『ロケットガール』DVD発売 | Flying Beauties -美女空中浮遊体験集-

『ロケットガール』DVD発売

このブログで過去たびたび(こことかこことかで)紹介してきたアニメ『ロケットガール』が17日深夜の放送をもって終了しました。
2月下旬からという、ずいぶん中途半端な時期からの放送ということで、どういう流れになるのかと思っていたら、フツーに1クール12話オンエアして5月終了。
途中から曜日が変わって混乱したりもしましたが、ほぼ全話見ることができました。


感想はといえば、よくも悪くも緻密なリアリティと信じがたいウソっぽさが同居したストーリーだなあ」といったところ。


(以降、多少のネタバレが含まれますのでご注意ください)


Flying Beauties的に期待を裏切られたのは、宇宙飛行士訓練シーンの少なかったこと!


大した訓練もしないで見切り発車的に宇宙まで行ってしまったということなのか。
それとも実際は厳しい訓練を積んでいたけどそのあたりはストーリー上“はしょった”だけなのか。
それにしたって、向井千秋さんら日本の宇宙飛行士が飛行までに数年間の訓練を積み重ねていたことを考えると、それよりも大幅に短い期間(でなければ彼女たちは高校生でなくなっているはずなのでこれは間違いがない)で宇宙へ出てしまえるというのは、ちょっとリアリティに欠けるんじゃないの?


その他、一人乗りの宇宙船にムリヤリ二人で乗り込み、あまつさえそのまま大気圏突入して超絶Gを耐えきるとか、最終回では緻密な姿勢制御の必要な場面でわけがわからなくなり結局カンで操作して乗り切ってしまうとか。


そのくせ、打ち上げ時の各手続きの描写なんかはえらくリアルなんですよ。
そのへんが妙にヲタク指向なんですね。


女子高生がアルバイトで宇宙飛行士になってしまうという設定も奇想天外なんですが、それはそれとして。
ディテールにおいて非常にリアリティのあるストーリー展開の中、主人公たちが難局に陥り、視聴者を巻き込んでこのあとどうなるかハラハラさせた末、最終的に彼女たちのとった行動とその結果のみが実に現実離れしていて……さんざん悩ませたあげくそんなことで解決しちゃうのか?とツッコミ入れたくなりました。


妙なアニメでしたね。


宇宙では、いわゆる無重力飛行のシーンも多く見られました。
その最大の要因は、ロケットガールたちの着ている宇宙服。
ボディラインにぴったりフィットしたセクシーなスペーススーツは船内着と船外用宇宙服を兼ねているため、飛行中の宇宙船のハッチを開けてそのまま簡単に外へ出ることができるんですね。
機動戦士ガンダムシリーズのノーマルスーツのようなものでしょう。
おかげで船外活動、いわゆる宇宙遊泳も実にお手軽。そのシーンも多かったということです。


が、そうして生まれて初めての宇宙を体験した彼女たちのリアクションは、淡泊そのもの
正直、これは困ります。


ワイヤーアクションやスカイスポーツもそうなんですけど、体験した人は何かリアクションを残してくれないと、ブログにはとても書きにくいです。
体が宙に浮く楽しさに思わず大はしゃぎ!でもいいし、あまりの高さや怖さや痛さに大泣き!でもいい。
とくに何か反応するでもなく「空を飛ぶ仕事」を淡々とこなし、それが終わると挨拶を交わしてすぐ帰っちゃった、みたいな空中浮遊体験は、たとえそれが美人女優であろうと人気アイドルであろうと、ブログの記事にはしにくいんですよ。
このアニメのキャラたちも、無重力の宇宙で淡々とミッションをこなすだけ。まさにそういう無反応な空中浮遊体験者でしたね。


女子高生が宇宙へ行くといって思い出すのは、ハリウッド映画『スペースキャンプ』。
宇宙飛行士の訓練を体験する「スペースキャンプ」に参加していた少年少女たちが、不慮の事故で本当に宇宙へ打ち上げられてしまいます。
この映画では、宇宙空間へ到着した彼らはまず無重力での浮遊を楽しみ、続いて宇宙からの地球の眺めに感動します。帰還するためにクリアしなければならないさまざまな難題について考え始めるのは、そのあと。


このアニメではそんな一女子高生の一女子高生らしい素のリアクションがほとんどないままにミッションだけが進んでいくものだから、主役を女子高生にしてセクシーなスーツを着せるというアニヲタ泣かせの設定にしたのは何のためだったのか、と疑問に思わずにはいられません。
要するに、女子高生としてはちょっと冷静沈着すぎるんだな。
もっと行動の端々に女子高生らしさを見せてほしかった。それでこそこのアニメの奇想天外な設定が息吹を持つんじゃないか、と思うわけです。
だからこのアニメの楽しさは、主人公たちが宇宙に出るようになったストーリー後半よりも、唐突に飛行士に任命されて狼狽しながら訓練を受けていたストーリー序盤にこそあるような気がしますね。


とりあえず、5月25日付でDVDが発売されたそうです。
興味のある方、またノンスクランブル無料放送とはいえWOWOWは視聴できなかったという方は、ぜひチェックしてみてください。



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