『ラジオ英会話』英語のお悩み解決!夏休みスペシャル
⚠️Spoiler Alert⚠️
これから先の数記事は、『ラジオ英会話★英語のお悩み解決!夏休みスペシャル』を質問ごとに区切って、番組内の会話を書き起こしたものです。
この放送は、明日午後9時半~再放送があり、「らじるらじる」でも聴くことができます。
放送の方が、文字では伝わらない大西先生やいとうあさこさん、デイビットさんの🔥熱量🔥を感じていただけます。
まだ聴いておられない方は、ぜひ放送を聞いてみてください!
(なお、書き起こしは、「一字一句」というわけではありません。「はい」とか「そのー」など、内容に必要ないと思うものは私の独断と偏見でカットしています。でも、明らかに「そこは違うのでは?」という部分は、いつものようにご指摘いただけたら有難いです)
それでは始めます。
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大西先生☞ O
いとうあさこさん☞ A
David さん☞ D
(なお、会話での太字や色付けは私が勝手に施したものです)
O:「ラジオ英会話」
A:英語のお悩み解決!
3人で:夏休みスペシャル!
A:Hi, everyone! いとうあさこです。そして…
O:「ラジオ英会話」講師の大西泰斗です。それと、いつも番組をお手伝いいただいているデイビット・エバンズさん。
D:Hi, everyone. I'm David Evans. All right, guys, let's get to it!
A:あ、本物だ~。
はい、さぁ今回はですね、「ラジオ英会話」の特別編ということで、どうしましょう、わたくしいとうあさこが台本上だと「MC」と書いてあるんですが。
O:はい、よろしくお願いいたします。
A:お願いします。
えー、「ラジオ英会話」、高校生から社会人まで幅広い年代の方々に向けた英会話番組でございます。月曜から金曜の朝6時45分から、NHKラジオ第2で放送しております。わたくしもヘビーリスナーと言えばよろしいでしょうか。
O:お、あー、いつもありがとうございます。
A:はい。あのこないだの先生のね、おっしゃった「ASO」「それなに?」「あ、そう(so)」というのがもう頭から抜けないで。
O:それは抜けて構わない。
A:あはは。
O:今は「MMA」ですよね。
A:「MMA」…なんですか?
O:めちゃめちゃ暑い。
D:あ゛~。
A:だいぶ暑い夏でございます。
さあ、今年度、「話すための英文法」、取り上げられていますよね?
O:はい。英文法というのはですね、難しく考えていただく必要はなくてですね、まぁ、「英語という言葉の動き方」っていうのを、基本ををマスターしようと。まぁそれが今年度の妄評になるわけですが。
まぁ、話すというとですね、「文を覚えればいいんじゃん」みたいなですね、いろんな考え方があるとは思うんですよ。
でも、その文法をしっかりと理解して、英語っていうことばが、「どんなふうに動いているのか」、「文はどんなふうに基本的に組み立てられてるのか」ということがわかると、もっともっと、より効率的に勉強が進むんじゃないのかなと思っているわけです。
A:あと、楽しくなりますよね。わかるとね。
O:はい。わかると楽しいっすよ~、文法は。
A:はい。
さぁ、今回の「夏休みスペシャル」では、番組ホームページの投稿フォームからお寄せいただいた「英語のお悩み・疑問」を、大西先生がズバッとしてくださる。
O:お任せください!ズバババババーンと解決しますよ。
D:ズバババババーンとね。
A:今回のスペシャル番組にあわせて、英文法や学習方法にまつわるお悩みをたくさんお寄せいただきました。
O:ほんとにね、1,000千通超えてるんですよ。
A:この30分で答えられますかね、1,000通。
O:いや、いくつか選ばせていただく、というわけなんですが。本当に、いつもみなさんありがとうございます。
A:ありがとうございます。それでは早速始めましょう。
・・・・・・・・・・・・
A:さぁ、まずは英文法にまるわるお悩みからでございます。
O:はい。真剣に学んでいることがですね、質問からも伝わってきて、ほんとに素晴らしいなって思います。
A:はい。それでは一番多く寄せられたお悩みからご紹介でございます。神奈川県にお住いのラジオネーム三月うさぎさんからでございます。
【会話の中で、相手の発言を受けて使う指示代名詞 it と that の違いがわかりません】
そして東京都にお住いのFさんから
【私の悩みは it と that の使い分けです。たとえば、What is it? と What is that? はどのように使い分けるのでしょうか】
とのことです。そのほか、ココさん、アイコさんなどなど、多数の方々から同様の質問、届いております。
O:なるほど~。
A:確かに、確かに。
O:なかなか難しいところですよね、これねー。
A:先生、早速教えてください。
O:はい。じゃあ真剣に答えさせていただきます。
さぁ、it と that の問題ですよね。これ、ほんとにですね、学習されてる方もお悩みになってるんじゃないかと思いますが、まぁ日本語訳で似たような訳になってしまうために、その二つが全然区別がつかないっていうことになってしまうんですよ。
A:なるほど。
O:でもね、そんなに基本は難しいことではないんです。そして、どちらか使い間違えたとしたって、意味が通じなくなるというようなことは一切ないです。
どちらが自然かと言われれば、そこはやっぱりですね、基礎的な違いがわかってなくてはいけない。その程度のポイントだと思ってみてください。
A:なるほど。
O:はい。
What's that?
