少子高齢化時代の地域福祉を支える「貢献ポイント制度」

― 地域福祉活動・社会貢献・将来の社会保障・災害時の助け合いをつなぐ新しい仕組み

 

「貢献ポイント制度」は、FMO-AOKIが提案する新しい参加型社会保障モデルです。

 

この制度は、被災地や生活困窮家庭の子どもなど、支援を必要とする人や地域への支援を充実させるとともに、今後さらに深刻化が見込まれる地域福祉の担い手不足に対応することを、追加の財政負担をできる限り生じさせない形で実現することを目指すものです。

 

制度の基本的な流れは、次のとおりです。

 

地域での有償福祉活動
↓
報酬
↓
被災地支援などへの寄付
↓
貢献ポイントとして記録
↓
将来の介護などの自己負担への活用

 

考え方はシンプルです。

今、身近な地域で誰かを助ける。

その活動によって生まれた価値の一部を、被災地や子どもなど、自分が支援したい人や地域に届ける。

その社会貢献を記録として残す。

そして将来、自分自身が支援を必要とするようになったとき、過去の貢献の一部を自分の支えとして活用する。

この仕組みによって、一つの活動から、

・身近な人を助ける
・遠くの誰かを助ける
・将来の自分を支える

という3つの支援をつなぐことを目指します。

 

 

 

 

なぜ、この仕組みが必要なのか

日本では、少子高齢化と人口減少が進んでいます。

高齢者が増える一方で、介護、生活支援、子育て支援、見守りなどを担う現役世代は減少していきます。

今後は、

・誰が増え続ける高齢者を支えるのか
・介護・福祉人材の不足にどう対応するのか
・若年層や現役世代に、どう地域福祉へ参加してもらうのか
・社会保障を財政的にどう持続させるのか
・地域で孤立する人をどう減らすのか

という課題が、ますます重要になります。

貢献ポイント制度は、こうした複数の問題を、それぞれ別々に解決するのではなく、一つの社会的な循環の中で同時に改善することを目指す提案です。

 

貢献ポイント制度の6つのステップ

1.地域福祉活動に適切な報酬を設定する

自治体、社会福祉協議会、福祉施設などが、地域で必要とされている活動を整理し、それぞれに適切な報酬・謝礼を設定します。

対象となる活動としては、例えば、

・高齢者の買い物支援
・清掃や家事支援
・見守り
・日常生活支援
・子育て支援
・介護施設における専門資格を必要としない周辺業務
・地域活動

などが考えられます。

主に、専門的な介護資格を必要としないものの、地域生活や介護・福祉サービスを支えるうえで重要な活動を想定しています。

 

2.住民が自分に合った活動に参加する

住民は、スマートフォンなどを利用して、地域で募集されている福祉活動を探します。

自分の時間、能力、関心、生活圏に合った活動を選べるようにします。

毎週決まった時間に参加する必要はなく、

「今日は2時間だけ参加できる」

「休日なら活動できる」

「自宅の近くだけなら参加できる」

といった人も参加しやすい仕組みを想定します。

これによって、長期間の継続的なボランティア活動への参加が難しかった現役世代などにも、地域福祉への入り口を広げます。

 

3.活動報酬を受け取り、希望する場合は寄付する

活動した住民には、一定の報酬または謝礼が支払われます。

その報酬は、本人がそのまま受け取っても構いません。

一方、希望する人は、その一部または全部を、自分が支援したい対象へ寄付します。

例えば、

・被災地
・子ども食堂
・生活困窮家庭の子どもを支援する団体
・地域福祉団体
・自分の故郷の自治体
・その他の社会的な活動

などが考えられます。

重要なのは、寄付を義務にしないことです。

どこを支援するか、いくら支援するかは、原則として本人が選択します。

 

4.寄付実績を「貢献ポイント」として記録する

寄付した金額などを社会貢献実績として記録します。

国や自治体などの公的な仕組みの中で、その実績を「貢献ポイント」として管理することを想定します。

これによって、現在行った社会貢献を、その時限りで終わらせるのではなく、将来につながる記録として残します。

 

