なぜ「バンドリ」は10年続いたのか?

原動力となった3つの要因

 
2015年にブシロードによる「BanG Dream!(バンドリ)」プロジェクトがスタートして
2025年2月28日で10周年。バンドリはリアルライブをはじめとして
漫画やアニメ、ゲームなどさまざまなメディアミックスを展開してきました。
本記事では、なぜ「バンドリ」が10年に渡って愛されてきたのか
その軌跡を振り返りながら理由を考えていきます。
なぜ「バンドリ」は10年続いたのか?原動力となった3つの要因 ...
 
 
 
理由その1:ブシロード社長である木谷氏の奮闘 「バンドリ」プロジェクト始動の経緯は
 
「Real Sound」によるブシロード代表取締役社長・木谷高明氏のインタビュー記事(2018年)にて
語られています。 それによると、2014年2月に開催された
「アイドルマスター」シリーズの合同ライブ「THE IDOLM@STER M@STERS OF IDOL WORLD!!2014」にて
 
 
声優の愛美さんが、ギター演奏を披露したことがきっかけになったとのこと。 
 
その演奏はファンに大きな衝撃を与えており、その理由を木谷氏は演者が
「ここまでキャラに合わせてくれたんだ!」とファンが感謝したこと
そして声優なのにギターが弾けることの2つにあると分析。 
そこからガールズバンドでキャラクターコンテンツを作ることとなり
木谷氏は楽器を弾ける声優さんを探すところから始めます。
その後、決まった声優さんからキャラクターデザインを行い
「Poppin’Party」が誕生。「月刊ブシロード」での漫画連載
ライブといったメディアミックスが始まりました。 
その後、2017年にはTVアニメ「BanG Dream!(バンドリ!)」
スマートフォン向けリズムゲーム『バンドリ! ガールズバンドパーティ!(ガルパ)』が
サービス開始します。
 
 
理由その2:コロナという逆境でも、絶えずコンテンツを提供 着実に成長を重ねる
「バンドリ」でしたが、世界的な脅威となったコロナ禍の影響は避けられず
2020年頃からライブの延期を余儀なくされます。
プロジェクトにとって、その根幹であるライブができないという状況は
非常に苦しいものであったことでしょう。 
しかし、そんな逆境の中でもアニメ放送や複数の劇場版作品が公開されるなど
「バンドリ」は絶えずコンテンツを提供し続けました。
 そして2022年11月には
延期されていたライブを2年越しに開催。もともと登場する予定だった5バンドに加えて
延期後に追加された2バンドも出演し
さらにオープニングアクトに「MyGO!!!!!」が登場するなど、より大きなものとなりました。 
コロナ禍ではコンテンツの大きな柱であるライブができないことはもちろん
既存・新規のリアルバンド展開など、メディアミックスとして大幅な計画変更があったことは容易に想像できます。
 
◆理由その3:マンネリを打破する新展開の追加
 
「バンドリ」は7年目となる
2022年頃から大きな変化が訪れます。
 
まず、それまでキャスト未公表のまま活動してきた5番目のリアルバンド「MyGO!!!!!」が本格的に稼働。
 
あわせてテレビアニメ「BanG Dream! It’s MyGO!!!!!」が発表されました。
 この内容がこれまでの“キラキラドキドキ”とは
一線を画す、“ギスギスドロドロ”なストーリーという驚きの展開を迎えます。
「迷子でもいい、迷子でも進め。」という
キャッチフレーズに相応しく、重く苦しい展開はファンに大きな衝撃を与えました。
 
 さらに2025年1月からはアニメ「Ave Mujica」が放送開始。
 
前述の「MyGo!!!!!」に続くストーリーで
 
さらに“ギスギスドロドロ”な展開に。放送される日にはXで
 
ほぼ毎話「#アニメムジカ」がトレンド上位になるほど盛り上がりました。
 
 それまでの「バンドリ」は“キラキラドキドキ”をコンセプトにした
「Poppin’Party」を中心に、明るい雰囲気でコンテンツを展開してきました。
筆者はそんな安心して楽しめる世界観が好きでしたが
どこかマンネリ化した気持ちも隠せませんでした。
 そんな中、大きな変化球となってプロジェクトに新たな風を吹かせたアニメ「MyGo!!!!!」と
「Ave Mujica」。これまでと雰囲気が大きく異なる
“ギスギスドロドロ”な展開に不安になりながらも、キャラクターの葛藤や成長から前向きさを感じ
新鮮な気持ちで楽しむことができました。プロジェクトが10年続くためには
こんな変化も必要だったのではと思います。