Cantine Okamoto@赤坂
フランス・ブルゴーニュ地方には多くの有名なワイン醸造所があり、世界の美食に多大な影響を与え続けています。
なかでもロマネ・コンティ社は一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
その地方には今のブルゴーニュワインの礎をつくったとされる“神様”と讃えられた人がいたんです。
「アンリ・ジャイエ」という人はワインの世界では有名な人で、
今ではスタンダードな生産方法とされているものを考え出し、それぞれの土地の個性を引き出して付加価値を与える功績を遺し、今からちょうど4年前に亡くなりました。
おそらく人生で一度も口にすることがないほどの高嶺の花を、今回取り上げるワインバー「カンティーヌ・オカモト」さんで見つけた時のお話です。
オカモトさんのお店は7人が入ると満席になってしまうような狭くて分かりづらい場所にあり、昼にはハンバーグランチを出しています。
「チーズハンバーグ」
すぐ近くの厨房で焼いてくれるハンバーグにはこだわりがあるんです。
それは合挽きミンチに小さな牛の角切り肉を混ぜているということなのですが、こうすることによって噛みごたえのあるハンバーグに仕上がるということ。
ふっくらした挽肉の柔らかさに角切り肉のアクセント、それを噛んで出てくる旨味がたまらない。
店主のオカモトさんが自分の店を出す前に働いていた場所では夜しか営業をしていなかったそうで、いつか店を構えたらランチを提供することが夢だったんだそうです。
しかし昼夜とも一人で切り盛りするのは大変なのではと訊くと、「好きなことだから」と。
そういう意気込みがあるのでしょう、夜メニューにも抜かりがありません。
しっかりしているのに割安な値段なのが本当にすばらしい。ワインも一杯500円くらいで出せるように心がけているそうな。
そんな話などしながら飲んでいると、驚くことにディスプレイされているワインの空瓶の中に神様のワインがまぎれていたんです。
一杯500円で提供している店に、一杯5万円は下らないであろうワインも置いてあるのだろうか…
これはオカモトさんが昔コレクションしていたワインだったらしいのですが、訳あって一度手放したもの。
実は現在の店の開業資金を集めるために、オカモトさんはワインを友人に売っては生活に充てていた時代があったそうなんです。
大阪の親友にこのワインを売ったのもお金をねん出するためで、いくつもの苦労の甲斐あってついにお店のオープンにまでこぎつけました。
オープンの報告会にお世話になった人を呼んだとき、その親友がわざわざ大阪から駆け付けてくれ、そして手には神様のワインがあったそうな。
一緒にお祝いしようと。
手放したはずのワインに再会し、親友と2人で朝まで飲むことで神様のワインは店の守り神になったというお話。
年末にオープンから1年を迎えますが、なかなかの繁盛ぶりで店に入れないこともしばしば。
本当に一生懸命な姿勢にいつも感動を覚えるお店です![]()


