Scandinavian modern 北欧 ビンテージ ブログ

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自分の部屋にある大好きな北欧ミッドセンチュリーの家具やアートガラスの紹介をします。

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 Folding chair (PP512)1949

 Hans J Wegner (1914~2007)

 PP Mobler DENMARK

 折りたたみ椅子と呼ばれる椅子は今も

様々なシーンで使われているが、その多く

は安価な量産品ではないだろか?

使わない時は小さなスペースにしまってお

けて、いざという時には人数分だけ出して

と、一般家庭でも数千人収容の大きな会場

でもその空間の有効活用に便利な事この上

ない。その性質を考えればあまりに高価な

物は受け入れられないのは仕方のない事だ

が1949年、リビングで使う事を想定した

安楽性の高い折りたたみ椅子がデンマーク

コペンハーゲンのキャビネットメーカーズ

ギルド展に出品された。 製造は当時、

腕利きの職人を多数擁した 名工房、ヨハ

ネス ハンセン社。 デザインしたのは

なかなかヒット作を生み出すことが出来な

かった若き日の ハンス ウェグナー。

オーク材を削り 籐を編み込み 磨き上げ

た真鍮のパーツを取り付け 組み上げた

折りたたみ椅子はオールハンドメイドゆえ

の製造時間とコストのかかった高価な

“エクストラチェア”となった。 

座面の枠が斜め下に伸びて後脚になる

この構造はこの後、リデザインを繰り返

すウェグナー作品 最大の特徴と呼ばれる

様になるが、非常に安楽性の高いものだ。

広げた状態で持ち運ぶ際に使う取手も、

折りたたんだ状態でフック(壁などに取付

ける別売りの木製フックがある)に掛ける

為の凹みも全て職人の手による削り出し。

座面と背もたれに美しく編み込まれた籐

に至っては後から見た時にも美観を損ねな

い様に背もたれを両面編みにする徹底ぶり

だ。 腰掛けた人にだけ解る“天然のクッ

ション”の心地良さも 一人掛けとしては

広すぎる程の座面も考え抜かれた完成度。

この時代のウェグナーは自分の体がデン

マーク人男性の標準的な体格である事に

気付き「自分が快適な座り心地であれば

大多数の人がそう感じるはず」とプロト

タイプ製作を繰り返した。身長178cm、

体重70kg の私が快適に感じる作品が多い

のはあながち気のせいと言う訳ではなかっ

たのだ。