【衝撃】
5000万人死亡の過去…異常気象
「スーパーエルニーニョ」が再来か
20世紀前半、人類は二度の世界大戦や1918〜1919年のインフルエンザ流行など、多くの悲劇を経験した。けれど、その少し前にも、いまほど知られていない世界的な環境災害があった。 1876〜1878年、アジア、南米、アフリカを襲った大飢饉により、推定5,000万人が命を落としたとされる。引き金のひとつになったのが、太平洋で起きた非常に強いエルニーニョ現象だ。
※この記事は『Popular Mechanics』の記事の翻訳をもとに、ウィメンズヘルス日本版が編集して掲載しています。 ※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。
1876〜1878年、何が起きたのか
2018年に学術誌『Journal of Climate』で発表された研究では、この出来事は「人類を襲った最悪級の環境災害」であり、過去150年ほどのあいだでも最大級の惨事だったと指摘されている。研究者たちは、1876〜1878年のエルニーニョと気候イベントが、のちに「第一世界」と「第三世界」と表現されるような世界的な不平等の形成にも関わったとみている。 エルニーニョとは、太平洋の海面水温や風の流れが大きく変化する現象のこと。より正式には、ラニーニャとあわせて「エルニーニョ・南方振動(ENSO)」と呼ばれる。通常、太平洋上の貿易風は東から西へ吹き、暖かい海水を西太平洋側へ押し寄せる。ところが年によってこの風が弱まると、南米沿岸で起きる冷たい海水の湧き上がりが止まり、気候のバランスが崩れやすくなる。
エルニーニョだけが原因ではなかった
1877年、世界はとくに強いエルニーニョに見舞われた。米ミネソタ州自然資源局によると、同州では当時、ツインシティーズの平均気温が29°F(約−1.7℃)に達し、観測史上もっとも暖かい冬を記録。この記録は、同じく強いエルニーニョの影響を受けた2023年まで破られなかった。 ただし、近年の研究は「強いエルニーニョだけが主犯だった」という単純な見方に慎重だ。2018年の研究では、それ以前から熱帯太平洋で涼しい状態が続いていたこと、記録的に強いインド洋ダイポールモードが発生していたこと、さらに大西洋の海面水温が異常に高かったことが重なり、強いエルニーニョが生まれやすい条件が整っていたとされる。
