正月2日。スタローンの"デイライト"(1996)見てます。なかなか面白い。
Cold Beer & Crazy Beat!~ FLYING WALRUS AKIHIのBlog-daylight
 これから、遡って秋から冬にかけてのBlogを書こうと思います。見たライヴ、自分のライヴ、そしてMistのこと。
 あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 大晦日に揚げたかきあげ。たつ(のおとしご)に見えます。
Cold Beer & Crazy Beat!~ FLYING WALRUS AKIHIのBlog-辰

 昨晩は紅白を途中で切り上げ、Black & Blueで呑んだくれてました。RCあまりやらなかったけど、「天極」よかったね。「Chain Smoker」に、ストリートスライダーズのZuZuさんが参加しての"Back To Back"。最高。トリの「ヒーローズ」(この日新宿Club Doctor - Final !-と2連チャン)も素敵だった。

 今年もロックンロールだ!
 Echoesというバンドが好きだった。

Cold Beer & Crazy Beat!~ FLYING WALRUS AKIHIのBlog-echoes


 Echoesが再結成した。3.11の震災で被害を被った東北のために、福島のライヴハウスで今年9月4日、オリジナルメンバーとしては20年ぶりにライヴを行ったのだ。
 Echoesのライヴをはじめて見たのは、1990年10月3日。会場は渋谷公会堂だった。終演後、ギターを持ち込んでいた友人を中心に、Echoesの歌を歌いながらメンバーを出待ちしていた。辻仁成には会えなかったが、タクシーに乗り込む伊藤浩樹と伊黒俊彦を捕まえて写真を撮った。サポートでキーボードを弾いていた横田隆一郎は、友人たちと一緒にフレームに収まってくれた。

 バブルに浮かれた時代に学生をしながら、その世相にどこか違和感を感じていた当時のぼくたちは、小説家でもある仁成の書く歌詞に共感し、バンドのはじき出すビートに拳を上げた。"STELLA", "Dear Friend"、"Zoo"これらの名曲を、ぼくらは単に聞き飛ばすだけでなく、ヘタクソながらもギターを手にして彼らの曲を演奏した。高い音程にはキーを下げても、とにかく歌って彼らの世界を自分のものにしようとしたのだ。

 Echoesは1991年に解散、2000年に仁成と浩樹の2人で再結成したが、その時はあまり興味がなかった。自分の中でなにかがズレていたのだと思う。その後のユニット"Echoes of Youth"もいつの間にか自然消滅していた。仁成の小説を読む事もなくなり、彼の原作が時折映像化されると、「ふーん」と手に取ってはみても、レジに運ぶことはなかった。仁成と浩樹が新しいバンドを組んでも、情報すら耳に入ってこなかった。



 暮れも押し迫った渋谷は寒かった。会場である渋谷AXは、渋谷公会堂から歩いて1分だ。20年前はまさかこんなところにライヴハウスができるなんて思ってもいなかったし、そこでEchoesが再結成ライヴをするとは思っていなかった。

 ビールを片手にフロアに降りる。思った通り、客層は30~40代の男だ。皮の匂いがする。開演時間を過ぎたころ、客席から「行くぞー!」という声があがり、エコーズコールが始まった。熱いじゃないか。20年前の夢の続きを、この大災害の年にもう一度、という気持ちが伝わる。夏に観た再結成Complexや、氷室京介のBoowyナンバーによるライヴとはまたひと味違った雰囲気がAXを包んだ。

Cold Beer & Crazy Beat!~ FLYING WALRUS AKIHIのBlog-111222

 "Welcom To The Lost Child Club"が会場に流されると、不覚にも涙腺が緩んできた。"Hello are friend ? Welcom To The Lost Child Club" 20年前に別れてしまった友達、今どうしているだろうか?もしかしたらこの会場にいて、同じ涙を流しているのかもしれない. . .
 会場全体が歌うなか、ゆっくりとメンバーがひとりひとり歩いてきた。
 聞き慣れないアコースティックギターとピアノのイントロで曲がスタートする。スローテンポにアレンジされた"Jack"だった。ステージには辻仁成、今川勉、伊藤浩樹と伊黒俊彦のオリジナルメンバー4人と、キーボード、ドラマーの6人。勉のドラムセットは中央奥にセットされ、上手にサポートドラマーのセット、下手にキーボードが組んである。
 勉は病気の後遺症のために、以前ほどスピーディでパワフルなドラミングはできないが、黙々とリズムを刻んでいる。風貌がまるで若き日のジョー・ストラマーだ。浩樹はほとんど動かずに、丁寧にギターを弾く。上手では、貫禄十分になった俊彦が、勉と視線を交わしながらベースを弾いている。
 そして仁成。声が伸びている!ハスキーながらもよく伸びるハイトーンは、ちっとも衰えていないどころか、以前にも増してパワフルだ。
 シンセによるSEから、2曲目"Worrior"。これは、彼らの解散コンサートのオープニングナンバーだ。勉はシンセドラムのパッドを叩く。間奏のバグパイプのようなフレーズは浩樹らしいギターソロに置き換えられていたが、掛け合いのコーラスがグイグイ曲をひっぱる。だが、まだ会場は熱くなりきれていない。
 強力だがややマイナーなナンバーの後、浩樹のギターが"My Protest Song"のイントロをはじき出す。ここでようやく会場はヒートアップする。"Change Myself !"のかけ声で、一体になって拳を突き上げるオーディエンス。これを待っていたのだ。
 オルゴールのようなSEの後、ベースが鳴り響くと、バンドは"Cutting Edge"を演奏する。ここでもコーラスは大合唱だ。"Worrior"からここまでの流れは解散コンサートを彷彿させる。勢いで仁成はギターの弦を切る。熱い。熱いが仁成、このままのペースで飛ばして大丈夫なのか?

