会社更生手続き中の林原(岡山市北区下石井)などグループ4社の管財人は18日、東京地裁に更生計画案を提出した。債権者への弁済率は92%以上と、会社更生法下では異例の高水準となる見通し。金融機関の同意を得て、年内の認可決定を目指す。(7面に関連記事)
林原側によると、4社の負債総額は約1400億円。事業スポンサーとなる化学品専門商社・長瀬産業(大阪市)から700億円の出融資を受けるほか、JR岡山駅南の土地約4万6千平方メートルを流通大手・イオンモール(千葉市)に約200億円で売却。保有していた中国銀行株の売却や、他の不動産処分などで計約1300億円の弁済原資を確保した。
債務の大半は来年3月までに弁済する予定。債権額20億円以下の金融機関には全額弁済し、それ以外は貸出額や担保の有無に応じた比率で弁済するとみられる。
今後は林原、林原商事、林原生物化学研究所の3社を合併し、100%減増資。長瀬産業の100%子会社として再出発する。残る太陽殖産には、中核事業に関係しない資産を承継させて処分を進め、回収金を弁済に充てる。
林原グループが長年手掛けてきたメセナ(社会貢献活動)のうち、林原美術館と林原自然科学博物館、類人猿研究センターについては、合併後の林原が支援を継続する予定。
同グループは昨年11月、金融機関の指摘で不適切な会計処理が発覚。1月に私的整理を申請したが、金融機関の足並みがそろわず断念。2月に東京地裁に更生法適用を申請していた。
山陽新聞(2011年11月19日掲載)