GARY MOORE 「WILD FRONTIER」(1987) | ギャルメタラーの日々

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いまやすっかりブルーズ・ギタリストとして知られているゲイリー・ムーアの、HR時代の名盤。

リアルタイムで経験していないので何ともわからないけど、HR時代の彼の作品はどれも(というのは言い過ぎかも知れませんが)
名盤で、HRギタリストにも一目置かれた存在だったようです。

この当時の彼は、リフ主体での曲作りにはまだ多少疑問を持っていて、本作の曲もリフに次ぐリフ、という
今のHRとはかなり違っています。
また本作では故郷のアイリッシュ音楽の要素も加えてあるので、HRでありながら叙情性たっぷりの心にしみる
癒し作品となってます。
頑固な職人といった顔つきとは違って、やさしくも力強い歌声もギター同様すばらしい。


1.Over The Hills And Far Away
2.Wild Frontier
3.Take A Little Time
4.The Loner
5.Friday On My Mind
6.Strangers In The Darkness
7.Thunder Rising
8.Johnny Boy
9.Over The Hills And Far Away (12'' Version)
10.Wild Frontier (12'' Version)
11.Crying In The Shadows
12.The Loner (Extended Mix)
13.Friday On My Mind (12'' Version)
14.Out In The Fields (Live)

① エコー感のある打ち込みドラムから始まって歌が入って民族音楽っぽいメロディも入ってきます。
ものすごく印象的なサビもどことなくアイリッシュな香りのするメロディ。そんな香りたっぷりの間奏
に続いてギターソロ。当時の彼らしい速弾き炸裂です。5分半近くある曲ですが、充実してるのでぜんぜん長く
は聞こえません。

② これまたステキなギターで始まる名曲。リフ主体じゃないと書きましたが、そうした曲の場合、
より歌メロの比重が高くなるわけですが、Aメロ、Bメロに至るまできちんと歌メロが作られてます。
サビでは印象的なメロディのバックでアルペジオになりますが、これが好きなんだ。
2分あたりの優しいパートもステキで、そのあとのメロディをしっかり奏でるコンパクトなギターソロも
ステキです。最後盛り上がりそうなところでフェイドアウトするのもニクイ。

③ アップテンポな曲。イントロなどのメロディも印象的ですが、「Take a little time」と締めくくる
サビが印象的です。2分半すぎのパートがさらに印象を強めてますね。
強くは入ってないキーボードのメロディがなかり印象的な曲でもあります。

④ 本作のハイライトの1つのインスト。1:18までのプレイ、音程的にはどうってことないけど、
魂の入ったプレイ。その後、本編?に入ってのメロディは絶品!泣きのプレイの第一人者(だった)
彼の本領発揮といったところ。
3分過ぎてメジャーキーに変わっても、こんなギターを弾く人はいまのHRに何人いるのか、というプレイ。

⑤ 意外なシンセで始まる曲。明るいのかそうでないのか分からないBメロを通り抜けるとサビに。
そのサビは明るくポップな雰囲気。
間奏はシンセがたっぷりのカラフリーな感じ。今の彼しか知らない人がこれを聞いたらびっくりするでしょう。

⑥ 一転して落ち着いた雰囲気。どちらかというと土着的な雰囲気のあったこれまでの曲に比べると
シンセの使い方や曲調が都会的というか。おだやかなサビメロは良くも悪くも抑えた感じ。
さりげないエンディングソロがまたいい感じ。

⑦ 印象的なメロディの出だしのあとには速い単音リフが登場。基本的にはこれの鳴りっ放し。
かなり忙しい感じ。3分台半ばでアイリッシュ的な雰囲気になってギターソロになりますが、
サビとかそこはテンポが変わったり別リフになります。そんなアップテンポ曲。
最後はギターとベースの速いアンサンブルで終わります。

⑧ 一転してアイリッシュ風味のおだやかなイントロ。そんな雰囲気たっぷりのゆったりとしておだやか
な曲。ギターソロが入ったりワイルドなリフが入ったりといったこととはまったく無縁の世界ですが、
このアルバムを締めくくるのにふさわしいやさしい曲。

⑨ ①の12インチEPヴァージョンで、①のイントロの前にドアみたいな音が入ったり、イントロが長くなったり、
曲の構成がちょっと変わってるリミックスですね。
⑩ これは②の同じようなヴァージョン。イントロにギターソロが入ってて、歌の代わりにギターが
メロディを奏でるヴァージョンかな?と思ったら歌もちゃんと入ってる。

⑪ おごそかで80年台っぽいシンセから始まります。ファルセットで歌われるサビの曲タイトル部分
とか、味付け程度のギター(最後にはゆったりソロはありますが)とか、HRというよりは80's AORですが、そこがいいじゃないですか。
アルバム本編には合わないけど、いい感じの曲です。

⑫ ④の長ヴァージョンですが、最初シンセから始まるので違う曲のようです。
もちろんメインのギターは相変わらずすばらしいですが、4分からシンセが入ったり、速弾きギター
が入ったりして、大きく雰囲気を変えないギリギリのところで多少都会的な感じになってます。
6:40からヴォーカルが入るのもびっくり。④ではうっすら入ってるだけでしたが。
⑬ ⑤の12インチヴァージョン。もともとが明るいポップな感じでしたが、こちらは多少ギターを
増やしているので、部分的によりハードな印象を受けます。ギターソロもかなり増量。
  
⑭ フィル・ライノットと出したEP曲のライブ・ヴァージョン。
スタジオ版に比べるとテンポも速くてドライブ感が強くなってます。ギターソロも出だしの上昇フレーズから
今では聞けないアグレッシヴな彼のプレイが聞けるし、MCもなかなかワイルド。