ハッピーババァスデー | だめ人間のたのしい余生

ハッピーババァスデー

この世に【ヤノ】なる人物がいる。
皆さんはご存知であろうか。

当年とって22。
どうしようもない男である。
自分の才能を過信し、やりたいことだけやって毎日を過ごし、送られてきたメールは返さない、2アウト3塁逆転のランナーも返さない、マリオをやれば最初のクリボーでGAME OVER、ブックオフに入れば首が硬直するまで立ち読み、なんと言っても己がこの世に生を受けるためならば母親の下腹部を切開させることさえ厭わない、本当にどうしようもないクソブタ学生ニート野郎である。


そんなヤノ氏を産み落とした彼の御母堂が、約半世紀ほど昔の今日、5月20日に生誕した。


ヤノ氏はこの日を「ハッピーババァ'sデー」と呼ぶ。

真に失礼な話である。
ヤノ氏は豆腐にぶつかるより愚鈍で悲惨な死に方をすればよい、と僕は常日頃より思っている。


ヤノ氏はこの日をとても大切に思い、今は亡き祖父母に心より感謝している。
「私という、近い未来、人類史上に多大な功績を残すに違いない人物を生んだ人物が生まれた、全世界が祝福するべき日なのだ」と言う。
ヤノ氏が続けて曰く、「高い知性と独特の鼻梁、太い眉にくせっ毛、それからこのテキトーな性格。私の主張的な特徴はすべて母上より色濃く受け継いでいる」とのことである。

「故に、」と。
「私がこのようにひねくれているのも、すべて母上の責任だ!!被害者債権者その他もろもろ烏合の衆!!上州を目指せ」。
そのためヤノ氏は、性格を含む自らの主張的特徴にできうる限り加工修正を施さないことを遵守している。


僕はヤノ氏にこう言う。
「恥を知れ。しかるのち死ね!!」。
最近読んだ小説より引用して。




さて。
「さて」で始まる文章ほど怪しく信用に乏しいものもない。
さて、森見氏の文体を模倣して文章を書くという作業はとても楽しいこと請け合い、反面、非常に手間のかかることは否定するべくもなく、以下は普段の文体に戻させていただく。


先週飯田橋のギンレイホールで映画を鑑賞し、今日までに3冊の本を読了したのでここにメモする。

ヤノ氏は映画を観た。
場所はギンレイホールであった。『大阪ハムレット』と、そのついでに『おくりびと』を観たのだった。
知らない方に一応説明させていただくと、ギンレイホールはいわゆる名画座で、各回入替制ではなく、1回の入場で2作品の映画を楽しむことができる劇場である。
以下メモ
『おくりびと』滝田洋二郎
平日の昼間にもかかわらず、階段にまで人が溢れるほど大入り。実際、上映5分前に到着した僕は、階段で観た。
映画は、「滝田洋二郎の映画としては凡庸」という印象。もともと、滝田さんは丁寧でベーシックな演出をするイメージで、今回もいつも通りそのままだった。
ホン的には、押し付けがましくないのだけよかった。父親との再会で終わるラストはベタベタ過ぎて嫌い。
これがハリウッドの労働組合で受けた理由は、たぶん各所でもすでに言われてるけど、
①日本の田舎の原風景が彼らにウケた(特に東北地方であったことも留意すべき)。
②日本独自の宗教様式(葬儀関連)が彼らにとって新鮮だった
③広末の脚がキレイ
④僕は山崎努が好き
という辺りだと思う。どうだろう。
ちなみに主演の演技はうんこ。