5.将来、自分が支援を必要とした際に活用する

将来、自分自身が介護やその他の社会的支援を必要とするようになった場合、蓄積された貢献ポイントを、一定の自己負担の軽減などに活用できる仕組みを検討します。

例えば、

・介護保険サービスの自己負担
・介護施設等で必要となる一定の費用
・その他、制度上適切と判断される社会保障関連費用

などへの利用が考えられます。

具体的な対象範囲については、制度化の段階で慎重な検討が必要です。

基本的な考え方は、

「現役時代に行った社会への貢献」

と

「将来自分自身が必要とする支援」

をつなぐことです。

 

6.災害時に地域の支援ネットワークとして活用する

平時から地域福祉活動を通じて築いた住民同士のつながりと、活動情報・支援情報を共有する仕組みを、災害発生時には地域の助け合いのために活用します。

例えば、安否確認、避難支援、物資の運搬・配布、炊き出し、片付けなど、「支援を必要とする人」と「支援できる人」をつなぐ情報基盤として活用します。

「平時の地域福祉」から「災害時の地域支援」へ。

日頃から使っている仕組みだからこそ、災害時にも地域の人・情報・支援を迅速につなげることができます。

 

地域福祉の人手不足への対応

今後の高齢社会において、最大の課題の一つは、介護や地域福祉を支える人材の不足です。

介護職や福祉専門職は、今後も不可欠です。

身体介護、認知症ケア、医療との連携など、専門的な知識や技能を必要とする業務は、専門職が担うべきです。

貢献ポイント制度は、介護職や福祉専門職を地域住民に置き換えることを目的とするものではありません。

むしろ、

 

専門職
↓
身体介護、認知症ケア、医療連携など、専門性の高い業務へ集中

 

地域住民
↓
買い物、清掃、配膳、見守り、話し相手など、専門資格を必要としない周辺業務を担当

 

という役割分担を進めることを目指します。

これによって、限られた専門職の人材を、本来その専門性が最も必要とされる仕事へ振り向けながら、地域全体の支援力を高めることができる可能性があります。

 

若年層・現役世代が参加する新しい理由をつくる

現在でも、地域住民に介護の周辺業務などへ有償で参加してもらう取り組み(スケッターなど)は始まっています。

これは重要な取り組みです。専門職が担う必要のない周辺業務を地域住民が担うことで、介護職がより専門性の高い業務に集中しやすくなるとともに、雇用・派遣・業務委託などとは異なるコスト構造でサービスを支えることができるため、介護・福祉サービス全体の提供費用を抑える効果も期待できます。

しかし、こうした活動に参加する人は、もともと介護や地域福祉への関心が高い人が中心となる場合があります。

そのため、必要とされる活動量に対して、参加者が十分に集まらない地域や施設も考えられます。

 

一方、若年層や現役世代の中にも、

「人の役に立ちたい」

「被災地を支援したい」

「子どもを支援したい」

「自分の将来にも備えたい」

と考える人はいます。

貢献ポイント制度は、介護そのものには特別な関心を持っていない人にも、別の参加理由をつくります。

身近な地域で誰かを助ける。

その活動から得た報酬を、自分が応援したい人や地域へ届ける。

さらに、その社会貢献が将来の自分の支えにもなる。

つまり、

「今、誰かを助けることが、別の誰かを助けることにも、自分の将来を支えることにもなる」

という新しい参加動機です。

これまで地域福祉活動に参加してこなかった層まで参加者を広げることができれば、地域福祉の担い手不足を緩和できる可能性、さらには介護・福祉サービス全体の提供費用を抑える効果が期待できます。

 

遠くの被災地にも、身近な活動から支援できる

貢献ポイント制度の特徴の一つは、遠く離れた地域への支援を、身近な地域での活動から行えることです。

例えば、東京に住んでいる人が、熊本の被災地を支援したいと考えたとします。

支援したいという気持ちはあっても、

・仕事がある
・家族がいる
・距離が遠い
・現地へ行く費用や時間がない

などの理由から、実際に熊本までボランティアに行けない人は少なくありません。

そこで、自分が暮らしている東京で、高齢者の買い物支援や介護施設の周辺業務などに参加します。

そして、その活動によって受け取った報酬の一部または全部を熊本の復興支援へ寄付します。

 

