28日。
彦さんはお仕事なので、一人時間を満喫しました。
朝から美容院、お買い物、本屋の散策!、文房具やの散策、トウキュウハンズの散策。
そして、見たかった映画『ラース、とその彼女』 を見に行きました。
アメリカの小さな田舎町にすむ、ラースは極度なシャイ。
隣に住む兄夫婦ともあまり打ち解けようとしない。
そんな彼が、ある日突然『彼女を紹介したい』とほほを高潮させて言う。『あってほしいんだ』
喜ぶ兄夫婦の前に現れたの彼女は、『リアルドール』のビアンカ。
リアルドール・・・つまりは、おとなのおもちゃってことね。
題材だけ見ると、恐ろしく下品なコメディに思えるし、
ラース(27歳!)が真剣にドールとお話しているのは、狂人の沙汰としか思えない。
見ているこちらも、戸惑いを隠せないのです。
でも、
村の人も、兄夫婦もラースの彼女を、人間として扱い、ラースの世界に合わせてあげることにします。
それはラースが、村のみんなに愛されているから。
その様子はほんとうにあたたかい。
ラースの様子を否定することなく、
ラースが傷つかないおよう、みんなで一生懸命になってあげる姿がとても微笑ましいです。
人形を人間だと思い込んでいる・・・。
ラースがどこまで『本当』だと思っているのか、映画の中では特に触れられません。
それ自体、この映画ではあんまり重要じゃなくて
ただ『そういう人を受け入れる優しさ』を描くものだったからではないか・・・
そうおもいます。
教会にあつまるおばあさん達の会話が印象的。
『貴方の奥さんは盗癖があったわ、あなたの息子はフィギュアに夢中ね、
貴方の子供の頃は、浮気癖があるわ。みんな何かおかしなとこがあるのよ。
ラースだって同じよ。人を不幸にしないだけ、ずっといいわ』
人を『変』だと決め付ける前に
受け入れてあげる優しさ・・・。
ああ、素敵。
人間はみんなちがうんだもんね。
ラースの主治医との会話の中で、ラースの極度なシャイは、過去が影響しているのだと
わかります。
ひそかに恋心を抱く、同僚との関係や
カリン(兄の奥さん)の妊娠など
ラースを取り巻く環境の変化が、ラースとビアンカの最後を予感させます。
『さぁ、みんなのところにもどろう』
『・・・少し、歩こうか』
ラースの優しい笑顔。
人々の優しい気持ち。
押し付けがましい優しさではなく、あるがままをうけいれるという寛容さ。
脚本や人物関係や微妙な関係性の変化が丁寧に描かれた
とても素敵な映画でした。
