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おたいらに

『ツキノウタ』終わりました。

約1年ぶりの本公演でした。こんなにあいたのは久しぶりです。
つくづく自分の『根』がここにあるのだということを再確認させられました。
やっぱ、小屋の空気・時間はいいわ。

昨年はなにかしら個人的に大事件の多い年でしたが、トピックをひとつ挙げよと言われると、『父の死』であったり『震災』であったり『原発』であったりすべきなのだと思いますが、実は『仕事が楽しい』年であったことが一番のトピックでした。

最近よく仕事と芝居の『両立』は大変ですねというようなことを言われるのですが、実はこれにとても違和感がありまして、仕事も芝居もボクの人生に欠かせない『楽しいこと』で、本人的には『両立』という言葉には違和感があります。

そもそも楽しくないことはやらない、わがままな性分です。この『やらない』は割と徹底されてます。自分でも呆れちゃうくらい。

いわゆる「本公演」規模でやる公演で、満月動物園のスタッフさんの数は、関西の小劇場でも群を抜いて少ないと思います。
プロデューサー・映像監督の相内さん、舞台監督の今井さん、制作の桝田さん、それにボク。
それぞれの分野でプロフェッショナルで、また満月動物園のことも知り抜いている素晴らしいスタッフさんたちが満月動物園作品を作り上げていきます。

満月動物園を始めたのはボクで、続けてきたのもボクで、満月動物園とはボクである、と断言もしますが、また一面、もはや満月動物園はボクだけのものでもなくなりました。

たくさんの表現者(もちろんスタッフさんも表現者です)が、満月動物園というフィールドに集ってくださいます。
ボクは果報者です。

今井さんとも相内さんとも桝田さんとも10年以上の付き合いになりました。
今回の公演は、一緒に成長できていることが確認できた公演でもありました。

約9年ぶりに一緒にやれた小澤さん(himeさん)との仕事は、自分のベクトル(方向と量)を認識する機会になりました。
やはり演劇表現の根本は演技にあり、演技について考え続けないといけません。

『演じるとはなにか』

このことを考え続けていくことを、続けたいと思います。
もって回った言い方ですが。

正直すぎるかもしれませんが、ボクはあんまり脚本の内容に興味がありません。
もちろん書いてるときは面白いもの、いいものを書こうとしてますが、書き終わったらすぐに『どんなつもりで書いたか』を忘れてしまいます。
結局、舞台は俳優のモノで脚本家が伝えたかったことにあまり意味はないと思います。
『人を描く』表現者であり専門家である俳優との対話が演出の仕事のほとんどすべてだと考えて作品を作っています。
脚本家、脚本の思惑を超えていい舞台に仕上げたいと思っています。

そんな自分の出発点というか、原風景というか、そんなモノの手触りをほんの少し感じた公演でした。
若い頃にはぼんやりとした自分でも制御できない思いだったものの正体に指先が触れた、というような感覚が残ります。

まだまだ頑張らないといけません。

あー、楽しかった!

きっと明日からの仕事もまた楽しいぞ!

最後になりますが、ご来場くださった皆さま、本当にありがとうございました。
次も頑張ります。ありがとうございました。