東京での地域福祉活動
↓
東京の高齢者や福祉現場を支援

 

同時に、

活動報酬を寄付
↓
熊本の復興を支援

 

さらに、

寄付実績を貢献ポイントとして記録
↓
将来の自分自身の支援にもつながる

 

という循環が生まれます。

つまり、

・身近な人を助ける
・遠くの誰かを助ける
・将来の自分を支える

という、通常は別々に考えられている3つの支援を一つにつなぐ仕組みです。

 

地域コミュニティの再生と孤立の防止

この制度が生み出す可能性のある効果は、人手不足や財政面だけではありません。

高齢化、都市化、単身世帯の増加、生活様式の変化などによって、地域の人間関係は弱くなっています。

地域福祉活動への参加者が増えれば、世代や職業を超えた新しい接点が生まれます。

高齢者を支えるだけではありません。

高齢者の経験から若い人が学ぶこともあります。

地域活動をきっかけに、新たな人間関係が生まれることもあります。

人と人とのつながりそのものも、この制度が生み出す重要な社会的価値です。

 

災害時の助け合いにも活用
地域で生まれた人と人とのつながりは、日常の福祉活動だけでなく、災害が発生した際にも大きな力になる可能性があります。
大規模な地震や豪雨などが発生した場合、行政や消防、警察などの公的支援だけでは、すべての住民にすぐに支援を届けることが難しい場合があります。
そのようなとき、重要になるのが地域住民同士の助け合いです。
例えば、
・一人暮らしの高齢者への声かけや安否確認
・避難に支援が必要な人の手助け
・避難所への移動支援
・物資の運搬や配布
・炊き出しや生活支援
・被災後の片付けや日常生活の再建支援
など、地域の中で助け合えることは数多くあります。

さらに、貢献ポイント制度で平時から活用しているシステムそのものを、災害時には「地域の支援情報を共有するための情報ツール」として活用することも考えられます。
平時には、地域活動の募集や参加登録、活動実績の記録、貢献ポイントの付与などに利用しているシステムを、災害発生時には災害支援モードへ切り替え、
・どの地域で、どのような支援が必要とされているか
・安否確認や見守りが必要な人がいる地域
・避難所や支援拠点に必要な物資
・物資の運搬や仕分けを手伝える人の募集
・炊き出しや片付けなどの支援活動の募集
・地域ごとの支援状況や対応状況
・行政や社会福祉協議会、地域団体などからの支援情報
などを共有できる仕組みにするイメージです。

例えば、
「○○地区で高齢者世帯の安否確認を手伝ってほしい」
「○○避難所で飲料水の運搬をできる人を募集」
「○○地区では毛布が不足している」
「午後2時から災害ボランティアを10人募集」
といった情報をシステム上で発信し、支援できる住民や地域団体が参加できるようにします。
普段から同じシステムを使って地域活動に参加していれば、災害が発生したときに新しいアプリや仕組みを一から導入する必要がありません。
日常的に利用している仕組みだからこそ、非常時にも住民が迷わず使いやすくなります。

 

また、平時の活動を通じて、


地域で活動する
↓
住民同士が知り合う
↓
地域の状況や支援を必要とする人を知る
↓
システム上でも地域活動の情報が共有される
↓
日常的な信頼関係と情報ネットワークが形成される
↓
災害時には、そのネットワークを支援活動に切り替える

 

という流れを作ることができます。

つまり、貢献ポイント制度は単にポイントを付与する仕組みではなく、平時から地域の「人」「活動」「情報」をつなぐ基盤として整備しておくことで、災害時には地域の支援ニーズと支援できる人を結び付ける情報インフラとして活用することもできます。

平時の地域福祉と災害時の支援を別々のものとして考えるのではなく、普段から築かれた人と人とのつながりと情報ネットワークを、非常時にもそのまま生かしていく。
そのような「平時から災害時まで支え合える地域づくり」も、貢献ポイント制度によって生み出すことのできる重要な社会的価値の一つです。

 

