東大数学9割のKATSUYAが販売する高校数学の問題集 -1137ページ目

早稲田大学(人間科学部A、B)| 2010年大学入試数学


大学入試シリーズ第17弾。


早慶シリーズ第8弾です。








問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、


典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。


また、☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。







また、私が実際に解いてみた感想を各問題ごとに書きます。


初見、途中、最後などなど。。。






また、今回より解答までの目標時間を、


問題ごとに書きます。


※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの時間です。




したがって、


目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越える


ことも、当然ありえます。特に私大では顕著です。




同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、


ヒントや答えをみるといい という目安にしてください。







早稲田大学(人間科学部A、B)数学


(試験時間90分)







全体総評(A)




空欄補充形式とはいえ、これといった丁寧な誘導はなく、


最終的な答えをストレートに聞いてきます。


記述式でもおかしくない問題ばかりで、決して簡単ではありません。


このレベルの問題でall or nothing なのはかなり酷です。






全体総評(B)


(A)とほとんどかわりませんが、別問題の第6問、第7問は


(A)に比べて難しいです。特に第7問は空欄補充であることが


唯一の救いだといえるような難問ですが、それでも気づいた人が


半分いるかどうか。。。


やはり部分点をもらえないのは、かなり厳しいものがあります。










第1問(共通)-1・・・場合の数(A、5分、Lv.1)





教科書にもありそうな、簡単なさいころの問題。


ほかの問題のレベルを考えると、ここは絶対に落とせません。










第1問(共通)-2・・・数列(A、8分、Lv.2)




(等差数列)×(等比数列)の和を求める問題で、


典型パターンです。




この手の和Sは、S-(公比)S を計算することでうまくいきます。


あと、この場合はΣであらわすよりも実際に並べて書いたほうが


差をとるときに見やすいです。


並べ方は、等比数列の項が一致するところを縦に並べます。




例:公差2の等差数列と、公比2の等比数列の場合




S=1×2+3×4+5×8+7×16+・・・(2n-1)×2^n


2S=    1×4+3×8+5×16+・・・(2n-3)×2^n+(2n-1)×2^(n+1)




下から上を引いて




S=-2+2×(4+8+16+・・・・2^n)+(2n-1)2^(n+1)




下線部が等比数列になります。見やすくて、引き算の間違いも少ないです。


Σのまま処理しようとすると、端っこの様子がめんどくさいので、


ならべちゃいましょう。






感想




特になし。典型パターンなので、計算して終了。


2は答えストレートなので、計算は慎重に行った。










☆第2問(共通)・・・指数、対数関数(B、10分、Lv.2)






空欄含めて問題文1行というものですが、見かけほど簡単ではありません。


指数の部分に対数が入っている問題では、=rとおいてみると


見やすくなることが多いです。が、類題経験がないと苦しい。





また、対数の底はそろえることが定石です。


今回は底は2よりも4でそろえておいたほうが数式処理が


わずかに楽ですが、普通は2にそろえたくなるところ(笑)








感想




=rとおいてそのままにしておけばよかったものの、


さらに対数をとったためややこしいことに。




少し詰まった後に気づき、rはそのままにして


rの2次方程式に帰着させ、終了。










第3問(共通)・・・高次方程式、整数(B、15分、Lv.2)




解の条件から整数(a、b)の組を求める問題


今回の場合、整数の解をもつならば、±1のどちらか


あることに気づくかどうかがポイントです。




整数をkとおいてみて代入すると定数項の1だけがあまることから


すぐに気づくでしょう。




それに気づけば、あとは虚数解条件からもとまります。






感想


±1のどちらかであることはすぐに気づいたので、あとは


両方調査して虚数解条件からaの範囲を絞り、終了。










第4問(共通)・・・図形と式(C、25分、パターンなし)




領域の問題です。


記述式であれば答案をまとめるのがめんどくさい問題。




だからといって空欄補充でも簡単なわけではなく、


差がついた問題のひとつでしょう。




kの値によってどのように領域が変化するのか、きちんと


調べる必要があります。






感想




条件式自体は簡単なのに、kの値でこんなにも


領域の形がかわるもんなんやと驚いた。


空欄の形をたよりに条件をだし、終了。


記述式であれば結構難しかったのでは。


なかなか、いい問題^^










第5問(共通)・・・空間ベクトル(B、12分、Lv.2)




平面と直線の交点の問題。




平面PQR上にある


線分AC上にある




をうまく条件式にしてしまいましょう。


なお、この問題に限り親切な誘導があるので


割と解きやすかったのではないでしょうか。






感想




誘導が親切で、計算も詰まらずに終了。










第A6問・・・微分積分(B、17分、Lv.2)






