神の息・人の息 26 再掲載
虚空の世界に未だ写し絵しか見ぬあなたよ
無数の言の葉が飛び交いいし中
奇跡的に出会えしあなたよ
たとえうつつにすれ違えども
わかりえぬ悲哀を背負ってなお
今生に虚空に出会えし喜びを
今はただただ砂のように噛み締めん
神の息・人の息 26
すっかり陽が落ち、辺りが薄暗くなりはじめる。
「椿姫、もう暗くなるから歩きながら話そう。」
「‥‥も一回言って‥‥。」
「は?」
「だから今のもう一回言って‥‥。」
「椿姫、暗くなって来たから歩きながら話そう‥‥。」訳がわからずそろそろと言う。
「ハイ!」
「ハイ?ハ?いや、じゃまぁ行こうか。」
彼女の頬はうっすらと紅潮していた。薄暗闇が彼女をこっそり隠して味方した。
「ねぇ結局何を言おうとしてたの?」
寄り添ういながら歩く二人。
「あぁもういいよまたにしよう。」
男はつれなく流す。
「勿体振らないで教えてよ!」
「だって泣いたり怒ったりするんじゃないか、こんな人通りであれやられたら‥‥。」
「もうあんなことしないよ!」
「約束する?‥。」
「約束するってば!っていうかそういう事言わなければいいと思うんですけど。」
「あ、そういう屁理屈言うんならいいよ別に‥‥。」
「わかった約束するってば!」
「よし、じゃあ言うよ、それはね‥‥やっぱり『椿姫』なんだよ。椿姫といると愉快で退屈しないよ。」
「‥‥‥‥。」
「あれ?どうしたの?」
今度は耳まで真っ赤に染めた彼女が不意に傍らの男の背中を強く押す。
「また子供扱いして~。」
「なんだよ怒らないって約束しただろ。それに子供扱いなんてしていないよ、君といると本当に楽しいんだよ。ただこの話しはすご~くながくなるからまたゆっくり聞いてよ、いい?」
「うん‥‥わかった‥‥でも約束だよ!」
さっきよりも寄り添って歩く影。
「後で宿題教えにもらいに行く‥‥。」
「なんだよやっぱり宿題あるんじゃないか!」
「だって‥‥。だからお家に行くから教えてよ。」
「だめだよいくら近いったって危ないからだめだよ。」
「心配し過ぎだよすぐ隣でしょ!」
「だめだよ可愛い可愛い椿姫に何かあったら大変だからね。」
「‥‥‥‥。」
なにも言えなくなる少女。
「だから僕が椿姫のところへお邪魔するからパパとママに伝えておいてね。」
暗がりにもわかるくらいに少女の笑顔が弾ける。 「うん!約束だよ!」
街灯が温かく二人を照らし出している。
約束、約束、約束‥‥。
約束に縛られるしあわせが二人を包みこんでいた。

虚空の世界に未だ写し絵しか見ぬあなたよ
無数の言の葉が飛び交いいし中
奇跡的に出会えしあなたよ
たとえうつつにすれ違えども
わかりえぬ悲哀を背負ってなお
今生に虚空に出会えし喜びを
今はただただ砂のように噛み締めん
神の息・人の息 26
すっかり陽が落ち、辺りが薄暗くなりはじめる。
「椿姫、もう暗くなるから歩きながら話そう。」
「‥‥も一回言って‥‥。」
「は?」
「だから今のもう一回言って‥‥。」
「椿姫、暗くなって来たから歩きながら話そう‥‥。」訳がわからずそろそろと言う。
「ハイ!」
「ハイ?ハ?いや、じゃまぁ行こうか。」
彼女の頬はうっすらと紅潮していた。薄暗闇が彼女をこっそり隠して味方した。
「ねぇ結局何を言おうとしてたの?」
寄り添ういながら歩く二人。
「あぁもういいよまたにしよう。」
男はつれなく流す。
「勿体振らないで教えてよ!」
「だって泣いたり怒ったりするんじゃないか、こんな人通りであれやられたら‥‥。」
「もうあんなことしないよ!」
「約束する?‥。」
「約束するってば!っていうかそういう事言わなければいいと思うんですけど。」
「あ、そういう屁理屈言うんならいいよ別に‥‥。」
「わかった約束するってば!」
「よし、じゃあ言うよ、それはね‥‥やっぱり『椿姫』なんだよ。椿姫といると愉快で退屈しないよ。」
「‥‥‥‥。」
「あれ?どうしたの?」
今度は耳まで真っ赤に染めた彼女が不意に傍らの男の背中を強く押す。
「また子供扱いして~。」
「なんだよ怒らないって約束しただろ。それに子供扱いなんてしていないよ、君といると本当に楽しいんだよ。ただこの話しはすご~くながくなるからまたゆっくり聞いてよ、いい?」
「うん‥‥わかった‥‥でも約束だよ!」
さっきよりも寄り添って歩く影。
「後で宿題教えにもらいに行く‥‥。」
「なんだよやっぱり宿題あるんじゃないか!」
「だって‥‥。だからお家に行くから教えてよ。」
「だめだよいくら近いったって危ないからだめだよ。」
「心配し過ぎだよすぐ隣でしょ!」
「だめだよ可愛い可愛い椿姫に何かあったら大変だからね。」
「‥‥‥‥。」
なにも言えなくなる少女。
「だから僕が椿姫のところへお邪魔するからパパとママに伝えておいてね。」
暗がりにもわかるくらいに少女の笑顔が弾ける。 「うん!約束だよ!」
街灯が温かく二人を照らし出している。
約束、約束、約束‥‥。
約束に縛られるしあわせが二人を包みこんでいた。