社会保障の持続可能性への一つのアプローチ

高齢化が進む社会では、必要な介護・福祉サービスを誰が担うかだけでなく、その費用をどのように持続的に賄うかも重要な問題です。

税金や社会保険料、公費は今後も不可欠です。

貢献ポイント制度は、それらを置き換えるものではありません。

その一方で、この制度そのものによって生み出される財政節減を、将来の貢献ポイント給付の裏付けとして活用できないか、という考え方があります。

ここでは、大きく二つの財政節減効果を想定しています。

 

第一の財政節減効果
介護・福祉の周辺業務に必要な支出を抑える

介護・福祉現場には、専門職でなければ担えない仕事がある一方で、必ずしも専門資格を必要としない周辺業務も存在します。

例えば、

・清掃
・配膳や下膳
・洗い物
・見守り
・話し相手
・レクリエーションの補助
・行事の補助
・買い物などの日常生活支援

などです。

こうした仕事について、地域住民が参加する有償の社会福祉活動だけでは必要な人数を確保できなければ、施設や自治体などは、

・既存職員
・アルバイト等の雇用
・派遣
・業務委託

などによって補完する必要があります。

その結果、人件費や委託費等が発生します。

そこで、貢献ポイント制度によって、従来とは異なる参加動機を住民に提供します。

 

制度導入前

有償地域福祉活動への参加者が不足
↓
必要な周辺業務を職員・アルバイト・派遣・委託等で補完
↓
追加の人件費・委託費等が発生

 

制度導入後

寄付や将来の社会保障にもつながる新しい参加動機を提供
↓
有償地域福祉活動への参加者が増加
↓
適切な周辺業務を地域住民が担う
↓
職員・雇用・派遣・委託等によって補完する必要のある業務量が減少
↓
介護・福祉サービス全体としての支出を抑制

 

ただし、重要なのは、「介護の仕事を安い労働力に置き換える」ことではありません。

むしろ逆です。

専門職には、

・身体介護
・認知症ケア
・医療との連携
・ケアマネジメント
・利用者の状態判断

など、専門性が必要な業務へ集中してもらいます。

そして地域住民には、適切に切り分けられた周辺業務を担ってもらいます。

これによって、

「専門職の専門性をより有効に活用する」

ことと、

「介護・福祉サービス全体の提供コストを抑える」

ことを同時に実現できる可能性があります。

また、有償の地域福祉活動を制度化する場合には、労働法制との整合性が重要です。

名称が「ボランティア」や「地域活動」であっても、実態として労働者に該当する活動については、最低賃金などの労働関係法令を遵守する必要があります。

 

この制度は、最低賃金を回避するための仕組みではありません。

労働者には専門性や責任に応じた適切な待遇を確保しつつ、住民による社会参加として実施することが適切な活動を切り分け、新しい参加者を増やすことで、地域全体としてより効率的に福祉を支えることを目指すものです。

 

第二の財政節減効果
寄付によって公費支出の一部を補完する

もう一つは、活動報酬から生まれる寄付による財政効果です。

制度導入前には、被災地支援、生活困窮者支援、子どもの支援などの一部を、国や自治体などの公費で行う必要があります。

貢献ポイント制度では、活動報酬の一部または全部を参加者本人が、

・被災地支援
・子ども支援
・生活困窮者支援
・その他の社会的活動

へ寄付することができます。

その結果、本来公費によって行う必要があった支援の一部を、住民の社会貢献によって補完できる可能性があります。

ただし、

「500円寄付されたから、必ず公費が500円削減できる」

という単純なものではありません。

実証実験によって、寄付が実際にどの程度、公費による支援を補完できるのかを測定する必要があります。

 

二つの財政節減を、将来の貢献ポイントへつなげる

以上を整理すると、貢献ポイント制度によって生じる財政節減には、大きく二つの経路があります。

 

①介護・福祉サービスの提供コストの節減

地域住民の参加者増加
↓
介護・福祉の周辺業務を地域住民が担当
↓
雇用・派遣・委託等によって補完する必要のある業務量が減少
↓
人件費・委託費等の支出を抑制

 

