邦題:ザ・フライ2 二世誕生
43点。
 
前作を見なければ全くついていけないプロットなのに、監督も脚本も、何なら、母親役までもが変わってしまいました。脚本にフランク・ダラボンの名が無かったなら見ていなかったと思います。結局、形を変えた焼き増しでしかなく、前作の裏テーマを解り易く表に出して、救いの要素を加えた、ファン向けのサービスのつもりになっている映画の感想でした。
 
 
~あらすじ~
前作で絶命した科学者と女性記者の間に出来た息子が登場。巨大企業に囲われている彼は父譲りの才能を発揮して再び物質転移装置の開発に携わるが、蝿男としての血も受け継いでいた……。
(※allcinemaより抜粋)
 
 
以下、ネタバレ。って言うか、感想。
 
 
〜物質転送装置(テレポッド)〜
ケーブルが無くなりましたね! "量子テレポーテーション" の概念を加えた様です。
父親のセスが作ったのは形を変えて、繋がれたケーブルの中を通すだけで(ガリバートンネルの質量保存版)転送装置としては手品の域を出ない代物でしたが、これなら物流の革命、人類の偉業と言えます。やっぱり、その性質から汎用性が高く、劇中で使用目的が変わっているのですが、マーティン以外には転送装置にしか見えていない様です。
 
 
〜ヴェロニカ・クエイフ〜
誰!?
あの流れから産む事を選んだのは、本当にセスを愛していた訳ですね。妊娠中の描写を挿し込んで、胎教とか、子供にマーティンと名付けるとか、母の愛を受けて生まれて来たんだなと思える描写でもあれば、ジーナは出てくれたと思うけど。
 
 
〜マーティン・ブランドル〜
成長過程が不憫です。それでも、犬を慈しむ優しさと(同じ境遇と感じているからかも)、育ての親のバートックを愛していた(マーティンにとっての魔法の言葉は "Dad" だったので、バートックの前では照れて言えなかっただけ)事、加えて、自分が助かる為に人を犠牲にする事は出来ない。と言う常識も持ち合わせる、基本、良い子なのにね。キャッチコピーが "あの親にしてこの子あり" だそうですが、当の実父のセスは人間を誰も殺していません。その点が彼の将来にどういう影響を与えるのか、もやもやしてしまう感想です。
 
 
〜バートック社長〜
実の両親が故人ですので。育ての父親とは言え、遺伝子や肉を与えるのも親としては当然の事だから。結果、実験動物と同じで飼われるのは、本当はマーティンを愛していたと思い込みたい私としては悲しい結末ではあります。
 
 

人は良いけど、犬が死んじゃうホラー映画って好きになれません。

 
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