『大阪ハムレット』光石富士朗
この作品が始まる頃には、会場の座席は半分以上空いていた。
にも、かかわらず『おくりびと』の何万倍もの面白さ!!
何度でも観たい。いつかDVD手に入れる。アーバンタイトルから大好き。
『大阪ハムレット』は、タイトルの通り、大阪を舞台にハムレットを下敷きにしつつむにゃむにゃむにゃ…なんだけど、端的に言えば、3人の兄弟(兄妹?)の成長譚。
結局、こういう構図が好きなんだ。『酒井家のしあわせ』も『かぞくのひけつ』も。…ちなみに、『酒井家のしあわせ』は森田直幸が主演で、『かぞくのひけつ』は久野くんが主演。そして、その二人がメインキャストに名前を連ねるこの作品!!嗚呼…これであと谷村美月がいたら最高やのに。
それだけじゃなくて、まず、大学生(ファザコン教育実習生)と中学生(大学生のフリをする長男)の恋・ハムレット的境遇に悩んで賢い本(『ハムレット』)を読むヤンキー次男・キレイな女の子になりたい末っ子三男。この一筋縄じゃいかない感じ。実際、設定だけの面白さに留まらず、本当に一筋縄じゃいかない。しかも、そのどれもが一生彼らについて回る問題なのだと思うと、心の中で応援せずにはいられない。
特に、終盤で森田直幸がブツブツと呟き自分の境遇に喧嘩を売りながら川沿いの堤防を走り抜ける場面は名シーン。
嗚呼!!言いたいことが次から次へと浮かんでくる!!DVD!!欲しい!!
いや、機会があればまた劇場で観たい。
決して『おくりびと』ほど上手くないし、『おくりびと』みたいにベタベタと扇情的ではないんだ。でも、涙が出そうになったんだ。
久しぶりに素直に映画楽しんだ気がした。幸せな気分になったヤノ氏は、その後飯田橋界隈において『やの散歩』を行うのであった。


ヤノ氏は本も読んだ。
『鴨川ホルモー』
『ホルモー六景』万城目学
映画は観ていないのだ。しかし、栗山千明の演じる凡ちゃんはかわいいに違いないのだ。
で、ちょっとあれなんだ、マキメは頭がおかしい人なんだ、と思うことにした。
鴨川ホルモーとか、最終的にはどうしようもない恋愛小説的に帰結しているのに、そんなのどうでもいいと思うくらい、そこまでで毒されていた。不覚。
『ホルモー六景』は、続編かと思っていたら、スピンオフ。まあオーソドックスな小説。『ローマ風の休日』が好き。

『四畳半神話大系』森見登美彦
つまり、森見氏はあれだ、頭のおかしい人なんだと思うことにした。なにせ、森見氏は幸せになるためには結婚さえ厭わないような男なのだ(blogより)。
単純におもしろい。九龍城を想起させる古びたアパートの四畳半と大学周辺を舞台に、4つのパラレルワールドで起きる、幻の至宝と言われる「薔薇色のキャンパスライフ」を手に入れることの叶わなかった学生の物語。
樋口師匠や羽貫さんは『夜は短し-』でも登場したキャラクター。【みそぎ】も確かでてきたし、他にもリンクしてるかもしれない。
何より『夜は短し-』の「私」と明石さんがダブって見えてしかたない。でもたぶん違う。
なむなむ!!


確か、ちょっと前に白岩玄の『白い雲』(←何を勘違いしたか、正しくは『空に唄う』。一文字も合ってない!!)も読み終えたけど、これは良くなかった。
『野ブタ-』のがよかった。あれは、小説としてのフォーマットには即してないんだけど、はちゃめちゃだから内容も活きてた。
今回は、変におとなしいのが面白くないし、設定が描写を殺してる。
最後まで入り込めなかった。



ヤノ氏はマンガも読む。
ヤノ氏は曽田正人の『シャカリキ』を読んで、ブックオフで泣いた。
ヤノ氏は花沢健吾の『ボーイズ・オン・ザ・ラン』の5巻くらいまで読んで暗澹たる気持ちになり、その先に手を出せなくなった。
ヤノ氏は、『ONE PIECE』の展開に毎週ワクワクしている。鼻血を噴出しかねない様子である。
ヤノ氏は、『ゲッサン』の創刊を歓迎していない。あだち充が『クロスゲーム』を休載するからである。
ヤノ氏は、『ソラニン』の芽衣子さんは宮崎あおいでは役不足であると考えている。蒼井優ならまだ許せるのだ。




さて、いつの間に文体ばまた森見氏を模倣し始めた。
そのため、この記事の執筆にあたり、非常に長い時間を要した。
ハッピーババァ'sデーは風のように過ぎさった。