俺は英語が苦手。





ただし外国人に話し掛けられても怯まない。つたない英語力で、堂々と受け答えする。ここは日本だ。





先日、渋谷で若いアメリカ人に声を掛けられた。クラブの場所を教えて欲しい…らしい。





日本語は全く分からない風。よし、俺が教えてやろう。








ルック!ワン・オー・ナイン!

(あれを見て!109あるでしょ?)







ロード、オブ…トゥー

(そこで道が…)







Yのジー!!

(Yの字に別れるんだ!)







ライト!ゴー、ストレート!

(そこを右へ行け!ひたすら真っ直ぐだ!心に迷いを持ったらダメだぜ!)







ドンキホーテ、スルー。

(買い物をしたい気持ちは分かるが、ドンキホーテはスルーしろ。)







ソシタラ、レフト、アップ坂!

(そしたら左側に上り坂があるから)







アップ!アップ&アップ!!

(そこを一気に駆け上がれ!ひたすら真っ直ぐ!心に迷いを持ったらダメだぜ!)






身振り手振りで、オーバーアクションに答える。アメリカ人が「?」な顔をしても強引に押し通す。





そうしたら、後ろから…





「Can I help you?」





日本人の女性。英語ペラペラ。





アメリカ人、俺を押し退けてその女性との会話に夢中。





一人、取り残される俺…。





どうやらクラブの場所が分かったらしく、英語ペラペラの女性は立ち去った。





アメリカ人は、ヘラヘラしながら見下すように「Thank you」と俺に言いやがった。





だから俺はこう言ってやったよ。









「ユアウェルカム!」(満面の笑み)






あ~英語、勉強しようかな…。