32点
何だろう、これ。碌でもない男の話だった。
〜ネタバレのあらすじ〜
[起]
男は万年係長のサエない警察官である。妻のTOSHIEはそんな男に愛想をつかし娘RIEを引き取って離婚した。娘は原宿のロックンロール族に狂い、時々男に金をせびりにくるが、男は娘に対しては甘かった。1LDKの団地の十階に住み、慰謝料や毎月の養育費も満足に払えず安酒をくらうだけの毎日の中で、彼の気晴らしと言えば飲み屋で知り合ったKEIKOとのセックスと上級試験のために購入したパソコンの練習であった。
[承]
やがてパソコン購入のためにサラ金から借りた金がかさみ出し、毎月の養育費も滞りがちになってきた。男は借金を返済するために競艇に金をつぎ込むがスッてばかりで、次第に心理的に追いつめられて行く。
[転]
そして、とうとうサラ金の借金取りが警察にまで顔を出すようになり、別のサラ金から借金するという悪循環が始まった。切羽つまって男はTOSHIEに借金を申し入れるが、罵倒される始末である。唯一の救いはKEIKOだったが、彼女も借金の全額を返せるような金は持っていなかった。
[結]
ある日、交番にとり立てに来たサラ金業者を男は狂気に駆られて撲りつけ、止めに入った警官もなぐってしまう。男は制服のまま街中を狂ったように走り抜け、団地の自分の部屋に入ると、TVを足で蹴とばし、窓からパソコンを放り投げた。
男はその後、郵便局に強盗に押し入り「金を出せ!」と拳銃を乱射しながら叫んだ。
郵便局の外にはパトカー、装甲車、TV局のレポーター、そしてヤジ馬が殺到している。やがて、群集が見守る中、男が〝同僚〟の警官二人にだきかかえられるように手錠をかけられたまま出てくる―。
女は慰み物になるだけで、全く尊厳を感じない。
いくらフィクションでも、不愉快極まりない。
私は、この監督作品を二度と観ない…かも。