去年の年末にチェジュ航空、今月にもエアインディアの大きな事故があった。

2つの事故はどちらも、両方のエンジンが不作動にならなければ起こらないような事故に思える。

エアインディアの事故について、元JALの某航空評論家はアーリーローテーションが原因かのようなことを言っていたが、自分はそれに対して懐疑的である。

事故映像を見る限り、機体はある程度の高度まで浮揚しており、姿勢を見ても両方のエンジンが作動していれば十分加速可能であるように見えた。

ありえるとするならばV1到達前にengine failure、RTOの判断が遅れ離陸継続、滑走距離が足りずアーリーローテーションを実施し失速かもしれない。

しかし、それならギアを格納できない理由も、しない理由もない。

個人的に思いつくのは

①両方のエンジンに不具合が発生

②片方のエンジンに不具合かつ、エンジン以外の装置にも不具合が発生

③片方のエンジンに不具合かつ、ヒューマンエラーが発生

のどれかなのかもしれない。

しかし、どれも非常に稀な現象が複数発生しないと起こりえないことで不可解である。

チェジュ航空の事故も同様に不可解である。

仮にどちらかのエンジンが作動していれば着陸のやり直しは燃料がある限り何度でも可能である。

両方のエンジンが不作動であったとしてもギアはだせる。

両方のエンジンが不作動で滑空し、滑走路の真ん中辺りに接地するパスだとわかってギアを出さないとは考えにくい。

個人的に思いつくのは

①両方のエンジンに不具合が発生かつ、ギアが出ないか出す判断にならなかった。

②機内火災など機体構造もしくは操縦系統の重大な不具合で進入復行ができず、ギアも出せないような状況だった。

いずれにしてもあまりに可能性が低い事象であり、非常に不可解である。

一つ共通して考えられるのは、両方のエンジンが止まった可能性があるということ。

低高度で両方のエンジンが止まると再始動までの時間はまともに無いし、不時着地を選定する時間も範囲も非常に限られる。

そもそも両方のエンジンが不作動になった際の訓練などしていない。

マニュアルには再始動をするように書いてあるが、再始動しなければひたすらやり直すことしか記載されていない。

つまり出たとこ勝負になる。

両方のエンジンが低高度で不作動になるなど天文学的確率であるが、万が一両事故とも両エンジン不作動が原因だったとしたら飛行機のエンジンが2つでいいのかと思ってしまう。

原因がとても気になる。