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神の息・人の息 41

「輪廻‥‥か。」
「そうだセラ、輪廻だ。この説は前二つの説で説明しきれない部分を破綻なく説明し切る。しかし唯一にして最大の欠点は輪廻の実在を科学的に証明し得ない事だ。」
セラとテラが共に押し黙る。まるで何かを探すような時間が流れる。
初めに口を開いたのはセラだった。
「テラ!あれは完成してる?」
「セラ私も同じ事を考えていたようだ。大丈夫あなたに言われていた物の99%はちゃんと開発してあるよ。あとの1%は‥私一人では無理だったよ。」
「素晴らしいよテラ!もっと早く開発出来ていれば僕等の知的作業がどれだけ効率的に運んだか!」
「セラ、それは無理だよ。あなたが眠りについてから随分たって、と言うよりあなたが目覚める直前にやっと完成したと言った方が正しい。」
「随分苦労をかけたようだねテラ!ありがとう。ところでテラ!二人でゆっくり話が出来て僕も大分落ち着いて来た。僕はもう自分をコントロール出来ているよね。」
「ああ、もう大丈夫だ。」
「じゃあ出来上がった代物の出来を試してみようか。」
セラの目が悪戯を企む子供の様に輝く。
「了解だセラ、今用意させよう。」
テラがそう言うと間もなく研究員が2名部屋にやってくる。
「ドクターテラ、お呼びでしょうか。」
「開発No.114をここへ。そしてただちに使用出来る様にセットしてほしい。」
テラが足早に言う。
「ドクターテラ、恐らくその様なご指示がでるものと既に準備しておりました。」
部屋の外で待っていた美しい女性研究員が指定された品を持って部屋に入って来る。
そしておもむろにセラの頭に帽子の様な装置を被せるとポケットから出した無線回線の受信機をモニターの下にあるジャックにセットする。
「ドクターテラ、ドクターセラ、セット完了しました。」
女性研究員は魅力的な笑顔を見せながらそう言うと他の研究員と共に退室した。
「美しく魅力的な助手だねテラ!彼女はオリジナルかい?」
「フフッ‥セラ、お気に召したかい?お察しのとおり彼女はオリジナルだ。ただしあなたの大好きなリビドーを活性化させるのはもうちょっと我慢してくれよ。」
「わかってるよテラ!からかうなって。」
セラがバツ悪そうな顔をして言う。
「単純に記憶を分離し電気的神経信号をAIのなかで有機的に活動させることは当時研究が進められていた有機的記憶回路理論の延長線上で比較的容易に出来た。しかしこの装置に関しては安定的に機能させるのに非常に長い年月を費やす事になったよセラ。」
「アモルファスな状況ってのは安定させることは困難だが一旦安定化させれば‥‥」
「こっちのもんだよセラ!」
テラがセラのお株を奪うかの如く楽し気に言う。「ハハハッそのとおりだテラ!じゃあ始めてくれ!」



続く