 今回勉は、ドラムセット半分、ドラムマシンの操作やパッド、パーカッションを叩くのが半分といった感じ。メインのリズムはサポートのチェリー氏がパワフルに叩く。
 ドラムマシーンのイントロに導かれて始まったのは、個人的には大好きな"Hello Again"だ。勉がドラムパッドでスクラッチなどの音を乗せている。 仁成が歌い出した歌詞は、今回の東電の失態を請けてかなり変えられていた。

 「原発やもんじゅがなくても 暮らしてゆけるけれど 歌や夢や愛がなければ 僕らは生きてはゆけない 信号や規律がなくてもどうにか転がれるけれど 労りや連帯がなくては この国の明日はない」 

 MCで仁成は「あの頃はひねくれてたしバブルだったから、"歌や夢や愛なんていらないし信号や規律が大事だよね""僕らの事は心配しないでね"って言ってたんだけど、今の時代ひねくれてたらメッセージ届かなくなっちゃったんだよ」と言っていた。「まっすぐ言っても隠蔽されたり全然わかんなくなっちゃったり、どれが本当なの?っていっても解らない時代になっちゃったんだよ。」
 悲しい、とても悲しいが、正しいのだろう。

 続く新曲"そのうち愛がないなら今すぐ手をつなげ -Solidarity-"(事前にアナウンスされていた曲名と若干違いますが、MCで仁成はこう紹介してました)は、この日の白眉だった。この日のテーマ「連帯」をストレートにタイトルにしたこの曲は、ブリッジでの仁成のラップが圧巻だった。ラップというよりも、演劇の長台詞、単純な言葉をたたみかける仁成の迫力は、それだけでもこの会場に足を運んで良かったと思わせるものだった。ちゃんとした音源化を望みたいけれども、ライヴ会場でのこの迫力は再現しきれないだろうなあ。

 勉がハープを吹く"ハミングバードランド"に続いて演奏されたEchoesの最大のヒット曲"Zoo"は、今回はレゲエにアレンジされて登場。楽しそうに歌う仁成がとても印象的だった。ちょっと中だるみ気味ではあったが、会場はもちろん大合唱。
 "Bad Boy"をはさんで、アルバム"Eggs"から"Rainbow"。熱くなりすぎた(?)仁成は構成を間違えまくるが、オーディエンスは合唱で」フォロー。「仁成落ち着けー」の声も。

 本編ラストは"アンカーマン"。冒頭の"Jack"同様この曲もスローテンポにアレンジされていた。このテンポが、今の勉に叩き易いテンポなのだろう。病気のあと、出来ることを、出来る範囲でがんばっている。メンバーも勉のことはあえて説明しないし、知らないひとにとっては「何故」って感じなんだろうけど、勉がいてこそのEchoesなんだ。

 メンバーが舞台袖に引っ込む。まだあれもやってない、これもやってない、アンコールは. . . Red Sun"!ここでも歌詞は変えられていた。「放射能の町をジョギングしているミドルエイジ」
 続く"デラシネ”もいい曲だが、渋い!"Tug of Street"は?"Someone Like You"は?"Gentle Land"は?なんとそこへきて次は"ロックンロールは歩く鏡である". . .まさかこの曲が出てくるとは。ベストアルバム"Silver Bullet"に未発表曲として収録されたナンバーで、いい曲なのだが、なんでまた仁成はこんな、「エコーズファン度」を測るような曲を持ってくるかな。
 迷走気味のアンコールにとどめを刺したのが、"ハミングバードランド"のパンクバージョン!もともとこの曲はアコースティックギターの弾き語りのようなアレンジで、アルバム"Heart Edge"に収録されていた。原曲に忠実なかたちでこの日中盤に演奏されたが、まさかのガレージパンクで再登場。正直、勢いだけであまり良くなかった。練習不足ながら仁成が無理矢理演奏したらしい。

