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小説 その時13


「こっちね?」

「あぁ…こっちだ。」

女は、こちらを選んだ訳など興味がないと言った風に俺に確認するとさっさと歩き出す。

さっきまであんなに照りつけていた太陽が不意に現れた雲で隠れている。

異変による影響なのかと考えると不安が過ったがそれも『線路を歩くには丁度良い…』と言う即物的な思いに掻き消された。

しかし熱せられた地面からの熱はどうにもならなず汗が滴り落ちる。

女と俺は暫し無言で歩いた。

もうすぐ世界が破滅する。
何もかもが破壊され誰もいなくなる。

情報も遮断され何がどうなっているのかもわからない事態に際して俺は一体何をしている?

そんな思いが浮かんでは消えしていたが、ひたすらに線路を歩いているうちにそんな思いは、いつしか弱まってくる。

そしてただひたすらに線路を見つめ足元を見据えて歩き続けた。