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何飲む?が何読む?に聞こえたら活字中毒

読んだ本の感想を中心に書いていきます。

あくまでも個人的読書記録としてのブログ。

 今回はこちら。

玉磨き/幻冬舎
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 三崎ワールド前回の作品です。一人のルポライターが、6つの仕事や出来事について書いたルポルタージュというのが、作品の体。


 例えば、表題はただひたすらに玉を磨き続ける、非生産的な仕事を生業とする男へのインタビュー形式。


 個人的なお気に入りは「古川世代」。野球で言う「松坂世代」のようにある一人のスターを中心とした世代……では無く、ある世代に生まれた「古川」姓の人物は有能である、という説がまことしやかに語られたという架空の世界で、元古川姓の人物にインタビューしていくという作品。


 さっきも書いたように、おそらく着想は「松坂世代」という言葉だけれど、それをこういう方向に昇華できるのはさすがの一言です。


 何人か脳内を覗いて見たい作家はいるのですが、その筆頭と言ってもいい一人です。

桐島、部活やめるってよ (集英社文庫)/集英社
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 タイトルだけ見て、おっさんには読めない本、と決めつけて読んでいなかった1冊。時間が出来たので読んでみた。


 一言で言うなら「青春群像劇」。でも、この書き方だと、どこかまたおっさんのハードルを上げてしまう……


 誤解を恐れずに書くなら、誰が読んでも懐かしい青春時代が描かれている。自分の経験でしかないけれど、目立つ誰かの話ではなく、どこにでもいる、1人の高校生のお話。

 某大作RPGのキャッチコピーであったね、 「それは、あなたの物語」。そんな感じ。


 書き方として単純にすごいと思ったのは、このタイトルで「桐島」は直接登場しないところ。売れる本、面白い本には、こういう所がある、と思う。ありきたりなタイトルに見えても、実はそうではない、という。


 まあいいや。それとなにより、最近色々なところで描かれる、スクールカーストも上手く扱っていると思う。


 個人的に、「そうじゃねえだろっ!!」と思ったのはドラマ、「○5歳の女子高生」。

 なかなか上手いな、と思うのは。ドラマ「LI○IT」。


 でも、これがダントツに上手い。スクールカーストって、昔からあって、こういうことだと思ったのでした。

月の恋人: ーMoon Loversー (新潮文庫)/新潮社
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 今回はこれ。道尾さんの作品が好きで、ドラマ化された時には「おっ」と思ったものの、テーマが気に入らずにドラマはスルー。


 で、今回読んだのですが・・・・・・


 スルーは正解。面白くない、と言う意味ではなく、道尾さんらしくない。他の道尾作品につられて読むと、期待はずれに終わるかな。