高校内になぜファミマ?

万引きリスク減&親も安心

 
1月14日、高知市の土佐塾中学・高校の校舎内に『ファミリーマート』がオープン
 
 
ここ数年、物価高や光熱費の高騰、少子化などで「学生食堂(学食)」の経営が悪化。全国的に撤退が相次いでいる。土佐塾中学・高校でも昨年11月、長年親しまれてきた学食が営業を終了。その場所を活用してコンビニを誘致
 
 

“学校内”でコンビニ側に3つのメリット

【流通アナリスト 渡辺広明氏】 学校内の出店は、コンビニ側にもたくさんのメリットがあります。 ひとつめは「品数を絞れる」こと。土佐塾中学・高校内のファミマの品ぞろえは約1000点とのことですが、これは通常のコンビニの3000〜3500点の3分の1以下です。 品数が少ないというのは、在庫の管理や陳列など多くのことが効率化できます。もちろん、このことでお客さんに不便や不満を感じさせてはいけません。 土佐塾中学・高校の場合は、事前に全校生徒にアンケートを実施して、要望の多かったボールペンなどの文房具やグミなどの売り場を大幅に拡大。全体の品数を減らしながら、お客さんの満足度が高い売り場づくりができているのです。 また、学校内コンビニは“閉鎖商圏”のため利用客数が読みやすいのと、売れる時間帯や時期がはっきりしているのも大きなポイントです。(※閉鎖商圏:特定の限られた人だけが出入りできる立地のこと。その場所の利用者が主要顧客となる特殊な商圏) 毎日のこととしては、昼の弁当や朝と放課後の軽食など、ピークの時間に合わせて品数を増やす。学校行事などに合わせて必要な品ぞろえをすることもできます。売れる商品とタイミングが明確なので、ロスの削減にもつながっていくのではないでしょうか。

“酒・タバコなし”が省力化にメリット

ふたつめは「セルフレジ化(無人化)」です。 街中のコンビニでセルフレジの活用が進み切らない背景に、酒やタバコの購入に「年齢認証」が必要だというのがあります。 現在、マイナンバーカードや運転免許証など身分証を機械で読み込ませたり、店員による目視確認を併用したりと一部店舗で実証実験をしていますが、対面レジと比べて少々面倒くさい。とはいえ、酒とタバコの売り上げはコンビニの約3分の1を占めていますから、「置かない」ことはできません。 その点、学校内コンビニは、酒もタバコも販売しませんから、セルフレジ化(無人化)がスムーズに進められるのです。 土佐塾中学・高校も、平日の日中は店員が常駐していますが、土曜日の一部時間帯と日曜祝日は無人化。入口のカードリーダーに身分証をかざして入店し、会計は電子決済用のセルフレジのみで対応しています。

 

 

お小遣いの「可視化」で親も安心?

では生徒側から見るとどうでしょうか。 これまでの学食や売店と比べて品添えが増え、生徒たちは当然うれしい。夕方以降や土日も利用できるので、部活動で遅くなった帰りや休日の練習時も、軽食からガッツリ弁当まで手に入れられ、とても便利になります。 また、キャッシュレス化が進むことで、「お金の流れが可視化される」のもポイントです。今、お小遣いや昼食代などをキャッシュレスで渡しているご家庭も多いと思います。 キャッシュレスは入出金の利用歴(合計金額と日時)が記録されますから、自動的におおまかな家計簿がついているようなものです。「このぐらいのペースなら1か月の予算はこうなるな」とか「今日は使いすぎたかな」とか、子供の経済感覚を養うことにつながるのではないかと思います。