②寄付による社会的支援への公費負担の節減

地域福祉活動
↓
報酬・謝礼
↓
参加者本人の意思による寄付
↓
被災地・子ども・生活困窮者等への支援
↓
本来必要だった公費支出の一部を補完

そして、

 

①+②によって生じた財政節減
↓
その一部を将来の貢献ポイント給付の財政的裏付けとして活用
↓
将来、参加者自身が介護等を必要としたときに利用

 

という循環をつくることを考えます。

 

重要なのは、貢献ポイントを何の裏付けもなく発行するわけではないということです。

制度そのものが現在生み出した財政節減の一部を、将来の支援へ振り替える。

これが、貢献ポイント制度の財政面での基本的な考え方です。

 

赤字国債で現在の支出を賄う場合との違い

現在必要な社会的支援のための財源を赤字国債によって賄えば、将来世代は元本に加えて利子負担も負います。

一方、貢献ポイントについても、国などが将来の利用を保証する制度にするのであれば、将来の公的な給付義務が発生する可能性があります。

したがって、

「貢献ポイントなら将来の財政負担はゼロになる」

というものではありません。

ただし、通常の国債とは異なる特徴があります。

第一に、ポイント残高に対して、通常の国債のように毎年利子を支払い続ける必要はありません。

第二に、発行したポイントが将来すべて利用されるとは限りません。

第三に、ポイントを発行する前段階で、制度による財政節減が生まれることを想定しています。

つまり、

 

介護・福祉周辺業務の効率化による財政節減
+
寄付による公費支出の補完・節減
+
将来利用されないポイント分

と、

将来実際に利用されるポイント
+
制度運営費

 

を比較する必要があります。

一定の条件の下で前者が後者を十分に支えるのであれば、現在の支出を単純に国債で賄う方法とは異なる財政構造をつくることができる可能性があります。

ただし、これは現時点で証明された結論ではありません。

詳細な財政シミュレーションと実証が必要です。

 

財政面での基本的な考え方

この制度の財政的な中心は、

「新しい給付を、何の裏付けもなく増やすこと」ではありません。

 

制度への参加者が増える
↓
現在の介護・福祉サービスの提供コストを抑える

さらに、

活動報酬の一部が社会的支援へ寄付される
↓
本来必要だった公費支出の一部を補完する

その結果、

制度そのものが財政節減を生み出す
↓
その一部を将来の貢献ポイント給付の裏付けとする

 

という考え方です。

 

概念的には、

現在削減できる介護・福祉関連支出
+
寄付によって補完・削減できる公費支出
+
将来利用されないポイント分

が、

将来実際に利用されるポイント額
+
制度運営費

 

を十分に支えることができれば、長期的な財政負担を大きく増加させることなく、

・地域福祉の担い手確保
・介護専門職の負担軽減
・専門職の生産性向上
・被災地支援
・子ども・生活困窮者支援
・地域コミュニティの再生
・将来の社会保障への安心

を同時に進められる可能性があります。

ただし、これはあくまで検証すべき仮説です。

実際の制度化には、詳細な財政モデルと実証実験が必要です。

 

一般的なボランティアポイント制度との違い

一般的なボランティアポイント制度では、

 

ボランティア活動
↓
ポイント付与

 

という仕組みが多くあります。

 

貢献ポイント制度では、考え方が異なります。

 

地域福祉活動
↓
報酬・謝礼
↓
本人の意思による寄付
↓
社会貢献実績として記録
↓
貢献ポイント
↓
将来の社会保障

 

という流れです。

単に、「ボランティアをしたのでポイントをもらう」制度ではありません。

地域福祉、有償活動、寄付、社会貢献、被災地等への支援、将来の社会保障を一つにつなぐことが、この制度の特徴です。

 

「参加型社会保障」という考え方

貢献ポイント制度は、**「参加型社会保障」**の一つの形と考えることができます。

従来の社会保障制度は、主として、

・税金
・社会保険料
・その他の公費

によって支えられています。

これらは今後も不可欠です。

しかし、少子高齢化が進む社会では、

「国民が負担する社会保障」

だけではなく、

「国民自身が社会保障を支える活動にも参加する」

という仕組みが、より重要になるのではないでしょうか。

貢献ポイント制度では、金銭的な負担だけでなく、社会的に価値のある活動への参加そのものも重要な資源として考えます。

 

