1.6  (1)野外飛行(Cross-Country Flight)

 

 

<野外飛行とは>

これまで基本操作(Basic Maneuvers)、エアワーク(Airworks)、場周経路(Traffic Pattern)での離着陸訓練と進み、先日、場周経路でのファースト・ソロ、セカンド・ソロ(First Solo/Second Solo)を無事終えることができました。これらはすべて一つの作品の「パーツ」の練習といえるでしょう。

 

次に学ぶ野外飛行(Cross-Country Flight)は、これらのパーツその他の要素を組み合わせて、全体的な一つの「野外飛行」という作品を作ることだと言えると思います。

 

ある教官から「ここからは次々と新しいことを学んでいって、試験の数週間前になると口述試験対策も同時にやらなくてはいけないので忙しくなりますよ」と言われました。実際、野外飛行の他にも短距離離陸・着陸(Short-Field Takeoff/Landing)、不整地離陸・着陸(Soft-Field Takeoff/Landing)、エンジン停止時の手順、代替空港への着陸手順、異常飛行姿勢からの回復(Unusual Attitude Recovery)等も練習しましたので忙しかったです。

 

「野外飛行」の定義は航空機の種類によっても違いますが、飛行機(Airplane)で自家用操縦士免許(PPL)訓練を行う際には、14CFR 61.1 (b) (3) (ii) (B)に以下のように定義されています:(1)適切な航空機で行うこと、(2)出発地点から着陸地点までの直線距離が50 NM(海里)超であること、及び(3)着陸地点まで推測航法、地文航法、電子航法援助装置、無線航法援助装置又はその他の航法装置を使用すること。

 

*「14 CFR」の説明:1.2 (5) 航空法 | 自家用操縦士訓練物語~超怖がりな私が空を飛んだ日(My PPL Training Days) (ameblo.jp)

*14CFR 61.1 (b) (3) (ii) (B):eCFR :: 14 CFR Part 61 -- Certification: Pilots, Flight Instructors, and Ground Instructors (FAR Part 61)

*航法の種類の説明:1.2(10)航路上の飛行(Enroute Flight) | 自家用操縦士訓練物語~超怖がりな私が空を飛んだ日(My PPL Training Days) (ameblo.jp)

 

<初めての野外飛行>

初の野外飛行(Dual Cross-Country Flight)は、教官と同乗で、片道50分程度の道のりを往復しました。最初の区間は、今まで行ったことのなかった空港まで行けたし、天気が良くて見通しも良く、教えられた通りに飛べば良いので最高の気分でした。わずか5,000~6,000フィートの高さですが、航空図(Chart)と照らし合わせながら上空から見る地上の景色の移り変わりは最高でした。但し、目的地に到着する頃には、それは乗客として乗っていればの話だということが分かりました・・・

これまでの「パーツ」作りから、今度は1つの「作品」作りに取り掛かっているので、パイロットとしてはやるべきことが多くて忙しく、常に何かを考えて行動しているという感じで、体力も相当消耗することがわかりました。

 

飛行前には、天気についても入念にリサーチし、航路上の空域(クラスB、C、Dに入らないよう)や地形を考慮して、高度も勘案した予定航路を航空図(Chart)にプロットします。

 

次に、プロットした航空図を基に、NAV LOG(チェックポイント、風を加味した針路、高度、燃料、時間など、詳細な旅程表のようなもの)の作成もします。

 

これらは慣れるまで作成するのも時間がかかりますが、飛行中に使うのも一苦労です。NAV LOGには、ETE(予定飛行時間)が算出されているので、離陸後、離陸時刻を記入して、次のチェックポイントのETA(予定到着時刻)、針路、高度を確認します。15分に一回はエンジン計器が適切に作動していることを確認し、Heading Indicatorを磁気コンパス(Magnetic Compass)を基に合わせます。外の景色や地上の物標を見ながら、予定航路を適切に飛行しているかを確認しながら、VORのセット等他にもやることがいっぱい。これを次のチェックポイントまで繰り返します。

 

到着前は、目的地空港のATISを聴取して、ATCとの交信(非管制空港の場合は、一方送信)をしながら、降下のタイミングを把握して着陸します。着陸のための進入方式(場周経路のどこからどのように入るか)も下調べしておく必要がありますし、やることは沢山あるので、暇になることがありません。

 

復路は、出発の方式を確認通りに行い、付近の空域(クラスB、C、D)に入らないように高度を維持しながら上昇します。往路と同様に、チェックポイントまでの区間の様々な確認の繰り返しで出発地空港に戻ってきます。

 

野外飛行ではこのようにこれまで経験しなかった要素が沢山盛り込まれているので、いろいろな「事件」も起こります。しばらくは、この野外飛行の練習をしながら、今までとは少し違った離着陸の練習もします。(続く)