自殺者数、20代で大幅増加の「なぜ」
全体では減少なのに
背景に「人間関係の希薄化」か
京都府内で2024年に自殺した人の数は352人となり、前年より58人減って2年ぶりに400人を割った。
府は新型コロナウイルス禍を経て経済状況が好転していることを減少要因の一つとするが
年代別では20代の自殺者数が前年を大幅に上回った。
府は「コロナ禍で人間関係が希薄化し
社会に出て悩みを抱えている若者が多いのではないか」と推察している。
厚生労働省などのデータによると、京都府内の自殺者数は00年の696人が最多だったが
近年は減少傾向にあり、16年以降は300人台で推移。
23年は410人と8年ぶりに400人を超えており
コロナ禍で倒産件数が増える中、50代の増加が顕著だった。
24年は全体数は減ったものの、20代は64人と前年比21人増となった。

その他の年代は最多の50代が65人(前年比20人減)、40代が60人(同2人減)、70代が46人(同1人増)と続いた。
職業別では、「学生・生徒等」が31人(同4人増)と唯一、前年より増えた。
自殺の原因・動機では、「家庭問題」が96人から67人に減った半面、「交際問題」が7人増の22人
「学校問題」が6人増の18人となった。「経済問題」は103人と横ばいだった。
男女別では、男性が同49人減の228人、女性は9人減の124人だった。
府の担当者は「自殺の要因は複合的」としつつ、20代の自殺者数が増えた要因について
コロナ禍で人間関係が希薄化したとみて
「社会人になり、悩みを抱えていてもどこに相談すればいいか分からないのではないか」としている。
府は24年度、若者らに相談を促す動画を初めて作成。
悩みを抱える人に対応する「ゲートキーパー(命の番人)」の
養成講座の受講者数は12年度から23年度までで約3万6千人に上る。
担当者は「引き続き、悩みを相談できる環境づくりに取り組んでいきたい」としている。
