(2018)
邦題:ヒトラーを殺し、その後ビッグフットを殺した男
71点。
 
タイトル長ーい。制作年が納まんなかったよ!
 
 
~あらすじ~
軍人を引退し、平和な老後を送るカルヴィンのもとにFBI捜査官が訪れる。
かつてヒトラーを暗殺した伝説のナチハンターだったカルヴィンは、「病原菌を持つビッグフットの殲滅」を依頼される。狩りへの渇望が再び湧きあがった彼は、過酷な任務に挑むことに。
(※Filmarks映画より抜粋)
 
 
はて?邦題は原題を訳したそのままですね。ヒトラーは自決では?ビッグフットって謎の未確認動物でしょう?絶対にヤバい映画じゃん!?と思うんですが、お勧めとかされないと観ないかも知れないこのタイトルに、良い意味で裏切られました。いや、タイトル自体に嘘偽りは一切ないアドベンチャー、ドラマ映画です。
 
 
以下、ネタバレ。って言うか、感想。
 
 
ヒトラー暗殺はカルヴィンの過去の想起という形で、驚くほど丁寧に描写していて、これと、ケイトリンとの恋愛模様を絡ませて、一本映画が撮れるレベル。
徐々に明かされるミスターアメリカと呼ばれた男の壮大な物語のね。
 
当映画は使い古されたドル札に例えられる様な、犬と余生を暮らす孤独な老人の苦悩や後悔といった重厚なドラマパートがメイン。
国家の為に人を殺めたが、何も変えられなかった過去、先延ばしにして開けられない箱、靴の中のなかなか取れない石といった描写が緻密で、これも深い。
 
ひっそりと世界を救っていた、影のヒーローの人生の映画であるということです。
 
 
対して、上記に全く混ざり合っていない、ビッグフットとの対決の描写。
それに関しては、ヒトラーと深く対比させることが出来たなら、何でも良かったのと同時に、それもまた、カルヴィンにしてみたら同じことでしかなくて。その造形には作り手の意図なんて無いに等しい。そこじゃないということだと考えられます。
 
だけど、も一つ考えると、これって、私たちが子供の頃のかつてのヒーローが、大人になった今でも、どこかのヒーローショーで、その活躍をまた見せてくれたっていう感動を味わうことが出来る映画だとも言えるんじゃないのかな。

 

 

視聴者側の最大の敵は、先入観なのかも知れませんね。

 
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