 今回若干急ごしらえの感は否めず、ショウとしては詰めの甘い箇所もたくさんあった。
 だが、それを補ってあまりある、完成度の高い楽曲と仁成の声。年が明けてもまた東北を回りたいと言っていたので、Echoesとしての活動はしばらく続くのだろう。眠らせておくにはもったいない曲がEchoesには多すぎる。

 2度目のアンコール、最後のナンバーは"東京"だった。今度はややテンポアップしており、オリジナルでは印象的なマンドリンもなかったけれど、この夜を締めるにはいい曲だ。
 "東京"は失恋をして住まいを変える男の歌だ。傷心を癒すのに居を変えるのはいい手段かもしれないが、災害によって居を変えざるを得なかったひとたちはたまったものではない。無事に年をこせるだろうか。これからの幸せはあるのだろうか。

Cold Beer & Crazy Beat!~ FLYING WALRUS AKIHIのBlog-辻

 ちょっとだけそんな事を思いながら、20年前に一緒にEchoesのライヴを見にいった友人に電話してみた。
 やっぱりこのひとはGod of Rock'n Rollのひとりでしょう!Keith Richards様の68回目のBirthday !
 毎年なんらかのかたちで祝ってきたこの日ですが、今年はBlack & Blueでイチロッカーさんをはじめカッコいいバンドを見てきました。

Cold Beer & Crazy Beat!~ FLYING WALRUS AKIHIのBlog-keith

 イチロッカーさん、いいね。"Shattered"を日本語で歌うとは、しかし、大禍の今年ならではの選曲
と言えないこともない。"Let It Loose"もレアでよかった。だがストーンズナンバーより、ラスト2曲のオリジナルが滲みたね。"Long Long Way From Home"で歌われてる「希望」は、ロックで一番美しいもののひとつだと思うよ。ひっそりと。

 ザ・ギャートーンズさん。お噂はかねがね、といった感じですが、見るのははじめて。地に足がついた感じのロックンロール。"Rock'n Roll Silverman"はいい!"Happy"で、ヴォーカルのひとが歌うと思いきやベースのひとがスッと割り込んでリードヴォーカルを取る演出が最高。

 The Strange Diseaseさん。いや、ギターの篤史さんいいわ。音いいし、アクションはキースだし。実は、この日全バンド終了後、章二丸さんのリクエストで2ステージ目やってました。凄いね。

 そしてRickyがギターのCHAIN SMOKER。ストーンズですよ。ストーンズ。王道から横道まで(Undercover of the Nightをやったバンドって、ここ十数年、我等Flying Walrus以外に見たことがなかったんですが、いるんですねえ)
 "Brownsugar"では、ステージに上げて頂きました。ステージ上がってからグラサンをかけるという失態!

Cold Beer & Crazy Beat!~ FLYING WALRUS AKIHIのBlog-cs111218

 とにかく、Long Live Keith ! Long Live Rock !
Cold Beer & Crazy Beat!~ FLYING WALRUS AKIHIのBlog-111208

 「記念」が好きです。学生の頃は、他界してしまったアーティストの命日に、部屋でそのアーティストゆかりの曲をかけながらひとり呑みをするのが好きでした。
 ジャニス、ジミヘン. . .はあまりやらなかったな。ブライアン・ジョーンズ、ジム・モリソン、ボンゾ、フレディ・マーキュリー. . .
 ジョン・レノンは1980年、40歳で亡くなりました。僕は9歳でした。そして今年は2011年。僕は40歳になりました。僕のこれまでの生涯は、もうジョンがこの世にいた長さを越えています。
 不思議です。彼は40年のあいだに、なんと多くの仕事をし、何と多くの人間の心を動かしたのだろうか。なぜそんなことがひとりの人間に可能なのか。
 それに比べて自分は. . .と比べること自体が無意味ですが、歌うたいのはしくれのはしくれとして、年に一度くらい、敬愛するジョン・レノンの死を、歌うことによって悼みたい。
 そういう気持ちでステージに立ちました。

 イチロッカーさん、ジュンヤくん、宇野さん、どうもありがとうございました。

※"pf"はピアノを演奏
1st stage : AKIHI
1.Norwegian Wood (This Bird Has Flown)
2.Well Well Well
3.Come Together
4.Instant Karma! pf
5.I Am The Walrus

2nd STAGE : 渦(ICHIROCKER&ジュンヤ)
1.デタラメ
2.錆
3.Rock'n Roll Msic
4. Nowhere Man
5.Out the Blue
6.「願い」
7.IMAGINE

