最期の時 ~白の終焉~

 

窓の外にはただただ真っ白な空間が広がっていた。

深々と降り積もる雪は誰にも牙を剥く事もなくただただ降り積もる。

 

白銀の世界は表の世界から色彩を奪い無垢な空間を創り出している。

まるでそれはこれまで起こった全ての事を白紙に戻すかの様に・・・。

 

太陽系が誕生し悠久の時間の中で母なる地球は生命を育んだ。

やがて文明は母なる地球の姿を変えはじめる。

 

その行き着いた先がこの真っ白に広がる空間だった。

もはや文明の創り出したあらゆる活動はその息を止めはじめていた。

 

人類はこれまであらゆる災害と対峙しその度に這い上がってきた。

戦争、地震、津波、巨大台風、寒波、熱波…

荒ぶるそれらに抗い戦い続ける。

 

人類はその叡智をもってして環境を変え平和を望みつつ争いながらも命を繋ぎ続けた。

 

しかし降り積もる雪はそれら全てをその下に敷きただただ降り積もる…

決して荒ぶる事もなくただただ…

 

「ママ…」

窓の外を見続ける幼子が母親を見上げる。

「大丈夫よ…何も心配はいらないわ」

幼子を抱き寄せる母の手から温もりが伝わる。

 

未完