消防の頃にいた僕女の話です。
登場人物
私の友達(A)→喘息持ちで気が弱く、私とは家族ぐるみの付き合い。中学生に間違えられるくらいの身長。
僕女→ここで出るような悪臭コニーではなく、肩ぐらいまでの真っ直ぐな髪を茶髪に染めたガリ体型。平均身長。
私→大病知らずで正義感が強く力自慢。平均より低身長でプチコニー。
私は小さい頃から身体が弱いAによく手を貸していました。
体育の後にAと一緒にグラウンドから教室に帰ろうとすると僕女が
「僕疲れたからAちゃんおんぶしてよ!」
と言ってきました。
陸上大会の長距離部門でいつも入賞しているはずの僕女の発言に私は唖然としてしまいましたが、Aが困ったように私を見るのでいつもの習慣で代わりに断りました。
「僕女ちゃんが疲れてるようにAちゃんも疲れてるんだよ。だから駄目」
当時の私からしてみれば優しく言ったつもりでした。
「僕本当に歩くのも嫌なくらい疲れたの!(私)ちゃんうるさい!」
僕女は叫んだ後に階段を勢い良く駆け上がっていきました。
その日の帰り道にAから聞いたのですが、おんぶの件は私が気付いていなかっただけでかなり前からあったらしいです。Aはいつも断わり切れずに僕女をおぶって教室のある3階まで上っていたそうです。
話を聞いてからは前以上にAといるようになった私ですが、僕女の行動は私がいてもあまり変わらなかったようです。
「Aちゃん!」
挨拶代わりに僕女はAの背中を思い切り叩きます。後で見せてもらったらそこは痣になってました。
「僕女ちゃん!背中はあんまり筋肉つかないって言うから叩いちゃ駄目だよ!もちろんお腹もだからね!」
我慢強いAが叩かれた後に涙目になっていたので、思わず私は怒鳴るように言ってしまいました。
「…じゃあどこ叩けばいいの?」
私はこの時どう返したか覚えていません。
基本的に大病知らずな私ですが、ある冬の日に風邪を引き珍しく学校を休みました。
1日中続く高熱に頭がぼんやりしている中、Aから電話が来たと母に子機を渡され私は電話に出ました。
最初に聞こえたのは私が風邪を引くよりも珍しいAの泣き声。それにびっくりしていると次に聞こえたAの言葉で更に驚きました。
「…僕女、ちゃんに…階段、から落とされた……」
詳しく話を聞くと、今日は邪魔な私がいないからAにべったりだった僕女。
放課後になり私の見舞いに行く為に早く帰ろうとするAを階段で呼び止め、僕女は一緒に遊ばないかと誘ったらしいです。どもりながらも断ったAに腹が立ったらしい僕女は
「おしくらまんじゅう~」
などと言いながらAを階段から下に押し始めたらしいです。暫くはバランスをとる為に手すりにも掴まれない状態に耐えていたAですが、僕女が体重をかけてきたのと足が滑ったので落ちてしまったらしいです。
捻挫だけならまだ良かったのかもしれませんが、Aはショックで喘息が悪化して暫く学校を休むことになってしまいました。
そのことでAと僕女の担任に訴えてみたのですが、その先生と僕女は仲が良くて普段の私は無愛想なせいで訴えは無視されました。
次に私の担任で僕女が所属する陸上部の顧問をやっている熱血な先生に訴えてみたところ、私がいない場へすぐに僕女を呼び出し僕女からもを聞きました。
先生が言うには僕女はAが怪我したことに対して酷く罪悪感があったらしく、すぐに泣いて謝ったそうです。
先生はそう聞いたものの、僕女がAに謝罪している姿を見ることは卒業してもありませんでした。
Aの復帰後、多少は大人しくなったもののバレンタインにはチョコをくれとねだり始めました。
私達は相談した結果、一緒に作ったチョコの中で1番出来が酷いものをあげました。感想はありませんでした。
中学は僕女と3年間クラスが違ったので特に被害はなく、Aは吹奏楽が有名な学校に、私はお勉強学校に、僕女は地元で「小学生より遅い登校、小学生より早い下校」で有名な高校に進学しました。
以上、昨日駅で僕女が同級生だろうと思われる男子といたのを見かけたから思い出した話でした。
友達の捻挫だけでも悲しくなったのに、自身が骨折されたり何針か縫ったりと痛々しい被害が多くて思わず俺僕女の存在理由まで考えてしまいました。
被害を受けたのは私ではありませんが、思い出したものを吐き出せてすっきりしました。
被害に遭われている皆さんが幸せになれますように!