「何回言わせるんだい」 

雨上がりに増える“傘のヒヤリ” 

危険な持ち方を眼科医が注意喚起

 
 
天気が変わりやすい春は持ち歩くことが多い傘。とくに雨上がりに傘を閉じて持ち歩く際
 
 
その扱い方ひとつで周囲に深刻な被害を及ぼすおそれがあります。X(ツイッター)で
そんな日常に潜む危険への警告が話題に。現役の眼科医で、投稿者のドクターK@眼科医パパ
 
 
 

「目に当たって危険」 眼科医が指摘する傘の持ち方

「何回言わせるんだい、という感じですが……傘の持ち方には注意してください」  そんな書き出しで、周囲への配慮を欠いた傘の持ち方の危険性を指摘したドクターKさん。投稿に添えられた写真には、長傘を地面と水平にして持つ男性が写っています。  傘の先端(石突き)は自分の視界から外れた真後ろを向いており、腕の動きに合わせて大きく揺れる不安定な状態です。ドクターKさんはこの状態について「目に当たって危険です」と警鐘を鳴らします。  そのうえで、傘を縦に持つか、折り畳み傘を活用する方法を提案。子どもや車椅子の利用者、さらに階段下にいる人の目に当たらないよう配慮することを強く促しました。  この投稿には5000件近い“いいね”が集まりました。リプライ(返信)には「一回誰かにぶつけて加害者にならないとわからないんだろうなぁ……」「会社の階段で胸に当てられた経験がある」「育ちが出ますな」など、さまざまな声が寄せられています。

「眼科医としては本当に恐怖」

 

 ドクターKさんは梅雨の時期になるとこうした持ち方をする人が一気に増えることを以前から危惧していたといいます。「とくに子どもの目の高さに近い位置に傘の先端が来ることもあり、眼科医としては非常に怖い持ち方だと感じています」と、その胸中を語ります。 「傘の先端が目に当たると、角膜や結膜を傷つけるだけでなく、当たり方によっては眼球そのものに強い外傷を起こす可能性があります。軽い傷で済む場合もありますが、角膜を深く損傷したり、前房出血、虹彩や水晶体の損傷、網膜への影響などが起こったりすることもあります。さらに強い力が加わると、眼球破裂のような重篤な外傷につながる可能性も否定できません」  一度大きく傷ついた目は、たとえ治療をしても、視力低下などの後遺症が残る場合もあるといいます。 「目は小さな臓器ですが、視機能に直結する非常に繊細な部位です。だからこそ、傘の先端を人に向けないという基本的な配慮がとても大切だと思います」

 

「誰かを責めたいのではなく」想像力が目を守る社会へ

 投稿への大きな反響に対し、ドクターKさんは「今まで無意識にやってしまっていたので気をつけます」「子どもの目線で考えたことがなかった」という気づきの声が多く寄せられたことに、確かな手応えを感じています。 「誰かを責めたいというより、無意識の行動が思わぬ事故につながる可能性があることを知っていただきたい、という思いで投稿しました。今回の反響を通じて、少しでも傘の持ち方を見直すきっかけになればうれしいです」  目は片方の視力が大きく落ちるだけでも生活の質に大きく影響が出る器官です。もちろん日常で起こる目の怪我は、傘の先端に起因するものだけではありません。自分自身や周囲を守るためにも少し意識するだけで「防げる事故はあります」とドクターKさんはいいます。