積分を使って面積をmの3次式であらわし、


今度はそれを微分して面積の最小値を求める問題。




よくあるパターンですが、この手の問題は


積分して、それを微分し、最大値(最小値)を求める


という手順なため計算がどうしても膨れます。




最後の値を求めるときは次数下げを行うなどして、


√を含む計算を2乗したり3乗したりするのは極力避けましょう。


計算ミスのもとになります。








第A7問・・・三角関数(B、12分、Lv.2)




cos72°がらみの問題で、Lv.2の典型パターンといえます。


中堅以上の大学では見かけるので、覚えておきましょう。




72°=αとおくと、5α=360°になることを用いて、


2αと3αのcosやsin で方程式をたてます。




例: cos2α=cos3α、sin2α=-sin3α など




それを倍角の公式で展開してsinαまたはcosαに関する


高次方程式を作ります。


72°より、0<sinα<1、0<cosα<1


を使えば解が1つに絞れますので、それが答えです。




なお、36°の場合は5α=180°になるを用います。




そのほか、特殊な三角形を考えるなど、


いろいろと求め方はありますが、


これが一番すっきりした解き方でしょう。






感想




72°がらみは得意。値も知っていたので、空欄補充のため一瞬。








第B6問・・・図形と式、微分(B、25分、Lv.2)






2接線の交点やら接線とx、y軸の交点やらで囲まれる三角形の面積


を文字で表し、最小値を求める問題。


空欄補充形式にするには、ちょっと酷なぐらい過程がありますが、


そこまで文字が煩雑になることはないので、手はついたかと。






感想




これ、空欄補充かよ って思ってしまった。


最後ミスったらシャレならんわと思い、かなり慎重に計算。


それでも符号とグラフの位置が視覚的に合わないことから


計算ミスに気づき、やり直して正解。




※図形の問題は、視覚的なところで計算ミスを発見できます^^






第B7問・・・個数の処理、数列?(CD、50分、パターンなし)




コンビネーション記号の数列の和といった感じです。


分野は不明です。




記述式であれば、間違いなくDレベルの難問です。


空欄補充であるだけでも救いですが、どれぐらいの人が


気づけたでしょうか。。。




こういう場合は、いくつか調べてみます。


3つ4つ調べたぐらいであきらめず、どんどん調べた人が勝ちだったかもです。


私は6つ調べてようやく規則性に気づきました。。。






感想




答えだけなら出せたが、後味が悪いので


きちんとそれが正しいことを証明することに。




こんな感じで証明にたどり着いています。


決してすぐに分かるわけではなく、


私だってとにかく、考えに考え抜いているということを主張するのに


ちょうどいいかと(笑)






推定したから帰納法か?とか思うが、


n=k とn=k+1 では様子が違いすぎるため、断念。






「Bnは推定できるが、証明できない」という状態が続き、、、


「ん?Bnが推定できるんなら、式変形してAnが推定できるな」


となり、Anの推定式を出す。




「どっちも直接出るのか」と思いながらも、どっちも証明できないまま。




コンビネーションに関するある公式を思い出し、Anに適用してみたら


うまくいったので、Anは証明終了。




のこりBn・・・・。「結果はこんなに簡単なのに、、、なんでや、、、、」


と思いつつ、Bnの和の式と結果の形から、


Anで使ったコンビネーションの公式に持ち込めないかと判断。


強引に使えるように変形すると、これがドンピシャではまる。


ほかの公式の利用も合わさり、無事証明終了。


(はじめからここまでで、約200分です。)






あえて公式の内容とか書きません。皆さんも挑戦してみてください^^


数学は考える時間が長ければ長いほど実力がUPします!!






合格ライン


A


どれも標準問題とはいえ、all or nothingなのはかなり厳しい。


1,2,3、5はなんとかあわせて、4,6、7は前半だけはきちんと合わせる。


それでも90分では厳しいでしょうから、


65%ほどかと思われます。






B


A同様、all or nothingなのはかなり厳しく、別問題のB7は特に厳しい


1,2,3、5は絶対あわせて、4、6は半分。7は気づければ満点がとれますが、


取れなくてもいいと考えます。やはり90分では厳しいですから、


60%ほどでしょう。







対策




穴埋め形式で7問、90分であることを考えると、結構なレベルです。


教科書レベルはもちろん、その上の標準パターンぐらいまでは


計算問題と感じれるぐらいのレベルまではもっていきたいです。




具体的には、黄色、青チャートがすらすら解けるレベルまで


もっていければいいでしょう。




穴埋めなので、知識で差が出る問題もありますから、


準公式ぐらいまでは頭に入れておきましょう。




例 sin15°とか、積の微分の公式など




同じ大学の他学部の過去問も、レベルが同程度で穴埋め形式なので、


練習にいいでしょう。



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