🎧 Tom Petty And The Heartbreakers

 『Damn The Torpedoes』

1950年生まれアメリカのシンガーソングライター。意外にも最初に人気が出たのはイギリスだった。コンサートに行ってみたいアーティストの一人だったが残念ながら2017年10月に亡くなってしまった。

 

 

 

出会い

1979年末のNHK-FMで70年代の洋楽を総括する番組があった。そこでTom Pettyの最初のヒットと言っていいシングル「Don’t Do Me Like That」がかかっていた。いつものようにカセットに録音して聴きまくった。当時はただのヒットシンガーでロックというイメージは無かった。その後MTV時代になってEurythmicsのDave Stewartと共演した「Don’t Come Around Here No More」を見てもロックというよりポップスシンガーというイメージだった。イメージが変わったのはBob Dylanの事を知って、そのメッセージ性や音楽性から後継者と言われているのがTom Pettyと聞いてからだ。確かに言われてみると声も唄い方も似てるわあと...。

スターっぽくない大スター

バンドに興味を持ち始めたのはテレビでThe Beatlesを見てからで、音楽への影響はThe Rolling Stonesからだそうだ。バンドを始めた頃はベース担当だったが後にギターを習い始め、その時のギターの先生がEaglesに参加する前のDon Felderだったというのは有名な話。
 

Tom Petty And The Heartbreakersとして活動したのは1976年から1988まで。それ以降はソロになり、途中George HarrisonのTraveling WilburysというバンドにBob DylanやRoy Orbisonなどと一緒に参加するなどいずれの時代も素晴らしいアルバムを残している。個人的にはシンプルなロックンロールを演っていたこのアルバムの頃のTom Pettyが一番好きだ。アメリカ南部の田舎を感じさせるサザンロックだがLynard Skynardほどゴリゴリではなく、Willy Nelsonほどカントリーでもない、Bob Dylanほど深刻なメッセージ性はない、誰もが経験するような(日本ではないな感はあるが)身近な事を唄うシンプルなロックだ。

映画

彼の曲は映画でも使われている。それは感動的なシーンというよりも、みんなが唄を身近に感じる日常生活や人生の一遍のようなシーンで印象的に使われる。より登場人物を身近に感じさせて映画に感情移入しやすくさせる為なのかもしれない。

 

『Jerry Maguire』(邦題:ザ・エージェント)

 

『The Silence Of The Lambs』(邦題:羊たちの沈黙)

このアルバム

Bob Dylanは貧しい白人や虐げられた黒人の怒りのプロテストソングを唄ったが、このアルバムのTom Pettyは悲しみ、喜び、恋、自由、普通の人たちのあるあるを歌う近所のお兄ちゃんって感じで、とても親近感があって好きだ。

 

「Don’t Do Me Like That」

I was talkin' with a friend of mine
Said a woman had hurt his pride
Told him that she loved him so, then
Turned around and let him go
Then he said, "You'd better watch your step
Or you're gonna get hurt yourself
Someone's gonna tell you lies
Cut you down to size"

 

Don't do me like that
Don't do me like that
What if I love you, baby
Don't do me like that
Don't do me like that
Don't do me like that
Someday I'll need ya, baby
Don't do me like that

 

友達と話してたんだ
そいつが女にプライドを傷つけられたって
愛してるって言ってたのに
背中向けて捨てられたって
そいつが言った
”お前も気をつけた方がいいぞ
そうじゃないと傷つくことになるぞ
誰かに嘘つかれてズタズタにされるぞ”

 

俺にはそんな事しないでくれ
俺はお前を愛してるんだ、ベイビー
俺にはそんな事しないでくれ
いつかお前を必要が必要になるから
俺にはそんな事しないでくれ

 

 

「Even The Losers」

Well, it was nearly summer, we sat on your roof
Yeah, we smoked cigarettes and we stared at the moon
And I showed you stars you never could see
Babe, it couldn't have been that easy to forget about me

Baby, time meant nothing, anything seemed real
Yeah, you could kiss like fire and you made me feel
Like every word you said was meant to be
No, it couldn't have been that easy to forget about me

Baby, even the losers
Get lucky sometimes
Even the losers
Keep a little bit of pride
They get lucky sometimes

 

そうあれは夏が近いころ、俺たちは車の上に座ってた
俺たちはタバコを吸って月を眺めてた
俺は君に決して見ることができないような星空を見せてあげたんだ
ベイビー、俺を忘れるなんてそんな簡単なはずなかっただろ

 

時間なんて意味ないよ、どんな事も現実のようで
君は燃え上がるようなキスができたし、
君が言った言葉の全部が運命的だと感じさせてくれた
いや、俺を忘れるなんてそんな簡単なはずなかっただろ

 

ベイビー、負け犬だって時には幸運を手にするんだ
負け犬だってちょっとしたプライドがあるんだ
時には幸運を手にするんだ

 


このアルバム以外に、次のアルバム『Hard Promises』もいいんですよStevie Nicksとデュエットしたり、後年のソロ『Wildflowers』『Echoes』も、Traveling Wilburysのアルバムも、などなど素晴らしいアルバムが目白押しです。機会があったらまた書きたいアーティストの一人です。