3rd stage : メモリアルバンド(AKIHI, ICHIROCKER, ジュンヤ, 宇野しょうじ)
1.Across the Univers
2.Girl
3.I've Got a Feeling(宇野さん参加)
4.Starting Over(ジュンヤくん参加)pf
5.Woman pf
6.All You Need Is Love
7.A Day In the Life pf
8.Whatever Gets You Thru the Night pf
9.Revolution
10.Happy Xmas (War Is Over)

 ジョンから受けたインスピレーションと、あの場にいたひとたちに感謝します。
 Flowermistの皆は今日大阪に行っている。今シーズン日本で最後のステージだ。

Cold Beer & Crazy Beat!~ FLYING WALRUS AKIHIのBlog-last_reha

 昨日は、リハスタでの最後のリハーサルの後、ソンミン以外のメンバーと、通訳のケンちゃん、急遽韓国からやってきたジェチョンのお姉さんを連れて、新宿は花園神社の酉の市に足を運んだ。
 毎年ここで熊手を購入して、来年の家内安全と商売繁盛を願うのである
 ミストのメンバーはもちろん日本のこういったお祭りははじめてだ。興味深そうに神楽殿や提灯を眺めている。
 
 明日ライヴだというのになかなか帰りたがらないジホを説得し、メンバーと別れて帰った。
 明日は頑張れよ!
 Milky Wayは、その昔Take off 7という名前のハコだった。渋谷の東急ハンズ向かい、立地もいい。音もそこそこだったが. . .
 今回ひさしぶりに会場に入ると、なぜか天井が軋んでいる。特にスピーカーから重低音が再生されるたびに、ミシシ、ミシシと天井が鳴る。また、この建物にはもう一軒ライヴハウスが入っているのだが、そこからの音漏れもある。昔はこれほど気にならなかったのに。

 さて、Flowermist、ジュニョンとヒョンウ脱退後初のライヴである。今回はW.A.P.さんの企画"wap step JUMP vol.1"に出演するのだ。
 今回僕は、まったくの客として参加した。リハーサルは見ていない。ジホはともかく、ソンミンは参加して初のライヴだから是非会場のリハーサルには参加したかったが、ヒョンウと違って自分の音をちゃんと出せる奴でもあるし、自分たちでやってもらうことにした。

Cold Beer & Crazy Beat!~ FLYING WALRUS AKIHIのBlog-fm111123_1

 しっとりとした、"Raindrop"でライヴはスタート。この、ちょっと変わった雰囲気の曲は、通常のキー/コード進行とは若干違ったところで進行する。ひらたく言えば、通常の調性を越えたところで和声が進行し、メロディが作られている。ベースの音、ギターの音、ヴォーカルのメロディをそれぞれ見ると、和音から外れていたりするのだが、全体で聞くときちんと曲として成立しているのだ。
 これはギジュンの作る曲の特徴であるのだが、彼は譜面を書かないので、覚えるメンバーは大変だろう。

 さて、何故この曲でライヴをスタートしたか。それは今回、ギターの先生である土屋浩一さんがゲストでMistと演奏するからだ。ゲストは、出ずっぱりもいいが、後からカッコよく登場するのが強い印象を与えるのである。
 そして、"Raindrops"という曲は、2本目のギターを乗せにくい。。。

 ジホがむにゃむにゃと土屋先生を紹介している。土屋先生曰く「出にくいよ. . .」打ち合わせちゃんとしておけって言ったのに。
 とはいえ、ここからは先生も加わり、メンバーもいい意味での緊張感とともに演奏にも冴えが出る。とはいえ、ギジュンはいつものようにクールなマイペース。一番反応していうのはNEWギターソンミンで、アイコンタクトもバッチリだ。
 そしてそのソンミンが. . .

 脱いだ。

Cold Beer & Crazy Beat!~ FLYING WALRUS AKIHIのBlog-fm111123_4

 . . .こういうキャラだったのか。
 オーディエンスも軽くド肝を抜かれたが、これでまた会場は湧いた。

 最後を、LUNESEAの"Tonight"で締めると、余裕の表情でメンバーは楽屋に歩いていった。


 さて、イベントも終盤。この日出演したアーティスト全員で、W. A. P.のナンバーを歌うのだ。
 当然日本語の歌詞でもあるし、これが結構不安だった。が、ジホはそつなく自分のパートを歌いきった。

Cold Beer & Crazy Beat!~ FLYING WALRUS AKIHIのBlog-fm111123_2


 イベントは大成功だったし、Mistもこのイベントに参加したことで、新メンバーでの活動に大きな自信を持ったに違いない。

Cold Beer & Crazy Beat!~ FLYING WALRUS AKIHIのBlog-fm111123_3


 終演後、打ち上げ件バースデーパーティが開かれた。おめでとう!ジェチョン&ケンちゃん!