邦題:小さな悪の華 原訳:それでも私たちを悪から救い出そうとしないで
52点。
この映画は並々ならぬ悪意に満ちてる。気が弱かったり、感受性が高い人にはお勧め出来ないかも。ホラーには全く見えないけど、やっぱりホラーだ。
…何だか、寒気がする。
この感覚を私は確かに知っている…。
「やっぱ、お熱あるじゃん!風邪ひいたっぽい!(つд;*)」
〜あらすじ〜
厳しい寄宿学校に住まうふたりの少女アンヌとロールは、外界の全てのものを憎み、悪事の限りを尽くす。巧みな嘘や、反道徳的な告白、盗み、放火を繰り返すふたりは、ついに年上の男を誘惑した後、彼に手をかけ……
(※映画ナタリーより抜粋)
以下、ネタバレ。って言うか、感想。
クローゼットを開けて隠していた煙草に火をつけるところ。これは少女の心内の暗喩だろうけど、当映画は二人の少女の行動原理について比較的、表層に触れるだけで、小さいことから大きいことまで、淡々と、生理的嫌悪感を植え付けられるような描写が続く。これは、女性を対象とした、って言うか、私にとっては「ファニーゲーム」のような映画でした。しんどい…。
□一貫しない行動と、その結果に対する反発。不一致であることの気持ち悪さ。
「思春期だから。」のひと言に尽きます。思春期は自分とそれ以外のものに対して、折り合いを自分の中で付けていく時期だと思っています。人間って幼少期に内面が、思春期に外面が決まるってのが私の持論です。
↑思春期を拗らせた一例。
□それでも、尤もらしく理由を付けるとして。
裕福で厳格なカトリックの家庭で育った二人の少女が、思春期を迎えて、聖約に雁字搦めに縛られた生活に疑問を持った時に、禁断の本に影響されて、倒錯に溺れて堕落していき、黒ミサに参加して、悪魔を理由付けとして(心の中で葛藤はあるものの)破滅の道を突き進んでしまったと言ったところ。
そもそも彼女たち、神への信仰が揺らいでるというか、そもそも、全く無いんです。なので、悪魔のことだって実際のところ信じちゃいません。茶番です。
まだまだ視野が狭くて、無条件に信じられるのはお互いだけだったんですね。
□何がしんどかったのか。総評。
思春期女子の裸、未処理の腋毛とか、未遂の描写とか。急激に大人になることを自覚していく時期って、誰しも、辛いことが少しはあったと思うんですよね。
臭いに敏感になって、自分の体を不潔に感じたりとか、性が気持ちが悪いとか、大人になることを認めたくなかったり、自分はどう思われていて、その存在の意義はあるの?誰かに必要とされ愛されているの?本当の友情とか愛って何なの?とか。
世界なんて、自分がどう思うかでしかなかったのに。とかね。思い出すとしんどい。