勉強の1番番長のお兄ちゃんと再会して・・・3~4日経った夕方。
袋物の型紙を作るのに模造紙を買いに文具店へ行きました。
文具店へ行くと・・・居った!チリチリパーマのオバはんが。
文具店の小母さんに難癖をつけておりました。
金銭トラブルのようでした。
しかし、文具店の小母さんはトラブルを起こすようなチャランポランな人ではありませんでしたから。
私は、そーーーーっと足を忍ばせてチリチリパーマのオバはんの背後に張り付くように二人の話を聞いておりました。
チリチリパーマのオバはんは文具店の小母さんに、
『あんたも常識のある大人やったら人から借りた金はええかげんキッチリ耳を揃えて返さんとあかんのんと違うんかいな?』
文具店の小母さん:『それはそうなんですけどなぁ、こんな小さな文具店には、そんな大金はありませんさかいなぁ。』
チリチリパーマのオバはん:『(嬉しそうな声で)なんや金がないんかいな。それやったら、早、言うてくれたらよかったのに。あんたの、この店は自分の物なんやろ?』
文具店の小母さん:『はい。私の名義になっていますねんけどなぁ・・・』
チリチリパーマのオバはん:『それやったら無理に金策に走り回らんかて、この店の権利書を私に渡してくれたら済むことなんやから。』
文具店の小母さん:『私も、この店の二階に住んでますもんやさかい。権利書を渡してしもうたら私の住む家が無くなってしまいますさかい、それだけは堪忍してほしいんです。』
チリチリパーマのオバはん:『(威嚇するように)あんた!「借金を踏み倒したろ」っちゅう腹なんか!?え゛え゛!?』
文具店の小母さん:『そんな、借金を踏み倒そうやなんて大それたことなんか考えてへんよ。そんなん、思うてもみんことですよ。』
チリチリパーマのおばはん:『それやったら、今すぐに、この店の権利書を借金のかたに貰うて行くさかい、早、出しなはれ。それで、あんたも毎日、借金の催促を迫られんかて済むし、私かて、ここまで借金の催促に来んかて済むんやさかい。一挙、両得やないか?(満面の笑みで)あんたもそう思うやろ?』
文具店の小母さん:『・・・・(うつむいて黙しておりました。)・・・・・』
チリチリパーマのオバはん:『黙って下を向いてんと、早、店の権利書を出さんかいな!』
私はチリチリパーマのオバはんの真後ろから、『おばちゃーん!』と声をかけました。
チリチリパーマのオバはん:『ああ!ビックリした!なんや、あんたは』
私:『一挙、両得て何やねん?チリチリパーマのおばちゃんだけがボロ儲けするだけと違うのん?』
チリチリパーマのオバはん:『あんた、誰や。』
私:『3~4日、前に会うてるのに、もう忘れたん?』
チリチリパーマのオバはん:『あんたなんか知らんわ何処で会うたっちゅねん!』
私:『やっぱり忘れてるやん。モウロクしたんか?』
チリチリパーマのオバはん:『あんたなんか知らんわい!何処で会うたんや?言うてみぃ!』
私:『ここで会うたやんかぁ。チリチリパーマのおばちゃーん。』
文具店の小母さん:『モモンちゃん、やめとき!』
チリチリパーマのオバはん:『ああ!あの時の。』
私:『やっと思い出したん?ようも嘘、八百、並べ立ててくれたなぁ。チリチリパーマの、おば、はーん。』
チリチリパーマのオバはんは、『あんたは私が来るのんを見越して、こんなん子を呼んどったんかいな?!』と、またも言いがかりをつけました。
私:『違うよ。私は模造紙を買いに来たの。そしたらチリチリパーマのおばちゃんが文具店の小母さんに絡んでたんやんか。』
チリチリパーマのオバはん:『あんた等はつるんで借金を踏み倒す腹やな!そっちがその気やったら警察を呼ぶで!!』
私:『はーい。ほな交番までお巡りさんを呼びに行ってきますさかい、まっててねぇ。』と言って駅前交番に走りました。
が・・・・お巡りさんは不在で・・・仕方がないので文具店に戻るとチリチリパーマのオバはんの姿がありませんでした。
文具店の小母さん:『お巡りさんを呼んでくるというたら、すぐに帰ってしまいはったわ。』
私:『けど、また来るねんやろ?』
文具店の小母さん:『まあねぇ。けど、あの人からお金を借りてしもうた私も悪いんやさかい、モモンちゃんは心配せんかてええんよ。』と寂しそうに言ってました。
私も後ろ髪をひかれるように文具店を後にして家へ帰りました。