邦題:ジョーズ

69点。

 

ユニバのボートツアーアトラクションで、水に濡れちゃいたいなら、左側の後ろの席を陣取るべし。くらいしか、実のところ知らなかった鮫映画。その元祖にして、既に頂点なんだってさ。

 

 

~あらすじ~

平和な海水浴場に女性の死体が打ち上げられる。警察署長ブロディは死因を「鮫の襲撃」と断定するが、観光地としての利益を優先したい市長のせいで対応は遅れ、犠牲者が相次ぐ。ついにブロディは海洋学者フーパー、漁師クイントと共に鮫退治に乗り出すが…。

(※Filmarks映画より抜粋)

 

 

以下、ネタバレ。って言うか、感想。

 

 

□総じて、上手な映画。

124分の上映時間で、60分を過ぎても肝心のジョーズは画面に映らないというのに、海中の鮫視点のカメラワークで存在を匂わして、視聴者の想像力で補完させることにきっちりと成功している映画。

 

実のところ、ジョーズを演じたアニマトロニクスのブルースくん、めっちゃポンコツで、中盤まで出て来なかったのはそれが理由で、苦肉の策。海面からヒレだけ出して泳ぐのも、壊れちゃってただけ。ブルースくんの絶妙な演技というか、監督が上手いこと誤魔化して撮ってたということらしい。

 

ただのパニック映画と侮る無かれ、登場人物たちの心情描写が上手い。何の気も無しに次男ショーンが父、マーティン・ブロディの仕種の真似をするところ。後の覚悟に繋がって素晴らしい。人間はやっぱり、守るものがあると強くなれるんだね。何せ、彼は海にトラウマがあるんだもの。

 

これ、例えばなんだけど、海水浴を禁止したならば、いずれはこの海域からは居なくなってくれるでしょう?そりゃ、市の収入源が飛んじゃうのは厳しいにしても、人命が関わるとそうも言ってらんない。その意味でヴォーン市長の選択はふた通りある。けど、海には彼の子供も居たってことで、ジョーズを退治する契約書にサインさせる流れが上手いよね。一方向に誘導されてる様な気もしなくもないけど。

 

逆に、ちょっと上手じゃないところは、クイントの船の操縦。限界を超えたスピードで走らせてエンジンから出火させた描写。必要であったとは思えないし、熟練の漁師なのにヘンだよ。後にジョーズの犠牲者にしたいが為に、愚かだと視聴者に刷り込むのはちょっと好かない。

 

ブロディが自身のトラウマ及び、ジョーズに立ち向かう為にと撃鉄を起こすところ。絵になりますね。何せ、ここに至るまで、彼は頑なに入水していませんでしたから。まぁ、何とかなって良かったね。

 

 

クイントを犠牲にしたけどね。

 
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