ジョゼと虎と魚たち @DVD 2003年 犬童一心監督
俳優が好きです、池脇と妻夫木。小説は読んでいました。好きな話だと思っていましたが、映画は映画、原作は原作。
なんだか、リアルな大学生の恋愛。なんていうか。割りと頭つかって考えているようで、考えていないというか。しかもすごく男性目線だなって思ったの。男性のほうが翻弄されてて、もしかして翻弄されたい(されたかった)ものなのかしら?とか。
池脇のクセのある喋りが気になる。でも嫌ではない、意固地な感じがいい。秀逸なのが妻夫木の演技。なんだかこの人色香のある俳優さんだわ・・・。腕とか目とか、腕とか、腕とか・・・。
リアルな大学生の恋愛、とちょっと非日常的なジョゼとの恋愛。小説にかかれなかった最後に納得できる。「分かれた理由はまぁ、色々あるけど。簡単に言えば、オレが逃げた」
モト彼女とよりが戻った感じだけど(いやむしろ次に付き合う女がいるからジョゼと別れられたのかも)、でも彼は泣いてしまうのだよね。
強いジョゼの横顔が印象的だ。
決してかっこよくない大学生の、普通の話。
切ないっていうか、やっぱせつないのかな。
pianoメロディが胸に痛い。この割り切れない、もやもや。でも好きだな。
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それでもう一回見てしまった。
映画冒頭、メルヘンチックに飾ったジョゼの世界=部屋が、映画のラストではすでに現実的で夢に埋没しないで、前を向いているジョゼの今のような部屋。殺風景でリボンもフリルもないのだ。その部屋で淡々と今までの生活をおくるジョゼ。自分と別れたことを責めない。「これも、まぁええかもな」と。意地も張っていない。
「分かれても友達になれる種類の女の子もいるけど、ジョゼは違った。もう二度と会うことは無い」
男は結局、ヨリを戻した彼女の前で、『逃げた』彼女のことを思って泣く。しずかに、しずかに流れるpianoがやっぱり胸に痛い・・・。