本日、交野市議会全員協議会が開催されました。
私が、議員になってから初めて、全員協議会にたくさんの市民が傍聴に来られ、
交野市民にとって「ゆうゆうバスの廃止」がどれだけ切実な問題なのか実感しました。
さてさて、交野市で走っている「ゆうゆうバス」とは?
・65歳以上であること
・障害者手帳を持っている
・乳幼児、妊婦
この3つの条件に該当する市民なら誰でも無料で乗れる「福祉バス」です。
なぜ今廃止なの?
市の言い分は…、
ざっくりいうと「京阪バスの減便や撤退を免れるため。」
「高齢化が進んでいるから、ドアtoドアでの外出支援が必要な方が増えているため。」
だそうです。
うん??
京阪バスの赤字は、10年前と現在を比較すれば約80万人(年)減少してます。
その要因は、高齢化がすすんで通勤・通学にバスを使う人が減ったから。
それと、民間バス事業者はどこも運転手不足…。
これが現状です。
一方、
ゆうゆうバスは2コースで約9万人(年)の乗客数。
ゆうゆうバス乗車証の発行枚数は、約9,100枚(年)。
単純に考えても、ゆうゆうバス2台(年間予算 2,000万円)を廃止しても
民間バス事業者が抱える問題の解決には繋がらないのです。
だけど、交野市民にとってはゆうゆうバス2台を廃止される代償は、めちゃくちゃ大きいと思います。
とりあえず、今日の全員協議会でわかった事をお知らせします…。
ゆうゆうバスに代わる外出支援策の施策内容(案)
①(仮称)交通系ICカード活用 公共交通機関運賃補助事業(年間予算 1,700万円)
・基本的に対象者は、審議会でかけられていた者に変わりはないが、経過措置期間として3年間は「現在、ゆうゆうバスの
乗車証を持っている人」は全て対象となる。
・バスポイント2,000ポイント(1回/年)を付与する場合はICOCAカードに限り、
2,000円分のチャージの補助を希望する場合はPITAPAカード以外なら使える。
※2,000円分のチャージ補助ってコンビニとかで買い物にも使えるよね…?公平公正といつもいう行政が、
この税金のバラマキを良しとしていいのでしょうか?
②(仮称)公共交通不便地区移動支援事業(年間予算 600万円)
・発着点はまだ未定だけど、ゆうゆうセンターor河内磐船駅発でバス停の寺会館・ワーキングエリア前・神宮寺集荷場・
松塚上池だけのピストンコースになりそう…?(議員からは、決まってないなら決めてから書くべきとの意見も)
※うん?ちょっと待って。交野市内には山手地域も多く、京阪バスは走らない地域もある。
例えば、私市山手は高齢化もすすむ中で、急な坂道を下れない高齢者も多く、ゆうゆうバスが外出のために重宝されて
きたのに、なぜ寺・神宮寺だけに走らすの?市民感覚や実情から考えればこれこそ不公平じゃないでしょうか?
・運賃は無料を想定
・対象者は、⑴75歳以上の高齢者 ⑵65歳以上75歳未満で障がい者手帳所持者(身体5・6級、療育B2、精神3級)
⑶障がい者手帳所持者(身体1〜4級、療育A・B1、精神1級・2級)で、本人が市民税非課税者。
ただし、経過措置として3年間は「現在、ゆうゆうバスの乗車証を持っている人」は全て対象となる。
※経過措置の対象期間が終わったら、寺・神宮寺地域に住んでいる方の生活の足ってなくなるよね…?
これって問題を先送りにしてるだけで、解決には全くならないのではないでしょうか?
③高齢者外出支援サービス事業(年間予算 700万円)
・対象者は、65歳以上で介護保険で「要介護3」以上の認定を受けている方。
・福祉タクシーや、一般タクシーの初乗り運賃相当分の助成。
・交付枚数は、24枚/年(月何回使用しても良い。)
※そもそも、この事業は他市に比べて交野市では遅れていたもので、今回の拡充は社会状況から見れば当たり前のことで、
ようやく他市に追いついただけだし、月に何回使っても良いとなっても年間24枚じゃあそもそも足りない…。
しかも、福祉タクシーの台数も少ないし、一般タクシーも朝の時間帯とかはなかなか予約も取れない状況だとか。
タクシー補助があっても、そもそもタクシーに乗れなかったら使えない。となると、ゆうゆうバスの代わりと考えるのは
どうなのでしょうか?
※審議会での意見が全く反映されていないってそもそもどうなの?
④重度障がい者移動支援サービス事業(年間予算 500万円)
・対象者は、障がい者手帳所持者のうち「重度」認定者。(年齢制限なし)
⑴身体障害者手帳:1・2級(下肢・体幹・運動機能・視覚・腎臓・呼吸器・肝臓・免疫)
⑵療育手帳:A
⑶精神障害者保健福祉手帳:1級
・福祉タクシーや、一般タクシーの初乗り運賃相当分の助成。
・交付枚数は、24枚/年(月何回使用しても良い。)
※重度障がい者の対象を拡充したとのことでしたが、これも交野市は他市に比べて遅れていたものだし、
年間24枚で外出支援って言えるのでしょうか?そもそも、③と一緒で乗りたいときにタクシーがつかまらなかったら…。
収入の面でも、そんなしょっちゅうタクシーに乗れないという声も多いし、どうなの?
※審議会での意見が全く反映されていないってそもそもどうなの?
⑤(仮称)妊婦移動支援サービス事業(年間予算 100万円)
・対象者は、妊婦。
※え?乳幼児は対象外。ゆうゆうバスは乳幼児も対象だったのに…。子育て世代からしても福祉の後退になってるのでは?
・交付枚数は、10枚/年(後期妊婦検診の回数を参考にしたようですが…。)
⑥(仮称)送迎車両購入費助成事業(年間予算 500万円)
・対象者は、障がい者総合支援法に基づく、障がい者就労支援事業(A型・B型)を実施している市内の法人。
・送迎車両購入費の1/2を基準で、100万円を上限で助成。
※う〜ん?そもそも、障がい者就労支援の目的って障がいを持っていても自立した生活を送れるようにという目的があって、
その自立の考え方には通勤も含まれるはず。その視点抜け落ちてるよね…。
※そして、何より事業所側からしたら送迎をしようと思ったら、運転手確保も必要だし、もちろん人件費はかかる
車の維持経費はかかるで持ち出しめちゃくちゃ出てくるはず。それでなくても運営きびいしいって状況で、100万円だけ
車両購入のための費用助成してもらっても負担増えるんじゃ難しいってなるはず。
これで、ゆうゆうバス廃止しても障がい者の外出支援策は万全!!ってならないよ…。
こんなツッコミどころ満載な案が示されましたが、
議員からはもちろん様々突っ込まれ、訂正や追記した後
もう一度、委員会での所管事務調査にかけられることになるようです。
そして、12月の広報に載っていたように
12月20日から1月31日の日程でパブリックコメントが実施されます。
情報は市HPを見てしか得られないということだったので、
思わず「それはないでしょ!高齢者や障がいを持つ人の中にはHPを見れない人も多いのに。
せめて、市民説明会をするべきじゃないですか!?」って突っ込みましたが、
「市民説明会はしません。」と…。
こんな不誠実なやり方で誰が納得するのでしょうか。