邦題:呪いの館 原訳:恐怖大作戦

60点。

 

マリオ・バーヴァ監督の映画における美学が炸裂している、彼の最高傑作と称される映画の一つ。当映画、イタリアのホラー映画の変遷の中でもゴシック期のホラー描写に回帰していて、格調高い雰囲気が好きな方にはたまらないかも。

 

 

〜あらすじ〜

イタリアの片田舎で起きる奇怪な連続怪死事件。その謎を追う検屍官は事件の背後に、マリを持つ少女の亡霊の存在を知る......。

(※Amazonプライム・ビデオより抜粋)

 

 

以下、ネタバレせずに、感想。

 

 

□まずは、しっかりと謝罪を行ってから。

正直「血みどろの入江」を見ただけなのに、当監督はキワモノだと勝手に思い込んでおりました。ごめんなさい、とっても反省しています。色々な監督が影響を受けたとのコメント、完全に納得いたしました。って言うか、マリオ・バーヴァ監督が、日本において、知名度が全く無いのが一番に悪いと思う。全く。そういうとこだぞ。

 

 

 

□これぞ、王道のホラーと言える。

19世紀の霧に包まれた田舎の山村、古臭い建物、陰気な墓地を舞台として、オカルトと科学の対立を軸に、螺旋階段や、繰り返す部屋のシーンを用いて、不気味な雰囲気を追求しています。加えて、赤と緑の照明を使用し、陰影の強弱までも駆使する監督独特の色彩感覚の美学が、イタリアのゴシック期のホラーの雰囲気と、高次元で融合して恐怖感を演出しています。そら恐ろしいけど、どこか美しい。

 

 

□結末は若干、残念。蛸じゃないけど、消化不良か。

でもこれって、映画全体のクオリティが無駄に高い所為で、ハードルが上がっていただけのような気もする。全く。そういうとこだぞ。

 

 

〜総評〜

丁度良い塩梅の怖さで、子どもが見ても大丈夫。これは、後のホラーに繋がる系譜の映画であり、ホラーの教科書があれば載っているレベル。欲を言えば、もうちょっと綺麗めなヒロインにお願いして、結末の拍子抜け具合を何とかしてくれたら…。

 

 

マンマミ〜ア! イッツ・ミー、マ〜リオ!

 
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