「地上波で放送は不可能」
約43年 再放送されず“封印状態”が続く神アニメ…
「最高傑作」語り継がれる至高の一作
『百獣王ゴライオン』― 80年代ロボットアニメの名作
『百獣王ゴライオン』は、1981年に東京12チャンネル(現・テレビ東京)で放送された全52話のテレビアニメです。企画は東映テレビ事業部、制作は東京動画が担当しました。原作は『侍戦隊シンケンジャー』などで知られる八手三郎(共同ペンネーム)。構成を高久進さん、チーフディレクターを田口勝彦さん、メカニックデザインを村上克司さん、キャラクターデザインを中村一夫さんが手がけています。
声優陣も豪華で、黄金旭を井上和彦さん、黒鋼勇を水島裕さん、青銅強を玄田哲章さん、銀貴を中尾隆聖さん、錫石宏と妖婆ホネルバを野沢雅子さん、ファーラ姫を鵜飼るみ子さん、ダイ・バザール大帝王を富田耕生さん、そして皇太子シンクラインを神谷明さんが演じました。
オープニングの主題歌『斗え!ゴライオン』は、故・水木一郎さんが歌唱。作詞は故・千家和也さん、作曲は故・小林亜星さんによるもので、冒頭の「ワン!プラスワン!」という掛け声と迫力あるメロディが印象的です。
本作は、『機動戦士ガンダム』をはじめとする“リアル系ロボット”アニメが全盛だった時代に、あえて王道の“合体スーパーロボット”路線を貫いた意欲作。五体のメカライオンが合体して巨大ロボ・ゴライオンとなるギミックは、玩具にもなり、放送当時、子どもたちから絶大な人気を集めました。
「子ども向け」とは思えない過激描写
『百獣王ゴライオン』の見どころは、その過激さとドラマ性の両立にあります。
地球滅亡後の荒廃した世界を舞台に、主人公たちが“人類の生き残り”として宇宙をさまようという設定自体が異色でしたが、それ以上に衝撃的だったのは、ガルラ帝国による非人道的な行為の描写です。
捕らえた人間を煮て兵士の食事とする「奴隷鍋」、生きた人間を打ち上げる「人間花火」、捕虜を敷き詰めた「奴隷絨毯」など、今日の地上波では到底放送できないシーンが数多く含まれていました。
また、流血を伴う戦闘描写や、征服した星の女性たちを集めてハーレムを作る皇子シンクラインの設定など、子ども向けアニメとは思えないほど容赦のない世界観が描かれています。
SNSでは「地上波で放送は不可能」との声も多く、過激な描写が再放送を阻む最大の理由とされています。
『百獣王ゴライオン』の歴史を語るうえで欠かせないのが、海外版『Voltron(ボルトロン)』の存在です。
1984年、アメリカでは本作と『機甲艦隊ダイラガーXV』を再編集し、『Voltron: Defender of the Universe』として放送。日本での人気を上回る形で大ヒットし、グッズや続編シリーズが制作されました。さらにNetflixでは『Voltron: Legendary Defender』が配信され、今も新たなファンを生み出しています。
一方で、日本で再放送が行われない背景には、版権の海外移転があるといわれています。2005年前後、実写映画化をめぐって東映と権利問題が発生し、その後、版権がアメリカの2社に譲渡されました。現在もその両社が権利を保有しているため、国内での再放送や再発売は難しいようです。
実際、地上波での最終放送は1982年2月24日で、それ以降、約43年間にわたり再放送は一度も行われていません。かつて東映が運営していた有料配信サービス「東映特撮アニメアーカイブス」で全話が配信されていましたが、現在は視聴できなくなっています。
つまり、現在(2025年時点)では、正規の方法で『百獣王ゴライオン』を観ることはできず、“幻の名作”となっているのです。
