知らない方から「ちんすこう」を戴いた話を書きましたが、そちらは楽しい話でしたけれど。

こちらはあまり堂々と書く内容ではないですが・・・・・・。

 

昔々家への帰り道、飲み屋さんへ良く立ち寄りしていた頃のことです。

 スナックで、私の隣に座った人が気前よく当時としては贅沢なリザーブのボトルを取ったり、豪華なオードブルを取ったりしてご機嫌にやってました。

 私にも色々取ってくれ、ボトルまで1本入れてくれました。払うと言いましたけれど、オレが奢るんだから、とおっしゃるので良くお礼を言って帰りました。

 さて、また立ち寄るとママさんの顔が仁王様みたいになってました。

あの人知ってるの? いや知らない。

あれ無銭飲食だったのよ。数万円踏み倒されてしまった。警察に突き出したら、無銭の常習犯なんだって、と。

じゃあ俺の分だけでも払うよ。

いや、いい、こっちが悪いんだからと。なら私に仁王様のような顔をしなきゃいいのに。

 

 次に寄ったら、ママの顔は穏やかになっていて、無銭野郎の雇主が全額払ってくれたと。

 その頃はまだバブルの真っ最中、雇主がその位払っても働き手が居た方が良かったのでしょうし、懐具合も良く大らかだったのです。今ではそんなこと出来る親爺さんなんかいないでしょうね。

 彼、人の良さそうな普通の人の感じで、雇主が払ってくれる位でしたから、普段はいい子の人なんでしょう。飲むと分からなくなっちゃう。色々頼めば店もちやほや、奢ってもらえば周りの客からもちやほや。支払いは後日雇主の親爺さんが、警察も支払われれば捕らえる必要もないでしょう。

 でもバブルがはじけ厳しい世相に変わり、どうしてるんでしょうね、もう爺さんになってるでしょうけど。

 

 

    

   無銭飲食のあった店の所。その後飲み屋さんが三代変わ 

   り、今は、ベトナム人によるベトナム料理店に。