アデルの恋の物語 [DVD]/イザベル・アジャーニ,ブルース・ロビンソン
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ヴィクトール・ユゴーの次女アデルが、かつて恋仲にあったイギリスの兵隊さんをひたすらに追いかけるけれども、その思いは届かず…だけども彼女の思いは冷めるどころかどんどん加熱…という話。

一言でいってしまうとストーカーです。完璧にストーカーです。


2人の出会いや熱々だった頃から話が始まるのなら感情移入もできたのかもしれませんが、アデルがイギリスに一人で渡ってきて、いろんな人に嘘をつきつつ強引に中尉さんに接近するところから始まるので、最初から「なんだこの女は」という感じで見てしまいました。それも「私は別になんとも思ってないんだけど、向こうの方が私にぞっこんなのよ」的なことを聞いてもないのに言い出したり。まぁそれでもきっぱりフラれて泣いて帰国するならまだかわいいものですが、諦めるどころか勝手に「結婚しました」と父親に報告し、父親が有名人な為にその結婚したという話が新聞の記事にまでなってしまって、そりゃあ男の側はびっくりです。そしてまた「プレゼント」として娼婦を男のもとへ送ったりも。不気味です。恐ろしいです。


なんかここまでされたら男の方もノイローゼになっちゃいそうですが、彼は割と精神的に強い(?)ようで、普通にうぜーなぁ、勘弁してよという感じ。困ってはいるもののそこまで思いつめている様子でもなく、どこでも常に新しい女を口説いてよろしくやっています。彼のこのタフさは結構すごい。女に懲りることもなく、常に前向きです。余程女が好きなんでしょうか。そんじょそこらの男とは女に対する意気込みが違うようです。


こんな男相手だったらどんだけ女の側からアタックしてもまぁ無駄でしょう。絶対諦めるしかないタイプなんですが、アデルさんは諦められないんですねぇ。

でもそれにしてもアデルさんは強烈過ぎる。一度は結婚しようと約束していたらしいので男の方が酷いことをしている訳なんですが…どうも男の方に気の毒だなと感じてしまいます。


そんなアデルさんから逃げるために中尉はイギリスから出るんですが、そこにもまたアデルはしつこく付きまといます。が、美しく気品あったアデルの姿はみすぼらしい醜い姿となりはてて、最終的にはひたすらに愛し続けた男の姿すら認識できずふらふらーと街をさ迷い続けるようになります。その後、やっとフランスに帰りますが、40年間精神病院に入っていたそうです。

なんとも寂しい結末ですが、ここから何を学べばいいのでしょう。思い込みもほどほどに?ダメな時は結局ダメなんだからさっさと見切りをつけろ?

とりあえず男の人が観たら女遊びもほどほどに気をつけなきゃなと思うでしょうけどね。