「あれは何ですか?」
というですね、疑問文わかりますよね?
A:はい。
O:で、たとえばですね、レストランでですね、窓際にですね、ま、いろんなですね、器具が置いてあるわけですね。
A:器具。
O:で、お客さんがですね、ウェイターさんにですね、
What's that?
「あれは何ですか?」
って聞くようなシーンを考えましょうか。
答え方としてはですね、2通りのパターンがあるんですね。
1つは、
That's a wine opener.
「あれは何ですか?」と言われて、「あれはワインオープナーです」って答える言い方と、
It's a wine opener.
っていう答え方。「それはワインを開けるやつですよ」っていう話ですよね。
この2つって、どんなふうに区別して使うと思います?
A:何か、感覚だと、it の方が、こう手前っていうか、今もう触れるぐらいの、「これなんだい?」ぐらいの感じの。
O:あー、それはね、「これ」this ってなってくるんですよね。
A: あぁ、そうか。this とかとはこれはまた違うのか。
O:はい。実はですね、この違いというのは that というとね、やっぱり「指してる」んですよ。お客様がですね、窓際のそのワインオープナーを指して
What's that?
「あれ、何ですか?」
って言って「指してる」わけですよね。
A:なるほど。
O:そしたらウェイターさんは、それをもう一回「指しなおしている」ですね。「あ、あれですか?あ、あれはね、ワインオープナーですよ」
これが That's a wine opener. なんですね。
でも It's a wine opener. は、全然雰囲気違うんです。
it はね、「指してる」んじゃなくて「受けて」るの。
What's that?
って言われて、「あなたが that って言って指してるのは」というのをのみこんで、「いや、ワインオープナーですよ」って言ってるわけ。
決して指しているわけじゃないの。
「受けて」、「ワインオープナーですよ」
A:ていう感じですね。
O:はい。日本語に it っていうのはものすごくなりづらいんですよね。
それを無理やり「それ」っていって訳すから、that との区別がつかなくなるというわけなんです。
A:なるほど。
O:はい。「指して」るのか、それとも、「受けて」るのかっていうだけの話なんですね。
「天候、距離、時間の it」っていうのがあったじゃないですか。it の使い方でね。
で、たとえば、時間で
It's five o'clock.
it を使いなさいよって教わった僕たちは、「it は『それ』なのに、どうしてこんな使い方あるんだろう?」って思いましたよね?
A:確かに。時間ね。
O:はい。でもそれは時間の流れを体で受けて、「5時ですよ」って言ってるだけなんですね。
A:指してないから。
O:指してないの。指してないの。
で、「暗いですね」って言うときは
It's dark.
ですよ。
周りの、その、明暗のその情報を体で受けて、「暗いですね」
A:なるほど。
O:はい。という感じで it と that、ご理解いただけましたでしょうか?
A:はい。1個、気が楽になりました。
O:はい。
A:ありがとうございます。
【追記】
今回のお悩み、it と that の違いについては、『一億人の英文法』の209ページ以降に詳しく説明されています
(210ページのコラムでは、「ワインオープナー」ではなく、「缶切り」を例に使っての説明もあり)
To be continued...