邦題:鳥

56点。

 

サイコ」でヒッチコックの顔が嫌いだなんて感情論を述べましたが、加えて、彼の作品のほぼ全てにおいて、そこはかとなく感じる、女性に対する悪意にも似た偏見を感じるのが無理です。その感情で記憶が蘇ったんですけど、私「サイコ」は13歳頃に初見の記憶があって、その時の感想が「この映画を撮った監督がサイコ」だったので長らくヒッチコックを忌避して来たみたい。おつむはあまり変わっていないのです。

 

 

~あらすじ~

新聞社の社長令嬢メラニーは、ペットショップで知り合った弁護士ミッチに興味を抱き、彼を追ってボデガ湾沿いの港町を訪れる。その町で、メラニーは突然舞い降りてきた1羽のカモメに額をつつかれてしまう。翌日、ミッチの妹キャシーの誕生日パーティで、カモメの大群が子どもたちを襲う事件が発生。夜には無数のスズメがミッチの家に侵入し、その後も町のあちこちで鳥の大群が人間たちに襲いかかる。

(※映画ドットコムより抜粋)

 

 

以下、ネタバレ。って言うか、閑話休題。

 

 

恒例の監督のカメオ出演は、彼が実際に飼っていた二匹のワンちゃんと建物の中から出て来るシーン。対照的に、彼と擦れ違うメラニーは鳥かごに閉じ込めて飼う鸚鵡をショップに受け取りに来るところから。

 

オカルト要素が入るホラーのジャンル言葉で、当ブログはスーパーナチュラルホラーと良く書いていますが、当映画はスーパーなんか無いナチュラルホラースリラー。1960年代の終末論は主に核兵器の脅威とかでしょうから、その辺に見る鴎、雀、渡鴉といった鳥さんが恐怖の対象になるとは誰も思わないでしょう。その意味で始祖では無いけど、自然の生物で且つ、人間に攻撃的でないものを驚異に描いた映画としては元祖かと思います。

 

 

 

 

特筆は音響部分で曲を一切使っていませんが、序盤は鳥の鳴き声をフューチャリングし過ぎて喧しいと思うレベル。私にとっては純粋な自然音じゃない様に思い、非常に耳障りでした。

 

この時代では最先端であろう鳥の群れる映像も、今となれば、コピペと一目で解ってしまったり、子供達を襲う鳥なんかは、まんま、パペットマペットで怖いよりも健気に頑張ってるなと思う方が勝ちました。

 

 

さて、本当に怖い鳥の話。

 

鳥糞被害に尽きます。せっかく野鳥の専門家が居らっしゃるので、鳥が持つ病原菌やカビや寄生虫の危険性について語らせたら良かったと思います。あの群れの数で絨毯爆撃とかされたら…。破傷風もですけど、それだけじゃないじゃんと思いました。

 

 

鳥類恐怖症の人を知っていますが、食べる分には問題無いらしいです。

 
サムネイル