ライフ・マネーのR25コラム
宝くじで「損をしない」確率は?
数字で読み解く! 人生の「確率」/第1回
[拡大する]
確率が絡む日常の出来事で、もっとも夢のある部類に入るのが、宝くじの当せん確率だろう。「毎年○○人の億万長者が出ました!」なんて、テレビでは盛んにコマーシャルをしているが、自分自身はもちろん、身近に高額の当せん金を手にした人がいるという人だって、相当に少ないはずである。そもそも、宝くじを買って儲かる確率って、どれくらいのものなのだろうか?
宝くじのようなギャンブルで、どれくらいの儲けが見込めるかを調べるには「期待値」という数値を用いるのが一般的だ。計算は中学生の数学レベル。各賞の当せん金×当せん確率の合計を出せばよい。1枚200円で1億5000万枚発売された「東日本震災復興宝くじ」を例にすると、
「東日本震災復興宝くじ」 等級当せん金本数 1等3000万0000円30本 1等の前後賞1000万0000円60本 1等の組違い賞10万0000円2970本 2等1000万0000円150本 3等100万0000円1500本 4等5万0000円3万0000本 5等1万0000円15万0000本 6等1000円450万0000本
(30000000×(30/150000000))+(10000000×(60/150000000)+…
というように6等まで計算して出た合計が81.98円。つまり、200円で約82円の儲けが「期待できる」ことになる。比率でいうと、売価に対し40%程度。このパーセンテージは宝くじを何枚買った場合でも変わらない。投資として考えると、明らかに割に合わないものといってよいだろう。ちなみに、宝くじの期待値は、どのくじでもこれくらいの数値(40~45%)になっている。
とはいえ、これだけではあまりにも夢のない話。そこで、実際に宝くじを買う場合の参考として、同じ宝くじを1万円分(50枚)買った時に、少なくとも損はしないよう、1万円以上の当たりくじが得られる確率を計算してみよう。
文系の読者なら、当せん金1万円(5等)以上の当たりくじは18万4710枚。これを発売枚数全体の1億5000万枚で割れば、1万円以上が当たる確率が出せるように思うだろう。
しかし、この計算で導き出されるのは、50枚のうち1枚だけが1万円(5等)以上に当たる確率。2枚以上が5等以上に当たってもまったく問題はないわけだから、まず50枚すべてが5等未満(はずれを含む)になる確率を出し、それを確率全体(1)から引く、という計算をするのが正しい手順となる。
1枚が5等未満(はずれを含む)になる確率は、
(150000000-184710)÷150000000=0.9987686
買った50枚すべてが5等未満(はずれを含む)になる確率は、上記の確率の50乗となるので、
(0.9987686)^50=0.940251449
これを確率全体の1から引いた
1-0.940251449=0.059748551
つまり、約6%が「損をしない」確率ということになる。6%の可能性を「夢」とみるかどうかは、もちろんあなたの自由ですけどね。
(石井敏郎)
監修
柳谷晃 数学者。早稲田大学高等学院数学科教諭・早稲田大学理工学術院兼任講師、早稲田大学複雑系高等学術研究所研究員。数学はもちろん、古典芸能や歴史など様々な分野に精通するモノシリ先生。近著に『その「数式」が信長を殺した』(ベストセラーズ)など
iPhoneから送信
宝くじで「損をしない」確率は?
数字で読み解く! 人生の「確率」/第1回
[拡大する]
確率が絡む日常の出来事で、もっとも夢のある部類に入るのが、宝くじの当せん確率だろう。「毎年○○人の億万長者が出ました!」なんて、テレビでは盛んにコマーシャルをしているが、自分自身はもちろん、身近に高額の当せん金を手にした人がいるという人だって、相当に少ないはずである。そもそも、宝くじを買って儲かる確率って、どれくらいのものなのだろうか?
宝くじのようなギャンブルで、どれくらいの儲けが見込めるかを調べるには「期待値」という数値を用いるのが一般的だ。計算は中学生の数学レベル。各賞の当せん金×当せん確率の合計を出せばよい。1枚200円で1億5000万枚発売された「東日本震災復興宝くじ」を例にすると、
「東日本震災復興宝くじ」 等級当せん金本数 1等3000万0000円30本 1等の前後賞1000万0000円60本 1等の組違い賞10万0000円2970本 2等1000万0000円150本 3等100万0000円1500本 4等5万0000円3万0000本 5等1万0000円15万0000本 6等1000円450万0000本
(30000000×(30/150000000))+(10000000×(60/150000000)+…
というように6等まで計算して出た合計が81.98円。つまり、200円で約82円の儲けが「期待できる」ことになる。比率でいうと、売価に対し40%程度。このパーセンテージは宝くじを何枚買った場合でも変わらない。投資として考えると、明らかに割に合わないものといってよいだろう。ちなみに、宝くじの期待値は、どのくじでもこれくらいの数値(40~45%)になっている。
とはいえ、これだけではあまりにも夢のない話。そこで、実際に宝くじを買う場合の参考として、同じ宝くじを1万円分(50枚)買った時に、少なくとも損はしないよう、1万円以上の当たりくじが得られる確率を計算してみよう。
文系の読者なら、当せん金1万円(5等)以上の当たりくじは18万4710枚。これを発売枚数全体の1億5000万枚で割れば、1万円以上が当たる確率が出せるように思うだろう。
しかし、この計算で導き出されるのは、50枚のうち1枚だけが1万円(5等)以上に当たる確率。2枚以上が5等以上に当たってもまったく問題はないわけだから、まず50枚すべてが5等未満(はずれを含む)になる確率を出し、それを確率全体(1)から引く、という計算をするのが正しい手順となる。
1枚が5等未満(はずれを含む)になる確率は、
(150000000-184710)÷150000000=0.9987686
買った50枚すべてが5等未満(はずれを含む)になる確率は、上記の確率の50乗となるので、
(0.9987686)^50=0.940251449
これを確率全体の1から引いた
1-0.940251449=0.059748551
つまり、約6%が「損をしない」確率ということになる。6%の可能性を「夢」とみるかどうかは、もちろんあなたの自由ですけどね。
(石井敏郎)
監修
柳谷晃 数学者。早稲田大学高等学院数学科教諭・早稲田大学理工学術院兼任講師、早稲田大学複雑系高等学術研究所研究員。数学はもちろん、古典芸能や歴史など様々な分野に精通するモノシリ先生。近著に『その「数式」が信長を殺した』(ベストセラーズ)など
iPhoneから送信