いつのまにかおおかみは泣いていました。
さみしいと思っていた理由がやっとわかったのです。
ああ、ぼくはぼくだけを見てくれるひとがほしかったんだ
どんなに頼られていても、みんなだれか大切なひとがいた
ぼくはそれになりたくて、でもなれなかった
ぼくだけをみてほしかったんだ
ぼくだけを必要としていてほしかったんだ
おおかみは泣き続けました。
ぼくはひとりぼっちだ、と思った瞬間
あれ、と思ったのです
涙にぬれてかすんだ目で横を見ると、
まだ手をつないでくれているうさぎがいました
あれ、ひとりじゃない?
ねえ、きみはどうしてここにいるの?
どうしてぼくの心にいるの?
うさぎは言いました
おおかみさんの心が知りたかったのです
どうしてそんな目をするのか知りたかったのです
わたしはおおかみさんを見ていたいと思ったのです
そして続けて言いました
おおかみさん、おおかみさんの心に住んでもいいですか
おおかみさんの大切なひと、になってもいいですか
おおかみはさらに涙があふれて目の前が真っ白になりました
うさぎの握った手があたたかくてやわらかくて、
それはおおかみが生まれて初めて味わう感覚でした
これはなんていうのかな、あったかくてやわらかい
これは、しあわせ、または、あい、と呼びます。
さて、理由もわかったことですし戻って紅茶を飲みましょう、一緒に。