)。 

 

 

  医療系メーカーの財務部で、チーム長をしています。会社の業績は好調で、私が担当している経理の仕事も右肩上がりに増加。

職場の人手不足が深刻化する中、思い切って中途採用に踏み切りました。 会社の方針で、営業や企画に人材を多く配置する一方、財務部のようなバックオフィスにはなかなか人を置いてくれません。

「人が足りない」と訴えても、やってくるのは新人ばかり。私たちと同じ悩みを持っている隣の企画部が最近中途採用を増やして成功していると耳にして、初めてトライしてみることにしました。 転職サイト経由で応募してくれたのは、金融機関に勤続12年というベテラン。金融知識はもちろん、明るく快活な人柄も好印象で、「即戦力になってくれそう」と採用を決めました。 しかし、今の転職マーケットは売り手市場なんですね。内定を出してからも、「他の会社からのオファーもある」と言われて雇用条件を何度も交渉させられ、部署の同世代よりも好待遇で入社することになりました。 今年の3月に晴れて入社となり、もうすぐ4ヵ月。苦労して採用したこともあり、期待は大きかったのですが……。正直、「期待ハズレ」です。 もう三十代半ばとはいえ、まずは会社のルールや事務を覚えてもらわないと仕事になりません。教育担当を置いたのですが、中途採用者よりも年下なのでやりにくそう。中途採用の彼はプライド高めなタイプみたいでいちいち突っかかるような言動が目立ち、教育担当からは「もう嫌です」「なんであんな人採用したんですか?」と次々に不満の声が。 そもそも中堅世代がいないから採用したので、ちょうどよい年頃の「先輩社員」がいないのは当たり前のこと。彼よりも年上なのは、お願いしたい業務とは違う担当をしている一人と、管理職の私だけ。今の私には、一人にぴったり貼りついて仕事を教える余力はないです。 結局、研修もままならず、本人の積極性も見られず、宙ぶらりんな状況。結構高い給料を払っているのにと思うと腹が立ちます。

 

 

「暗黙の了解」は通じないと心得て

 売り手市場と言われる転職マーケット。他社と比べられて条件を釣り上げてまで入社してもらったのに「期待ハズレ」となると、正直モヤモヤしますよね。人材確保やチーム運営に日々悩んでらっしゃるであろうシズカさん、お気持ちよく分かります。 お話を聞いていると、そもそもあまり中途採用が多くない職場なのだろうと推測します。そうなると、中途採用者をどう育成すべきかというようなセオリーも社内にはなさそうですね。プロパー社員と中途採用者は、まったく別物と考えてもらった方がよいと思います。 新卒入社したプロパー社員は、新人研修から配属店でのOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング、実際の業務をしながら先輩や上司が仕事を教えること)で、「積み上げ式」の教育を受けています。会社のカルチャーや組織構造・明文化されていないルールなども、若手時代からしっかりレクチャーされているはずですよね。同じバックグラウンドを持っている者同士、「暗黙の了解」がちゃんと通じる環境です。 転職者にはその「積み上げ」がありません。ゼロです。しかしその分、他社で培ったスキルや経験があり、それを活かして働いてくれることを期待されて入社します。転職者が新しい職場で力を発揮できるかは、本人と受け入れる側それぞれの「カルチャーフィット」がポイントになります。

ハネムーン期間=長くても1年?

 シズカさんたちが採用した方にも、きっと「プロパー社員にはないスキルや経験」があるはず。そしてそれを今の職場で発揮するには、前提となる「この会社のカルチャー」を理解してもらう必要があります。 教育担当に若手社員を指名したとのことですが、それ自体は問題ではありません。実際の仕事のアレコレは、現場の社員が指導するのが一番効率的ですよね。しかし、それだけでは足りないと言わざるをえないと思います。転職者に必要なのは実務面の教育だけでなく、「会社のカルチャー」「何を期待されているのか」を伝え、話し合う場です。 今の職場でそれができるのは、シズカさんしかいないのではないでしょうか。ただでさえお忙しいのに心苦しいですが、この仕事は誰にでもできることではなりません。  転職者がいつまでも職場になじめず、業務に貢献できていないとなると、近々問題になるはずです。彼自身、居心地が悪くて仕方がないでしょう。「彼、中途採用だもんね」で諸々が許されるのは、半年か、粘っても1年間くらいではないでしょうか。 入社してすでに4ヵ月が経過しているとのことなので、この問題には急ぎ手を付ける必要があります。 短期決戦と割り切って、他の仕事を調整し、転職者と向き合う時間を定期的につくってほしいです。シズカさんよりさらに上の管理職の方に、一度相談してみるのも良いと思います。問題意識と今後のToDoを共有しておくことで、シズカさんの業務量を調整してくれるかもしれませんし、転職者教育のサポートも得られるかも。