【ことば・コミュニケーションの発達や食べることをサポートする言語聴覚士】
ことばの発達サポートfluffy代表の多部未来(たべみく)です。
”ことば”が出て、
”コミュニケーション”がとれるようになるために
必要な土台があります![]()
「その土台とは一体何なのか?」
「どうして土台を作る必要があるのか?」
といった内容を数回に分けて
お伝えしています![]()
言語聴覚士がお子さんにアプローチをすることで
対人面や言語面、コミュニケーション面に
変化はみられます!
ただ、言語聴覚士が”ことば”だけに
フォーカスを当てて関わっても、
お子さんの変化はわずかなものです![]()
そのためには、どうすれば良いのか?
”ことば”が育つための土台を作ることが重要です![]()
土台の1番下の部分は、”規則正しい生活”です!
”規則正しい生活”については、
【睡眠編】と【食事編】でお伝えしました![]()
4月21日に”規則正しい生活”の上の土台である、
”感覚統合”の概要をざっくりとお話し、
”感覚統合”が”ことば”を育てる土台
であることがご理解いただけたかと思います。
(【感覚統合編〜概要〜】の記事を
読まれていない方は是非ご覧ください)
【感覚統合編〜概要〜】の記事でお伝えした、
”感覚統合”で重視されている感覚は、
前庭感覚&固有受容覚&触覚
の3つです。
前々回は”前庭感覚”、前回は”固有受容覚”
についてお話ししました。
今回は”触覚”についてお話しします!
”触覚”は”前庭感覚”や”固有受容覚”よりは
イメージしやすいかと思います。
”触覚”とは簡単に言うと、
皮膚を通して、
触覚、圧覚、冷覚、温覚、痛覚
を感じる感覚のことです!
もう少し詳しく説明すると…
”触覚”には大きく分けて2つの役割があります。
① 識別系ー触った物の形や素材が何であるのか分かる
② 原始系ー防衛機能として瞬時に反応する
例えば…
①の識別系は、
ポケットに数種類の小銭を入れていても、
手探りで500円玉を取り出すことができます。
②の原始系は、
暗闇で何かに触れられるとビクッと反応することです。
「熱っ!」「冷たっ!」「痛っ!」と
反射的に手を引っ込めますよね?
この2つの例の共通点は”見えない状態”であることです。
異なる点は、
意識的に使っているか、
無意識に反応しているか、
です。
①の識別系は、発達と共に判別機能が育っていきます。
ただ、発達の偏りなどで触覚に未発達さが残ると、
②の原始系が優位となり、防衛機能が働きます。
②の原始系が優位だと、
一般的には不快に感じない程度でも拒否的になり、
情緒不安定や対人関係のトラブルに繋がります![]()
”触覚”の働きは…
① 防衛
② 識別
③ ボディイメージ(身体地図の把握)の発達を促す
④ 情緒を安定させる
⑤ 覚醒の調整
⑥ 手先の器用さ
が挙げられます。
触覚を強く感じすぎると…
・汚れることを嫌う
・(触れたくなくて)不器用
・偏食
・睡眠が不安定
・寝つきにくい
・物音で起きる
・パニックになりやすい
・知らない人が集まる所が苦手
・知らない人を警戒する
・全体を見渡せる所にいたがる
・他害
触覚を弱く感じる、感じられないと…
・痛みに鈍感
・自傷で痛がらない
・(道具に触れてもよく分からないため)不器用
・動画や遊びに夢中だと、触れても気付かない
・口に手を入れて舐めている
・注意が向きにくい
という状態として表れます。
お子さんに当てはまる項目はありましたか![]()
ちなみに、私は…
知らない人が集まる所が苦手で、
知らない人を警戒して、
不安や緊張が強くなります![]()
そんな状況で、背後から声を掛けられると、
異常にビクッとしてしまします![]()
また、20歳頃のエピソードですが、
美容師さんに髪の毛を触られる時に
頭皮から背中にかけて鳥肌が立ち、
不快で全身が緊張し、顔も強張り、
極力うつむいてやり過ごしていました![]()
では、どうやって”触覚”にアプローチしたら良いのか![]()
本人が受け入れてくれる遊びや活動から取り組みましょう!
無理やり触らせるのは逆効果なので、控えてください![]()
【好きな感触探し】
・ふわふわしたぬいぐるみや毛布
・感触系の絵本
・ふれあい遊び
・マッサージ(どういう触られ方が好きなのか)
【色々な感触遊び】
・水遊び
・泡遊び
・小麦粉粘土
・スライム
・砂遊び
・ボールプール
【お手伝い】
・クッキング
・洗濯
【識別する力を育てる遊び】
・何かなBOX
・感触あてクイズ
・背中文字あてクイズ
まずは、お子さんが「やりたい!」
と思える遊びからやってみましょう![]()
大人が楽しそうに遊んでいる姿を見せて、
興味を持ってもらうことから始めてみるのも
良いと思います![]()
また、過敏なお子さんは、
サワサワ触られるとゾワゾワしますが、
ギューっと圧を掛けて触る
と受け入れてくれやすいです![]()
それでも、触られることを嫌がるのであれば、
毛布や布団を身体の上に敷いて、
その上から圧を掛けて、
じっくりと触ってみてください!
ギューっと圧を掛けて触られるのに慣れたら、
手のひらやグーでトントンしたり、
ギューっと揉んでみたり、
指先でツンツンしてみたりして、
どの触られ方が好きなのか
を把握しましょう![]()
お子さんが不安な時に、
その触り方で触ってあげて、
不安や緊張を軽減させましょう![]()
あとは、見える所から触れてあげましょう![]()
見えない所を触る時はどこを触るのかを
伝えてから触ってあげてください!
どこを触られるのか予期できていると、
少し安心します![]()
クイズ系は、まず大人が回答者になり、
お子さんには出題者になってもらいましょう![]()
そうすると、そのクイズの楽しみを感じた上で、
「自分も答えたい!」
気持ちが芽生えると思います![]()
今回は”触覚”について説明いたしました。
ちょっとはご理解いただけたでしょうか?
この記事で、お子さんのことを
少しでも理解できる部分が
みつかればと思います![]()
これまで3回にわたって、
前庭感覚、固有受容覚、触覚
について、それぞれお話ししてきました。
次回からは、
”感覚統合”と”ことば”の発達の関係性
についてお話ししようと思います![]()
引き続き、読んでいただければ幸いです![]()
どうぞよろしくお願いします!
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