MOTLEY CRUE 「MOTLEY CRUE」(1994) | ギャルメタラーの日々

ギャルメタラーの日々

ヤフブロから移動しました!

イメージ 1

「声替わり」シリーズ、とりあえずの最終回はこの作品!
もちろんヴォーカルが代わってリリースされた作品は数え切れないほどありますが、それはまた通常の記事としてリリースしていきます。

1992年、ヴィンス・ニールが解雇されます。理由はいろいろ噂されますが、ヴィンスが裁判を起こしたこともあって、仲は険悪なものとなりました。
その後任にはTHE SCREAMのジョン・コラビ。バンドが求めていたもの(&、時代の求めていたもの)とジョンの持つものが見事に一致。その結果、とても優れた作品をリリースすることができました。

1993年ヴィンスは「EXPOSED」を発表し、全米チャート13位を記録するヒットとなります。一方モトリーは遅れること約1年後、本作をリリースします。

LAメタルのくくりをはずしても、希代のリフメイカーであるミック・マーズがここでもその才能を発揮しまくり。時代はヘヴィネス路線を要求していましたが、その流れに見事にはまって、さらに彼ららしい妖しさも加味。本作は「Dr.Feelgood」に次ぐ、あるいはそれ以上のモトリーの最高傑作という声も多い作品です。

しかし、全米チャート7位を記録したものの、本作はすぐにチャートから消え、あまり売れることはありませんでした。
モトリーというバンドのもつイメージが、本作では希薄だったのでしょうか。ジョンの声はヴィンスとまったく違うものですし、見た目も違う。ライブでの歌唱にも疑問を持つ人も少なくなく、これがモトリー名義でなければもっと売れたという人も少なくないでしょう。

ジョンがもたらしたものは意外に多く、彼はギターも6弦ベースも弾いているし、曲作りにも貢献しているので、この作品がこうなったというのはあります。
ボブ・ロックのプロデュースもすばらしい。

いずれにしてもこの2009年に聴いてもじゅうぶん新しいというサウンドがすごいのである!


01 Power To The Music
02 Uncle Jack
03 Hooligan's Holiday
04 Misunderstood
05 Loveshine
06 Poison Apples
07 Hammered
08 Til Death Do Us Part
09 Welcome To The Numb
10 Smoke The Sky
11 Droppin Like Flies
12 Driftaway
13 Hypnotized


① ドロップDのチューニングのリフが冒頭からかっこいいオープニング。「power to the music」ということばもかっこいい。15年経った今聞いてもいい音だしかっこいいヘヴィリフです。
モトリー作品にしてはギターソロがたっぷり入っています。
しゃがれた声で激しくシャウトしたり、軽く歌ってみたり、ジョンも多彩なところを披露。

② 逆回転の音からリフに。歌が入ってしばらくして骨太なリフになるのがかっこいい。
2番ではアコギの音が妖しくバックにずっと入ってるのがいいですね。ブルージーで妖しげなメロディもいいし、ギターソロ前の跳ねる感じのパートもいい。
最後の方はひきずるようなヘヴィリフに移行しますが、これもかっこいいですね。

③ 固いベースにちょっとさわやかさが乗るイントロからグルーヴィーなリフに。「everybody wants a piece of the action」というフレーズがかつてのモトリーっぽい感じ。
3分過ぎの硬質なヘヴィリフが好きですね。
サビの歌唱もとってもかっこいいです。これはヴィンスには無理。

④ アコギをバックに優しく歌い、パーカッションが入って軽くさわやかな曲になり、2分が過ぎてヘヴィなリフが登場して、5分過ぎてまたアコギが入っていくという、ストリングスも入るドラマティックな曲。といっても全編メジャーキーでさわやかな曲です。
新モトリーの佳曲の1つと言えましょう。

⑤ 5分を越える曲が多い中、この曲は2分半ほどの気軽な曲。しかし、アコギのさわやかさと明るいコーラス、ちょっとなつかしさすら覚えるようなメロディによって、スタンダードになって欲しいくらいの曲となっています。

⑥ アルバム中、いちばんかつてのモトリーっぽい曲。明るくノリもよく、それでいてジョンのヴォーカルの枯れた感じもよくて、FACES的というのはほめすぎでしょうか。

⑦ チューニングがノーマルならおそらくとってもモトリーっぽいリフになったであろう曲。ずっしり腰をすえた男らしい曲です。
中間部ではベースをバックに進行するパートからギターソロ、最後はちょっとテンポアップ。

⑧ もともとアルバムタイトルの予定だったタイトルの曲。アルペジオで始まってダークな感じで進んでいきます。これもなかなか骨太な感じの曲ですが、歌メロは薄味なので、他の曲に比べると印象がやや薄く感じます。

⑨ この曲も⑥みたく、かつての彼ららしい曲。ところどころに入るスライドギターっぽい音や明るさを感じさせるリズムなどでいい感じになっていますが、歌メロはとってもわかりにくい曲。
こういうのを雰囲気ものの曲というのでしょうか。

⑩ ヘヴィリフでアップテンポというのがめっちゃかっこいい。イントロでしびれます。
ドラッグや政治について書かれた歌詞が単語や音遣いもめっちゃこっていて、そういう点も含めて新生モトリーの佳曲の1つでしょう。
ギターソロのあとのむせてせきしている感じもいいです(?)

⑪ アップテンポ曲のあとなのでとっても地味に聞こえてしまう曲。でも④に通じるところがほんとうはあるんだと思います。
サビ部分のメロディはかつての彼らを思わせるようなところもあるし、最後はベースがとにかく重いな~というパートで終わっていくのがいい感じ。

⑫ このバンドのバラードにはいいものが多いですがこれもその1つ。どことなく「Time For Change」あたりを思わせる雰囲気、ジョンの声質が実に生きているメロディ、アルバムを締めくくるのにすばらしい1曲。

⑬ この曲は発売当時の日本盤ボートラ。今買うとこのあとに2曲ほどさらに入っているようです。
この曲のみバンドによるプロデュースということで、ギターの音やヴォーカル処理、ドラムの音などが本編と違っています。曲自体はヘヴィリフのグルーヴィーな曲ですが、歌メロがなんというかグランジーな感じ。⑫で終わっていたほうがまとまってますね。


*MOTLEY CRUE記事~
MOTLEY CRUE 「TOO FAST FOR LOVE」(1982) http://blogs.yahoo.co.jp/fltsts/36594267.html
MOTLEY CRUE 「SHOUT AT THE DEVIL」 (1983) http://blogs.yahoo.co.jp/fltsts/41074536.html
MOTLEY CRUE 「THEATRE OF PAIN」(1985) http://blogs.yahoo.co.jp/fltsts/44353371.html
MOTLEY CRUE 「GIRLS, GIRLS, GIRLS」(1987) http://blogs.yahoo.co.jp/fltsts/52066104.html
MOTLEY CRUE 「RAW TRACKS」(1988) http://blogs.yahoo.co.jp/fltsts/56386023.html
MOTLEY CRUE 「DR.FEELGOOD」(1989) http://blogs.yahoo.co.jp/fltsts/58201193.html