昨年の夏、高校の同級生から自分のことを書けと云われ、自分のことを云うとしかられた想い出位しか無いので、しぶしぶですが書き始めることにしたものです。

最初にしかられた記憶に残るのは2歳半ごろ、父の出征で、親戚や近所の人達が集まり、武運長久を祈り宴が開かれ、この折り近くの肉やのひょうきんな親父さんが酔って帽子をひっくり返して踊りを踊り、皆を笑わせていました。私はこれを見て、それが楽しく、以後度々その頃気に入ってかぶってた帽子をひっくり返してはわけのわからない踊りを踊っていました。

とうとう、そんなことばかりしてるとしかられてしまいました。それ以前にもすでに叱られたことは一杯あるはずですが、いつだったかどんなことだったか思い出せません。

で、これ以後はしかられるのが商売のようによくしかられる人生になりました。

 なお蛇足ながら、父はまもなく戦地に行き数年後、私が小学校のとき冬の寒い日の早朝、大変幸いなことに復員して来ました。


こんな形をした帽子でした。

焦げ茶色で、ひっくり返しても同じような形でしたが、気に入っていてよそ行きの折りよくかぶってたものです。