被爆から80年
広島原爆の日 核なき世界
強い日差しが照りつけ、セミの音が耳を刺激。
戦時下にもあった夏の日常は80年前、一変。
米軍が落とした1発の原爆が多くの市民の明日を奪い、生き残った者の人生もねじ曲げた。
【写真】1945年8月6
きのこ雲

広島は6日、原爆の日を迎えた。焦土と化した街は確かに復興を遂げた。
ただ、核なき世界を願う被爆地の声をかき消すかのように
人類が抱える負の遺産の脅威は増している。
市は午前8時から中区の平和記念公園で原爆死没者慰霊式・平和祈念式(平和記念式典)を営。
核兵器使用をほのめかし、ウクライナ侵攻を3年半も続けるロシア。
2年前からパレスチナ自治区ガザで戦闘を繰り返すイスラエル。
この5月にはインドとパキスタンが核保有国同士で軍事衝突し
6月には米軍がイランの核施設を攻撃。
近隣の中国や北朝鮮の核戦力増強を理由に
被爆国日本でも核には核で対抗する核抑止論がぶり返す。
日米両政府は有事を想定した演習で米軍が核兵器を使うシナリオを議論していた。
核共有や核武装を主張する政治家も現れた。
被爆者たちが「絶対悪」「人類と共存できない」と証言を積み重ね築いてきた
核兵器を二度と使ってはならないという「核のタブー」が壊れかねない―。
昨年の日本被団協のノーベル平和賞受賞は被爆者たちの努力の帰結であり、国際社会への警鐘でもある。
核兵器廃絶への行動を早めねばならない。
今年3月末、被爆者健康手帳の所持者は初めて10万人を下回った。
平均年齢は86歳を超えた。この1年に死亡が確認された広島の被爆者は4940人。
名前を記した広島市の原爆死没者名簿は2冊増え、130冊計34万9246人になる。
平和記念式典には、石破茂首相や、過去最多の120カ国・地域と欧州連合(EU)の政府代表が参列を予定。
原爆投下時刻の午前8時15分に「平和の鐘」が響く中、全員で黙とうしました。