日本から、同じ課題を抱える世界へ

日本は、世界の中でも高齢化が進んだ国の一つです。

しかし、高齢化と人口構造の変化は、日本だけの問題ではありません。

今後、多くの国が、

・誰が高齢者を支えるのか
・介護・福祉人材の不足をどう補うのか
・若い世代にどう社会参加してもらうのか
・社会保障制度をどう持続させるのか
・孤独や孤立をどう防ぐのか

という問題に直面することが考えられます。

貢献ポイント制度は、

地域福祉
有償の市民参加
介護専門職と地域住民の役割分担
社会貢献
寄付
財政節減
将来の社会保障

を一つの循環としてつなぐ提案です。

 

制度化に向けて検証すべきこと

現時点では、貢献ポイント制度は制度提案の段階です。

実際に導入するためには、

・対象となる活動の範囲
・専門職と地域住民の業務の切り分け
・報酬・謝礼の設定
・労働法制との整合性
・参加者増加の効果
・雇用、派遣、委託等の削減額
・寄付額
・寄付による公費補完効果
・将来のポイント利用額
・制度運営費
・不正利用防止

などを検証する必要があります。

特に重要なのが、実証実験です。

一つの自治体や一部の介護施設などで小規模な実証を行い、

・地域福祉活動への応募者数
・参加者の年齢構成
・活動時間
・専門職が周辺業務に使っていた時間
・雇用、派遣、業務委託等にかかっていた費用
・制度導入後に削減できた業務コスト
・参加者への報酬・謝礼総額
・寄付額
・公費支出を補完できた金額
・将来発生する貢献ポイント給付額
・制度運営費

などを測定します。

 

「制度導入によって生じた社会的・財政的価値」

と、

「制度によって新しく発生した費用」

を比較することが重要です。

この提案は、

「すでに経済的・財政的に正しいことが証明された制度である」

と主張するものではありません。

むしろ、

地域福祉への新しい参加動機をつくることで、どれだけ多くの人が参加するのか。

その参加によって介護・福祉サービスの提供コストをどの程度下げられるのか。

専門職を、どの程度専門性の高い仕事へ集中させられるのか。

その活動からどれだけの寄付と社会貢献が生まれるのか。

そこから生じる財政節減によって、将来の社会保障の一部をどの程度支えることができるのか。

これらを、実証研究、財政分析、パイロット事業を通じて検証する価値のある仕組みとして提案するものです。

 

基本となる考え方

貢献ポイント制度の基本となる考え方は、シンプルです。

 

今、地域で誰かを助ける。

 

その活動によって生まれた価値を、自分が支援したい誰かのためにも使う。

 

その貢献を記録として残す。

 

そして将来、自分が支援を必要としたとき、過去の貢献の一部を自分自身の支えとして活用する。

 

さらに、地域住民が介護・福祉の周辺業務へ参加することで、専門職が本来の専門業務へ集中できる環境をつくる。

 

その結果生まれる社会的・財政的価値を、現在だけで使い切らず、将来へつなげる。

 

人を助けることを、一時的な慈善活動として終わらせるのではなく、社会全体を支える持続的な仕組みにする。

そして、

身近な人を助ける。

遠くの誰かを助ける。

福祉を支える人を助ける。

そして、将来の自分を支える。

 

助け合いを、一時的な善意で終わらせず、持続する社会の力へ変えていく。

それが、貢献ポイント制度の基本的な考え方です。

 

提案について

提案名:貢献ポイント制度

英語名:Contribution Points System

提案者:FMO-AOKI

主なテーマ:

少子高齢化、地域福祉、介護人材不足、地域包括ケア、有償地域福祉活動、介護周辺業務、専門職の生産性向上、被災地支援、子ども・生活困窮者支援、社会貢献、寄付、財政支出削減、社会保障改革、持続可能な社会保障、参加型社会保障


English version: Contribution Points: A New Social Security Model