見に行ってきました、薮原検校@シアターコクーン。
蜷川×コクーンは、いつ以来だったかなぁ。1年ぶりかもしれない。蜷川の演出、主役は古田新太。しかも古田の役回りはこの世に悪行の限りをつくす、だなんてアンチヒーロー、楽しみにしていました。
江戸時代の盲人で大悪党・薮原検校の短い一生を描いたお話。
音楽は宇崎竜童。古田が演じたからか、演出だからなのか、数ある悪行を重ね度も愛嬌があって逆に純粋に見えるから不思議。「悪」を悪意をもって行っていないからかえって純粋。だから処刑のシーンは逆に哀れでもある。
一方塙保己一を演じる段田さんは、識者で良識もあるのに。でも悪人に見える。ただなー、あまりにも一瞬だったのでもっとじわりじわりとこの逆転の視点が感じられればよかったなぁ。
舞台。
戸板を舞台全体に張り巡らし、隙間から漏れる光が木漏れ日のようだし、盲目の人間の世界のようにわずかに感じられる光を表現しているようでもある。
舞台全体にロープが張り巡らしてあり、場面転換のたびに黒子と役者がこのロープを移動させ、変化させる趣向。
で。かげねこは面白くなかった。面白かったけど、楽しくなかった。ドキドキしたり、わくわくしたり、揺さぶられる何かがなかったのだよね。
オープニングは面白かった。蜷川演出のオープニングがいつもドキドキさせる。
