ちょっと寝不足、それでも芝居の半分までは執筆が終了し、残り半分のプロットも建て直しができました。今回は書き出すとダダーと進むのでよいです。書き始めるまでが問題なんですけどね。
さて、事件勃発まで10分。
これは黄金の法則だと想っています。
脚本上では、上演時間の10分までに芝居の「セットアップ」を完成させることを構成上の信条としています。「セットアップ」とは、芝居の舞台となる場所や話のテイスト、登場人物は誰か、それはどんな人物か、そしてお話はどこへ行こうとしているのか(事件を起こす)・・・これらを全て提示する、ということです。
これはロミオとジュリエットが当てはまりますね。
恋に破れたナイーブな青年ロミオを、悪友達が敵グループの舞踏会へいこうとけしかけます。そこでロミオは敵グループの娘ジュリエットと出会い、恋に落ちます(事件)。
事件が芝居のめちゃくちゃ最初に、ダダーット起きてしまい、観客は「恋は成就できるのか」という関心事だけで話を見ていくことになります。
映画「シカゴ」もそうですね。
まヴェルマが血で真っ赤に染まった手を洗い流すシーン。キャバレーで踊るヴェルマは舞台上で輝いていて、それにあこがれているロキシー。ロキシーは不倫相手とアパートメントに入り、裏切られたと知るや銃殺。つかまって刑務所に入ると、そこには何とヴェルマ!と、ここまでで多分15分くらいだと思います。
書き出しは、観客に対してこの芝居が面白いかどうかの判断基準になりますので、なかなか緊張します。上演10分間で事件を起こし、そこへの興味関心を惹く。書き出しには、2時間引っ張るための凝縮されたエッセンスでいっぱいなのです。そんなわけで今脚本にあるのは5回くらい書き直したもの。いつでも書き出しは、緊張です。